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#日記

たとえば男が妊娠できるとして(妊娠9週/つわり)

たとえば男が妊娠できるとして(妊娠9週/つわり)

つわりがひどい時期にちょうど重なるようにして、夫の仕事が忙しくなった。帰りは0時を過ぎることが多く、ひとり静かな家では孤独と不安が苦しさを増長させる。気を紛らわす策として、映画や漫画を漁ってみたが、集中力が続かない。switchのソフトを買ってからは(ゼルダの伝説を買ったよ!)ある程度は気を紛らわすことに成功したものの、やはり限界があり、早く帰ってきて、と縋るような気持ちで夫の帰りを待ち侘びる日々

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好きな人と、闘うことになりました

好きな人と、闘うことになりました

新宿、20時。

ぐつぐつと煮える火鍋をはさんで向かい合い、私とさどまちは呆気にとられていた。

広く清潔な店内を中国語が飛び交い、足元には鮮やかな鯉が泳ぐプロジェクションマッピング。

京劇(一瞬で顔が変わる門外不出のあれ)の恰好をした人が得意気に闊歩し、びょんびょんと伸びる麺をなわとびのように自在にあやつるカンフーマスターが拍手を受けていた。

なんなんだ、ここは。

どうなるのだ、今夜。

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旅と出会いと就活と

就活が解禁になり、今年も新卒採用の面接官をしている。

面接の時は大抵、なぜこの会社に決めたのですか?と聞かれるので、わたし自身が就活をしていた頃、何を考えていたのかを思い出すのも毎年決まってこの時期だ。

***

まわりが大学3年生の冬から就活を始めたその波に、わたしは乗らなかった。何がしたいのかなんてさっぱりわからなかったし、海外にも出たかったし、みんなと同じ時に就活することに天邪鬼的な気持

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苦手なこと

苦手なこと

苦手なことだらけだ。

料理の写真がどうにもヘタだし、インスタは続かないし、予定がなけりゃ朝だって起きられないし、自炊も大学生のころからいっこうに上手にならないし、計算も苦手だし、営業トークもできない。服のセンスもないし、ネイルはいつも素爪だし、おしゃれな美容院にいっても美容師さんとうまく話せず、なりたい髪型になれない。

そういうことを全部できるようにならないと、「人として恥ずかしい」のだと思っ

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22歳、最後のnote。

22歳、最後のnote。

きみにもっと、大好きと伝えればよかった。

きみにもっと、ありがとうと伝えればよかった。

嫌だ。やめて!とこころから叫べばよかったし、それは間違ってると凛と背筋を伸ばして言えばよかった。

あなたのおかげでわたしはいつも楽しいです。いつも迷惑をかけてごめんなさい。
愛しています。これからもよろしくね。そう言いたい場面がいくつもあった。

本当は、そんなつもりじゃなくて......。目線の先の季節

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多様性って正義じゃない。

多様性って正義じゃない。

"多様性"

わたしはまだ22年間しか生きていないこともあって時代の巡り方がよくわかっていないのだけど、今、この瞬間のバズワードのひとつに"多様性"は間違いなくランクインしていると思う。

毎年行われる流行語大賞みたいな感じで、やはりその時代時代でバズワードがあるのだろうか。時代背景によって、生き方も考え方が変わる象徴的な言葉。

「考え方」があるから「言葉」が生まれるのか。「言葉」があるから「考

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SNSで死なないで

SNSで死なないで

中学生がヒッチハイクでアメリカ横断を試みて、ツイッター上でちょっとした騒ぎになっていた。ふつうに常識があればありえないほど危険な話だし、そもそも本人のツイッターやInstagramの投稿を遡るとまるで勇気と無謀を履き違えていて、どうしてこんな歪んだ認識をするに至ってしまったのか…とうろたえてしまう。

