親友みたいになろう

2022年12月31日 16:00

※Instagramに投稿した文章の完全版です

2022年もお世話になりました！

昨年末にアダルト女優業の引退を表明してから、みなさんとの思い出づくりに明け暮れた一年でした。

1月から12ヶ月連続刊行ZINEシリーズを始めたり、FALENOさんから毎月新作を出すたびに店舗さんでサイン会を行ったり、これまでで一番頻繁にオフ会を開催したりもしました。
引退を決めたからこそ自分のやりたいことをぎゅうぎゅうに詰め込んだ作品をたくさん作らせていただいたり、最後の思い出づくりにと事務所の先輩方が何度もイベントゲストに駆けつけてくださったり、トークイベントの内容もどんどん「今だからこそ言えること」がこぼれていったりと、刺激的でおもしろい一年でもありました！

みなさんととにかく楽しい思い出を作りまくろう、という一年だったと同時に、これまで６年半、人生の一部を実験に差し出してみるような感覚でやってきたAV女優という生き方について、シリアスな回答を出していく場面も多くありました。
４月からは監督作の『永遠が通り過ぎていく』と共に劇場公開で各地を回らせていただく中で、１人の映画監督として自分から出てくる言葉の数々にたくさんのことを気付かされました。自分の人生をこれから何に使おう、と考えたときの答えが、目をそらせない程にくっきりとわかってしまう季節でもありました。
また、５月に撮影し、８月に出版した最後のヌード写真集である『神画（こうが）』は、ご覧になった方々は察しているとおもいますが、自分自身の身体、存在を、もう慰みものとしては差し出すことができません、という無言の宣言のような作品になったと思います。自己犠牲や、即物的に誰かの役に立つということの悦楽と安心感に別れを告げ、もっと根源的なことのために残りの命を使おう、と心から決めた体験でした。

この１年で、AV女優という道を選んで最終的にはとても良かったな、失ったものよりも得たもののほうがずっとずっと多いな。と心から思えたこと自体が、今年一年のみなさんとの心の交流の濃さを物語っています。さまざまな角度から、さまざまな形で、何度も出会って言葉や心や視線を交わしてくださり、みなさん本当にありがとうございました。

人生で一番はやい一年でした。口癖の、「今年もなにもできなかったなあ」という言葉は、流石に今日は言えません。ほんとうにいろいろあったね！

今は、来年のことをわくわくしながら考えています。
来年みなさんに読んでもらえるかもしれない原稿を書いたり、来年２月から運用するファンクラブにどんなコンテンツを作ろうか考えたり、何より１月にたくさんあるイベントをどうやって良いものにするか、ずっと考えて準備をしています。

私は来年の１月３１日でAV女優を引退して、それと同時に定期的にサイン会をしたり、チェキが撮れたり、しっかりメイクをしておしゃれをして可愛くした姿できれいに写真を撮ってもらってそれをみんなに見てもらう、みたいな所謂アイドル然としたことをする機会ががくっと減ります。それをふわっと、「引退」と読んでいます。
今ほど推しがいのある人間ではなくなるかもしれないし、現役のときにはみんなに嫌われたくなくて書けなかったことも本とかに書くかも知れないし、何ヶ月も姿をみせなくなることもあるかもしれません。引退理由は結婚とかではありませんし、仮に恋愛をしたとしても恋人の有無などを公表する予定もございませんが、絶対にいないよ！とは今後言い切らなくなるかもしれませんし、恋愛にまつわる体験談をどこかに書いたりする日も来るかも知れません。アイドルをやめるというのはそういうことで、これから私がいかに人間らしく生きようと、それを咎める権利が誰にもなくなるということでもあります。

だから、もしも今わたしに恋心に近い何かを抱いてくれている人が居るとしたら、それをまっすぐ受け止められるのは１月３１日までです。それ以降は、もっともっと良い関係性になりたいです。恋愛感情や、結婚できるできないとか、一緒にいる時間がどれくらいとか、プライベートをどれだけ知ってるかとか、そんな表面的で一時的な情報は全部超えて、もっともっと良い関係になりたいです。恋って言葉は儚げで脆そう。美しいかも知れないけど、私達はもっときっとやばい者同士になりたい。いつか終わるものに私達を重ねたくはない。私は君が、もっとアイドルをしてくれる他の女の子に恋心を抱いて夢中になったとしても、変わらずもっとどっしりと君のことが好きだし、逆もそうでいて欲しい。世界のどこかで君が君として生きられているなら、それをどんなに幸福だと感じるか！それを知っていて欲しい。自分の幸福が大切な誰かの幸福でも在るとわかりきっているまま生きて欲しい。君の幸福が私の幸福だって、君が哀しいときは私も、それを知らずとも絶対に哀しいってわかっている同士でいたい。それは仮に何年か会えなかったり、どこで生きているのか知らなくても、絶対にできる。自分の心を愛のために鍛え続ければぜんぜんたどり着けるものだから。

