戸田真琴

映画『永遠が通り過ぎていく』4月1日公開|I’m a Lover, not a Fig…

戸田真琴

映画『永遠が通り過ぎていく』4月1日公開|I’m a Lover, not a Fighter. |既刊「あなたの孤独は美しい」(竹書房)2020/3/23新刊「人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても」(角川書店)| instagram @toda_makoto

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  • 幸福論

    幸せになるために生まれてきたのではなく、美しく生きるために生まれてきた私たちの、だからこそ目指すべき幸福のために書いていきます。不定期。

  • 日刊よくできました

    ADHD特有の「ぼんやりとやるべきことがたくさんあって優先順位が付けられず結局何もできない」状態に抗うべく、一日一つずつ簡単な目標を立ててそれが達成されたかどうかを夜寝る前に日記にする試みです。 目標はinstagramのストーリーズに、結果はこちらのnoteに書いています。 できていなくても怒らない人のみ見るといいと思います。 #日刊よくできました のハッシュタグはご自由に使ってください。

最近の記事

僕の文章は常に僕が未熟であるという一点を避けて綴られている

日記(2022.4.11) 欲しいものが一つもないのにつまらなそうな顔をしている自分に気がついたとき、本当はなにか欲しいものがあるんじゃないか?と訪ねてみる。  応答はない。なにもいらないよ。と言い切る。だけどその目って君の、すっごく生きてるって感じのときとぜんぜん違うじゃないか。慣れているはずなのに、鏡に写った自分と会話するのは未だ難しい。こいついみわかんない。目をそらすのも終えるのも眼球の位置をずらすだけでできる。誰も引き止めやしない。何かが定まらないまま、この世のどこ

    • 涙を凍らせてひかるつららで

      ※詩 三篇 そうだね その子は 私より脆いから あなたが守ってあげなきゃね そうだね その子は 私より気楽だから あなたは楽しいんだろうね そうだね そこは ここより寒くも 暑くも眩しくも暗くもないから 眠ったり明日を迎えたりするよね 泣いたり出来ていいな 怒ったりジェラシーも ふざけたりしていいな 鮮やかさだけ添え合って 誰も傷つけないようになんて がんばれていいな あの声が聞こえなくて いいな いいな そうだね あなたは 私より脆いから あなたを宥めてあげなきゃ

      • 映画感傷記 #0「さようなら、永遠」

        あまりにもすべての感謝を込めて、私は、この世界のことを諦めようと思います。 私が生まれたのはついこの間のことで、或いは何光年も昔のことで、友達は一人もいなくて、胸の内にある宇宙の、刺すように光る星々と文通をして暮らしていました。 ですから、学校では日がな一日突っ伏して、話しかけられることさえ嫌い、自転車を引く帰り道、最も夕景が眩しい時間に丘の上まで間に合わず、毎日さめざめ泣きました。 高校に入学してから携帯電話を買ってもらい、めいっぱいズームをしてがさがさになった画面の中

        • 私は100年生きるのだから

          今、私のインタビューが少しバズっている。 (と、書いている間にあまり跳ねないまま忘れられているかもしれないけれど) 宗教3世とか、毒親とか、そんな感じの生い立ちを語る内容だけれど、正直そんなことはどうでもいい。 近しい境遇の人がいたらその人に届くといいなと思うし、想像すらしたことない人が読んで他者への想像の一助になればいいなと思うけれど、そんなことは実際、今の私の人生の本題ではない。 無邪気な人が、「壮絶な経験をしたことがあなたの創造性を育んだのだろうか?」と聞いてくる

        僕の文章は常に僕が未熟であるという一点を避けて綴られている

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          親友みたいになろう

          ※Instagramに投稿した文章の完全版です 2022年もお世話になりました! 昨年末にアダルト女優業の引退を表明してから、みなさんとの思い出づくりに明け暮れた一年でした。 1月から12ヶ月連続刊行ZINEシリーズを始めたり、FALENOさんから毎月新作を出すたびに店舗さんでサイン会を行ったり、これまでで一番頻繁にオフ会を開催したりもしました。 引退を決めたからこそ自分のやりたいことをぎゅうぎゅうに詰め込んだ作品をたくさん作らせていただいたり、最後の思い出づくりにと事

          親友みたいになろう

          わたしの身体は一枚の皮膚でつながっている

          8月の末に、「神画(こうが)」という写真集を出版しました。かみさまの画と書いて、神画。わたしの最後のヌード写真集であり、自らが書いた著書と同じ感覚で手渡す事のできる、初めての写真集となりました。現在は9月18日まで、新宿御苑前のPlace Mというギャラリーで写真展を行っています。 写真展では、出版時にどうしても載せたいのに載せられなかった写真を中心に、多数展示しています。 その理由は[アンダーヘアが写っているから]。「神画」は、アダルトコーナーに苦手意識がある方の手にこそ

          わたしの身体は一枚の皮膚でつながっている

          2022年の8月31日

          日付はただの数字。 季節は途方もない昔からずっと巡り続けているもの。 今が世界の終わりじゃないし、日付が変わる瞬間に決定的な何かが変わることは無い。やり損ねた夏の課題はそのまま君の人生になだらかに続くもので、少しずつ駒を進めればいいし、花火もプールも夏祭りも行く友達も恋人もいなかったとか全部どうでも良くなった大人の頃に逆に余裕であたらしく青春をはじめるのだ。 人生は長い。その長さをわすれて今この手にない何もかもが哀しくて泣いた夜は私の夜と繋がって、君が泣いていたおかげでわたし

