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22歳、最後のnote。

きみにもっと、大好きと伝えればよかった。

きみにもっと、ありがとうと伝えればよかった。

嫌だ。やめて!とこころから叫べばよかったし、それは間違ってると凛と背筋を伸ばして言えばよかった。

あなたのおかげでわたしはいつも楽しいです。いつも迷惑をかけてごめんなさい。
愛しています。これからもよろしくね。そう言いたい場面がいくつもあった。

本当は、そんなつもりじゃなくて......。目線の先の季節の変わり目が悲しかった。

言えばよかった。伝えればよかった。そう思う気持ちは振り返れば振り返るほどにポロポロとでてくる。

後悔をしているわけではない。もう一度あの時間のあの風が吹く日に戻ったとしても、また同じ台詞をなぞるだろう。きっとそうするしかないとばかりに諦めた目できみを見つめてどうしようもない切なさにひとり涙を流すかもしれない。

この一年で、どれだけの人と出会い別れ笑い泣いただろう。わたしにとっては激動の一年で、自分が自分じゃないみたいと思ったときもあった。

今だって、日々変わっていく自分に戸惑う。22年間当たり前だと思ってきた人との関わり方がガラガラと音を立てて崩れたり、信じてきたものがパサっと軽やかに姿を消したり。

人とどう接したらいいのかわからなくなった経験は初めてだった。

暗闇を忙しなく駆け抜けるなか、それでもいつもと同じように微笑んでくれた笑顔やゆっくりお茶をすするきみを見て、ああ生きてると思えた日さえあった。

ぐるぐると目まぐるしく回るわたしの側で、どれだけの人が心配し応援し見守ってくれていたのだろう。そして「今」を含めてこの流れる時間の中、わたしはあとどれくらい「貝津美里」と生きていられるだろう。誰かと別れることが切なくてこころが千切られるほどに痛いのと同じように、いつか、わたしはわたしとサヨウナラをする日がくる。

死ぬまでにやりたいこと100
「ウユニ塩湖で誕生日を迎える」

去年の今頃はウユニ塩湖にいた。

誕生日をウユニ塩湖で迎えるのだと、もう少しで社会人になるんだと、期待に胸を膨らませていたし、そしてどこか切なかった。何かが終わる旅。終わらせなければいけない旅。学生のわたしにとって、それはもう一生巡ってこないようなもののような気がしていた。

今のわたしは。一年経ったわたしは。

一度手放しかけた「貝津美里」をしっかりにぎっている。時に放しかけ、また握りしめる。その繰り返しの中、どうにかこうにか息継ぎをして生きている。

明日から23歳。

去年のわたしが、今のわたしを見たら目をまん丸くしてびっくりするだろう。言葉を失ったあとは、呆気にとられてお腹を抱えて笑っているかもしれない。

それくらい、わたしにとっては想像もつかなかった未来に、今立っている。

わたしがわたしとサヨウナラをするその日まで。

愛を込めて、生きよう。

周りに......いや、まずは、「わたし」に。

愛を込めて生きよう。

自分を簡単に手放さないように、大切な人を手放さないように。


こんにちは。はじめまして。23歳の自分。

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