そういう思いも込めて、ファンクラブをつくりました。私は来年の２月からは、ひとりのクリエイターとして、また映画を作れるように頑張っていくつもりなのだけど、その様子をアイドル的な存在としてではなく１人の（たまたまちょっと可愛いだけの、笑）クリエイターとして、友愛を込めて発信できたらいいなと思っています。頻繁に会うことはないけれどお互いが元気に生きている姿をSNS上で確認する、元同級生みたいな。久しぶりに会っても一瞬で当時のテンションで話せる親友みたいな。そういう存在になりたいです。
そして、そのついでに少し生活費を皆に助けてもらって。笑
そうして生き延びながら映画を作りたいです。その映画がもしみんなが好きだと思える物語じゃなかったとしても、それでも作りたいです。それでも私が生きていることを受け入れてほしいです。私も、君が生きる人生が私にとって理解できないものだったとしても、私に話せないような部分があったとしても、それでも君と出会えて嬉しいし、わかり会えない同士のままでも友達でいたいし、もし作ったものが嫌いだったら文句の一つも言ってほしいし、それでも変わらない私でいたい。すごくへんなかたちのわがままに聞こえるかもしれませんが、要約すると、私達もっともっと良くなろうね。もっとそれぞれかっこいい人間として生きながら、怒っても困っても凹んでもなんとかやっていこうね。という、ことです。

うまくやれるかはわからないけれど、うまくやれなくても、少しずつでも本当に行きたい方角へ行こう。
私達がとてもいい関係性へ進化できるかどうかは、１月にどれだけ良い時間を過ごせるかに掛かってもいるから、まずは戸田真琴Last Week！を最高にするためがんばります！

１月は、
1/13~19　監督作『永遠が通り過ぎていく』アンコール上映 inアップリンク吉祥寺

1/15 FALENOさん主催引退記念イベント in 秋葉原
https://faleno.jp/top/photo-exhibition/

1/25~31 戸田真琴Last Week！（引退記念で毎日イベント！）

note読んでる人たちに特にきてほしいやつ↓

1/26(木)17:00-
チェキ会＆引退記念グッズ販売
---２万字（たぶん）インタビューを収録したzineが出ます！私服フリマなども。

1/29お昼＆1/30夜
What is a Makkolin!? FINAL
渋谷Loft9でのトークイベント。Day1は元AV女優・現AV監督のあおいれなちゃんをお招きして戸田真琴のラストドキュメンタリー作品のお話などを！（内容的にR１８かも）
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/238230
Day2は最終回としてゲストなし（MC安田理央さんはいるよ）でとにかく戸田真琴を掘り下げ、振り返り、話しまくる回に。

1/31（火）19:00~
戸田真琴 Last Show 『Sweet Sweet Beginning』青山月見ル君思フ
最後のワンマンライブです。歌手ではないので最後が歌？と疑問に思うかも知れませんが、ここ２年位、引退までのことを考えながら、少しずつ心の準備をしてもらうという裏テーマの中ライブを行ってきました。
好きで大切で伝えたい言葉を含んだ名曲カヴァーと、オリジナル曲も準備中です。とくにnoteを読んできてるみなさんにはぜひ見て欲しいライブです。

と、盛りだくさんです。現場に来たい方も配信の方もどちらも楽しめるようにするので、ぜひ遊びに来てください。詳しくはプロフィールにあるリンクから公式HPへ！

寒いけれど体調気をつけて、年末年始くらいは何も考えず散歩でもして、ゆっくりたのしく過ごしてね。
来年もよろしくおねがいします。

2022.12.31 戸田真琴

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年末年始のおともに、2022年の活動を振り返ります！

1月〜12月
★戸田真琴12ヶ月連続刊行ZINEシリーズ＆写真展『supernova』

ZINE（Kindle版）https://twitter.com/_parainc/status/1606126854540513280?s=20&t=DgNEhG-UQfLnwi9B2nAhug

写真展『supernova』通販　 https://para-inc.shop/?category_id=6236eb7e65d2a358e5fd3fba

4月〜
★映画『永遠が通り過ぎていく』ロードショー

公式HP　https://www.eien-movie.com/
インタビュー記事　