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写真・短編小説・詩

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様々な内容にチャレンジしてみたいと思います😄皆様の人生において、何かのきっかけになりますように😊
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2022年2月の記事一覧

春なのに

春なのに

野に花たち咲き乱れ

うららかな陽気が里包む

日は霞よ 夜朧

春風吹いて吹く先見れば

春田 春雲 山笑う

春風軒先通っては

門を叩いてゆくけれど

私の心は土の中

暗く冷たい土の中

お空をのぞいて見るけれど

どこかで雲雀が鳴くばかり

暗く冷たいこの土を

いつになったら出れるでしょう

不憫

不憫

おたまじゃくしをすくっては

やったやったと持ち帰る

そのあと田んぼの水の中

わが子探してあっちこち

親の蛙は泣きながら

一生懸命探してる

何も知らないすくった子

お家の池に"ほい"ポチャリ

月夜の田んぼに響く声

悲しく虚しいその声に

あの子は気付いてくれるかな

お迎え

お迎え

あなたが手にしたその花は
丑三つ時に咲くお花

あなたが知りたいその事は
丑三つ時にわかる事

夜顔静かに咲いたなら

振り向いてはなりません

死出の田長が死出山より

飛んできては誘いましょう

耳を澄まして夜顔見れば

闇夜に響くよ

ホーホケキョ

薪

切られて割られて燃やされて

そして 人様温める

薪はえらいな 立派だな

薪はすごいな 立派だな

文句ひとつ言わないで

切られて割られて燃やされる

文句ばかりの私たち

灰でも煎じて飲みましょか

蓮華草

蓮華草

叱られ落ち込む帰り道

道端に咲く蓮華草

車にひかれてペッチャンコ

私と同じでかわいそう

翌日その道通ったら

少し体を起こしては

しんどそうに揺れている

翌日その道通ったら

しっかり体を起こしては

蜂さんたちと遊んでる

叱られ落ち込む帰り道

蓮華の花のそのように

生きていこうと決めました

雪だるま

雪だるま

雪だるまを作ったよ

明日またねとさよならしたら

昼になったらどこへやら

どこかに行ってしまったよ

誰か盗ったと泣いてたら

お日さま迎えに来たんだと

母さん笑って言いました

一言いってくれてたら

お見送りでもしたろうに

他人事

他人事

蟻さん踏んでしまったの

気づかなかった

そんな言い訳通るのかしら

きっと私

地獄に落ちることでしょう

大袈裟と 

あなたは笑って言うけれど

私が逆なら許さない

好きなように飛んで行け

好きなように飛んで行け

山ほど時間あったのに
何でやらなかったのか

花は散ってもまた咲くが
人は死んだら墓の中

あーこー言ってるその内に
いつのまにか日は暮れて
夜の帳がおりましょう

人は死んだら墓の中

そこで悔やんで泣いたとて
お外の賑わい響くだけ

大空トンビの舞うように
ピーヒョロロ ピーヒョロロ
好きなように飛んで行け

あぁ我が人生路

あぁ我が人生路

杖つきて 辿る旅の道すがら
路傍の石に腰掛けて 一人思う人生路
数え切れぬ程多くのものを失って
得たものといえば この杖のみ
金も地位も名誉とやらもなければ
明日の我が身さえ知れない

「何のための人生なのか」

桜の花にしばし酔い
蜩の声に涙する
色づく紅葉に思いを寄せ
白い雪に埋もれてゆく

巡る季節と静かな歩み
痛みゆく杖にお守り付けて
鳴る鈴音はいつも晩鐘

みるみるみかん色に包まれてゆく

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石ころ

石ころ

石ころつまずき転んだら 

足に傷が出来ました

仕返し石ころ蹴ったらば 

石ころ田んぼに落ちました

家に帰って伝えたら

母さん手当てしてくれた

蹴られた石ころどうしたろ

誰の手当も受けられず

一人田んぼにいるのだろ

月さん ごめんと伝えておくれ

石ころ 許してくれるかな

短編小説 テレパシー

短編小説 テレパシー

ここの施設に入所して早2年、この2年で私は大分体が弱った。口からの食事も出来なくなり、胃にチューブで直接食事を流し込む形の胃ろうとなった。そして、話すことも、笑うことも、自力で指を動かすことも出来なくなった。

あなたがベッド脇に座っている。
忙しいのに、何かとちょこちょこ来ては他愛のない話をしてくれる。「昨日食べたとんかつが美味しかったんだけど、食べた後胃がもたれてな。もう年なんだな」そんなどう

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私は私の花を

私は私の花を

誰に見られることもなく

誰に意識されることもない

誰に守られることもなく

踏まれても気付かれもしない

雨も風も 強い日差しも冷たい雪も

誰も労ってくれはしない

是非もなし

それが路傍の運命というならば

気にせず 求めず 期待せず

私は私

何のために咲くわけでなし

私は私の花を咲かせよう

ひらひら

ひらひら

春の風が吹いたから

風を追いかけ走ったの

風が花を散らすから

やめてほしいと伝えたの

ひらひら ひらひら

ひどい風だと伝えたら

一緒に踊っているという

悪いことのようで良いこと

良いことのようで悪いこと

そんなこともあるんだよ

そんなことでもあるんだよ

風さんごめんね

花さんありがとう