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『近代体操』創刊号 内容紹介まとめ&告知(文学フリマ東京36)
私たち批評のための運動体「近代体操」は、一冊の雑誌をつくるにあたって大ざっぱなテーマを決め、そのテーマに関する定期読書会や不定期のイベントを一年間行ってから特集テーマを明確化し、雑誌制作に取りかかる、という手順をとっています。
この取り組み全体を「セッション」と呼び、「セッション」を通じて、書き手の間で問題の所在についてのコンセンサスが得られ、そのうえで各自の問題意識からのアプローチが可能となりま
【第3回】聖性論読書会レポート:モリス・バーマン『デカルトからベイトソンへ』、ジャック・デリダ『信と知』
昨年11月に『近代体操』創刊号「いま、なぜ空間は退屈か」を刊行し、今年2月から新たに第2号に向けて「聖なるもの」をテーマとしたセッションⅡに取りかかり、「聖なるもの」をめぐっての読書会も開始しました。
本読書会の概要については下の記事を参照ください。
また、創刊号についてはこちらを参照ください。5月21日(日)の文学フリマ東京に出店するので、ぜひ足を運んでみてください。出店ブースは、東京
イベントレポート:「『近代体操』創刊号「いま、なぜ空間は退屈か」刊行記念トークイベント:「批評/空間のほぐしかた(黒嵜想×福尾匠×左藤青×松田樹)」
2023年1月17日、京都の出町座で『近代体操』の創刊記念イベント「批評/空間のほぐしかた」が行われた。本イベントはCAVABOOKSの協力のもと、批評家の黒嵜想・福尾匠両氏を招き、『近代体操』メンバーである左藤青・松田樹を含めた4人で「空間」あるいは「批評」について議論するというものである。
告知文から、イベントの趣旨を引用しよう。
イベント当日。開始の1時間前に集まった登壇者4人が待機して
【第6回】空間/場所読書会 報告記事
「近代体操」では「空間/場所」をテーマに読書会を行なっています。成果として雑誌を制作することが予定されていますが、その過程自体で読者を巻き込み、私たちのインプットの過程自体を外に開こうと考えています。
本記事は、その読書会第6回(11月27日)のレポートとしての、古木獠と安永光希による報告のまとめです。
ここでは課題本の読解における骨子をまとめるにとどめますが、報告の際には多くの論点が展
古木獠「法のトポスを旅する」——エッセイ「私と空間/場所」⑤
暗いひとりの部屋
学部3年のころ、今から5年も前の2016年。後期に入って最初の憲法のゼミでの報告。割り当てられた判例をまとめるもので、戦後まもなくの不敬罪を担当した。教室は、1994年に建てられた棟のよくある会議室のような場所で、特有の無機質なにおいがした。
暑さの残っている夏休み明け、リオ・オリンピックはすでに遠く感じていた。祭りは終わってしまうとあっけない。オリンピックの開幕3日後