彼が正しいとか間違っているとか、それは一旦置いておいて(彼がしていることは間違っていると思うのだ

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それでも伝えること。

それでも伝えること。

泣きたかったんだ、きっと泣きたくてここにきた。空はすっかり星たちの居場所になっている。

彼はわかっていない
全然わかっていない

わたしの想う、わたしが伝える、"大好き"が、どのくらい、どのように、大好きなのか。

そもそも、赤の他人に自分の気持ちをわかってもらうことなんてできるのだろうか。同じ言葉を使っていても、それが同じ感情だとは限らない。感情なんてあやふやなものをくっきりはっきり「言葉」に

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魂が震える、仕事をしよう。

魂が震える、仕事をしよう。

フリーライターになって、1ヶ月。

たった1ヶ月と思うか、されど1ヶ月と思うか。

アルバイトをしつつもすっからかんになりそうな口座にそわそわしながら、自分が何者なのかわからない不安定さに押し潰されそうになりながらなんとか毎日布団をはぎとり生きてきた。

未来に種を撒きながら、今目の前を大切に。

焦りと不安とやりたいことに、ココロとカラダがちぐはぐになってなかなかバランスが取れない。「がんば

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あの人が泣いた日のこと。

あの人が泣いた日のこと。

だいすきな人の文章を読んだときに頬を伝った涙。顧問の先生が異動してしまうことを知ってわっと泣き出した先輩。祖父のお葬式で声をあげて泣くぼんやりとした喪服姿。高架下の電車の音と悔し涙に目を真っ赤にする同期。修学旅行の夜に、ベッドの上、ぽつりぽつりと悩みとともに涙をこぼす友達。

素直に泣ける人が、好きだ。

人知れずシャワーとともに流れる涙も、目を閉じる一呼吸まえに枕に落ちた涙も。見えない涙を流す、

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「我慢」が生む生き辛い世界。

「我慢」が生む生き辛い世界。

あなたは、今なにかを我慢してませんか?

したいことを、「したい」って言い

つらいこと、「つらい」って言える。

こんなシンプルなことを、素直に伝えるのがとても難しい世界を我々は生きている気がする。



少し余談になるが、現在著者は、転職を支援するキャリアコンサルタントして従事している。新しい職場環境に就きたい方々と日々面談させて頂き、その人たちの新しい一歩を踏み出す支援をしている。

「自

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嵐の活動休止から、改めて「辞め方」を考える。

noteのお題企画で、このようなものが立ち上がっていました。

今日はこのテーマで書いてみようと思います。

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りょうかん的な「嵐の思い出」。僕の中で初めて嵐の曲をガッツリ聴いた記憶は、中学2年生の2004年。アテネオ五輪のテーマソングになっていた『Hero』をヘビロテして聴いていました。

陸上部に所属していた僕は、必ずこの曲を聴きながら大会の会場に向かい、自分の気

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お金は汚いものだと思いこんでたけど

お金は汚いものだと思いこんでたけど

この1年でいちばん変わったのは、お金に関する感覚かもしれない。

貧乏自慢をするつもりはないけれど、学生時代はわりと切り詰めた生活をしていた時期もあって、「お金を使うのは悪いこと」「お金を使わないことこそ正義」という感覚を強く持っていた。

でも、お金を使うことってどうやら悪でもなんでもないようなのだ。ほんとうのところ。

たとえばカメラ。長らく、自分みたいな人間はいちばん安いカメラしか使っちゃい

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書くことと、恋と、深夜の日記。

書くことと、恋と、深夜の日記。

いつからか、書くことがわたしの一部になっていた。寝る時間を削ってでもやりたいと思うことに出会えて本当によかった。だれに何を言われても揺るがない。逆にだれかに何かを言われれば言われるほど、「書くこと」は頑丈になった。

それが本当に好きなことかどうかなんてやってみなければわからないし、続けてみなければわからない。書くことが嫌いだったわたしが今のわたしを見たらなんていうだろうか。

人生、なにが起こる

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