          2022年の8月31日

          ある夜

          うだつのあがらない夜は原付で近所をさまよい続ける。一年前くらいに買った赤い原付、いろいろ込で20万くらいだったと思う。その時コロナの流行の影響で電車やバスより原付で移動したい人が増えていたらしく、急増した需要に品薄だったので欲しかった赤いのを見つけるのにバイク屋を3つくらいまわった。あれから真冬と雨の日以外はけっこうどこにでも、これに乗ってぶーんと移動するようになった。わたしのような弱そうな女がひとりで夜を歩くのはやっぱり危険な目に合うので、しばらく夜は明るい道を最短距離で移

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          写真集『神画』が8月29日に発売します。

          「神様になるための旅をしようかな。」  初監督した映画の上映が一息ついたとき、帰りの車の中で、街の灯りを見ながら思いました。  ちょうど、AV女優の戸田真琴として肌を晒して活動するのも、来年の1月で終わりにすると決めていました。丸6年以上の間、私は主に男性の性的好奇心をそそるための作品に出続け、ほんとうに様々な言葉を聞きました。その中には、私のことをすでに穢れているという前提で発せられる言葉もありましたし、その言葉自体で今まさに穢そうという意志を感じるものもありました。しか

          写真集『神画』が8月29日に発売します。

          傷はあとから滲み出す/なんでも失うときが美しいね

          久しぶりにAV業界の話をする。わたしは来年の一月に引退を決めていて、それを発表した時点ではちょうどそこから数えて12本、月に一本ずつ作品をリリースし終わったら引退する、という流れにすることを決めていた。不信感の募っていた場所から離れることを決め、今は別のメーカーにて、毎回作品内容を決めるところから意見を尊重してもらいながら、面白がりながら、共につくらせてもらっている。担当してくれているプロデューサーは女性の方で、映画やカルチャーが好きで、彼女なりのエロティシズムに対する強いこ

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          傷はあとから滲み出す/なんでも失うときが美しいね

          まこりん定期集会のお知らせ

          こんにちは!映画の上映も一度おちついて、使い尽くした胆力を回復するためにたくさん眠ったりしています。戸田です。 たくさん眠ったらみなさんとお話したくなったので、少し急ですが、 今夜4/29(金) 22:00-23:00に、 久々のnote購読者様限定のツイキャスをやろうとおもいます。 ご都合よろしければぜひご参加ください~! いつも、いろいろ、突然ですみません! ばたばたな4月の打ち上げ気分でいらして下さい◎ ツイキャス合言葉はこちら↓

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          賛歌/上映最終日の夜に

          2019年に監督した、『永遠が通り過ぎていく』という映画が、昨日まで吉祥寺の映画館でかかっていた。3週間。もともと仕事が入っていた日以外は毎日劇場に行って、ゲストを招いて、話した。そのあと物販を買った人にサインをして、ひとりひとりと更に話した。人と出会って対話をすることは、自分の銀河とは別の銀河を覗き込む行為だから、ずっと脳がチカチカした。みんなぜんぜん違うんだ。しかも、それがそれぞれすごくよくて、本当に私が今ものづくりをしているのは、たまたまなんだな。と思った。卑下している

          賛歌/上映最終日の夜に

          映画『永遠が通り過ぎていく』に寄せて

          あらゆる再生への道のりは構造が似ている。 小さな破壊を繰り返し、プロセスなら幾度となく知っていた。たとえこれが命の質を変えてしまうような悲しみでも、目だけは見えている。空気を読まずにラメ入りの、この糸を正しく辿りさえすれば、たった一瞬、叶うことがある。 それは億千光年の片想いが一度だけ、届いたような朝だった。 君の目は黒く、君以外のすべては最悪で眩しい。あと何度傷付いたら神様の気持ちがわかるのかしら、と言って、いつだって痛くなかったことにしたから、君の傷跡はちょうど身体と

          映画『永遠が通り過ぎていく』に寄せて

          私のエピソード・ゼロが終わった──映画『永遠が通り過ぎていく』監督・戸田真琴と振り返る3年間

          2022年4月1日より、映画『永遠が通り過ぎていく』が、東京・アップリンク吉祥寺のほか全国の劇場でロードショーされます。上映を前に振り返る、制作スタートからの約3年間。幾度も編集が施されてきたのは、作品だけではありませんでした。監督を務めた戸田真琴も、一時は自信をうしない、また再生しつつある心で、次なる光を手にしつつあります。 「これまでが、私のエピソード・ゼロでした」──“戸田真琴”の変化を今に留め置くための上映記念インタビュー。 (文:長谷川賢人/写真:飯田エリカ)

          私のエピソード・ゼロが終わった──映画『永遠が通り過ぎていく』監督・戸田真琴と振り返る3年間

          まこりんラヂヲ#5

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          まこりんラヂヲ#5

          20220224

          昨日はとてもいい日だった。そう書くとすごく簡単なことに聞こえるかも知れないけれど、「いい日」となんの疑いもせず言いたくなるような日はそう多くない。ほとんど無いと言っても過言ではない。朝はちゃんと起きられて、午前中のリモート打ち合わせもスムーズに終わって、余った30分でコーンスープを飲んで、メイクをしようとドレッサーに座ったけれど今日これから会う人達は全員私がメイクをちゃんとしているかどうかで何かを測る人ではないな、とわかっていたので、簡単なベースと眉をちょこっとだけ書き足して

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