マガジンのカバー画像

高井宏章 雑文帳

324
徒然なるままに。案外、ええ事書いてます
運営しているクリエイター

2019年3月の記事一覧

親が楽しむ「読み聞かせ絵本」10選!

親が楽しむ「読み聞かせ絵本」10選!

この投稿を「おカネの教室」を担当してくれたミシマ社の編集アライと、すべての子育て世代の方々に捧げます。
がんばれ、パパ&ママ!

「もう1回読んで」無間地獄小さな子どもがいる親御さんなら同意していただけると思うが、「絵本の読み聞かせ」というのは、時になかなかの苦行である。
膝に子供を載せて、あるいは布団でごろごろ寝転がって、一緒に本を読んで、一緒に笑って、子どもの反応に成長を感じる。
おむつ替えた

もっとみる
手触りは柔らかく、中身はハードなLGBT入門書 『ゲイだけど質問ある?」

手触りは柔らかく、中身はハードなLGBT入門書 『ゲイだけど質問ある?」

2019/03/21本稿は光文社のサイト「本がすき。」に3月21日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

歌人にしてオープンリー・ゲイ(セクシャリティーを公表しているゲイ)である著者による、タイトル通りの「ゲイに関する疑問にお答えします」というスタイルの本書は、日本でもようやく注目が高まってきたLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)問題につ

もっとみる
サイン本の魔力

サイン本の魔力

基本、「本なんて、読めりゃいいだろ!」という人なのですが、実はこの信条に反する弱点があります。
サイン本に弱いのです。何とも言えないお得感・お宝感があるな、と。
きょうは、ささやかな私のコレクションをご紹介(自慢です、はい)するとともに、物書きの端くれとして「ご要望あれば、ナンボでもやりまっせ!」というお話でございます。

大物サイン本コレクションまずはこちら。ピューリッツァー賞に輝くダニエル・ヤ

もっとみる
専業主婦で何が悪いか!

専業主婦で何が悪いか!

最初にお断りを。
私はこのテーマの専門家でも何でもありません。これは我が家の個別ケースです。タイトルに「ウチの奥様が」と補完してお読みください。

肩身の狭い専業主婦世帯我が家は三姉妹と夫婦の5人家族で、奥様はずっと専業主婦だ。
一時期は高校の非常勤講師を務めていたし、本屋なんかでバイトをやってたこともあったが、27歳で長女が生まれてからはずっと専業主婦である(高校の同級生なので同い年です)。

もっとみる
「おカネの教室」第2章 全文公開!

「おカネの教室」第2章 全文公開!

経済青春小説「おカネの教室」、2018年3月の出版から1年が経ちました。
おかげさまでお取り扱いくださる書店さんが日本全国津々浦々に広がり、出版当初とあまり変わらぬペースで売れております。
ありがとうございます!
1周年記念として、好評だった第1章「4月」に続き、第2章「5月」も全文公開します!
2章までで物語全体の3分の1ほどに当たります。気に入っていただけたら、下記リンクもしくは書店でお求めの

もっとみる
誰がためにルビは振る

誰がためにルビは振る

「ついに俺にも『来た』か……」
先日、朝風呂の最中にマンガを読んでいて(長年の健康的な悪癖です)、私は何度も何度も以下のコマに目を凝らし、動揺しまくっていた。

この「棒術」に振られたルビが、どうしても読めなかったのだ。
本を近づけても、遠ざけても、どうしても読めない。
そう、奴が「来た」のだ。老眼が。

私は「見た目が若い」とよく言われるし、自分でもそう思う。
この投稿で書いた通り、「貫禄ゼロ」

もっとみる
東大現役合格した娘の「最強の武器」

東大現役合格した娘の「最強の武器」

天才・東海林さだおは「ドーダ学」を創始した記念碑的名著「もっとコロッケな日本語を」で、「30分以内に自分が東大卒であることを会話に紛れ込ませる人」というドーダ事例を挙げている。
ちなみにドーダ学とは、自慢(=「ドーダ!」と言ってしまうこと)が人類史を支配しているとの天啓を受け、天才・東海林さだおが世界を切り取る枠組みとして提唱したものである。
感銘を受けた鹿島茂が「ドーダの近代史」を皮切りに西郷隆

もっとみる
絶望と希望の「最高のひと皿」

絶望と希望の「最高のひと皿」

本稿は集英社の「小説すばる」2018年12月号に掲載された「最高のひと皿」です。転載をご快諾くださった編集部のご厚意に感謝します。
1本目は「すばる」に掲載されたもの、2本目はお蔵入りにした別稿です。
タイトルのイラストは次女が描いてくれました。
では、絶望と希望の「最高のひと皿」、ご賞味ください(笑)

最高のひと皿・絶望編 お子様ランチ「好きなもの頼め」。父の言葉に9歳の私は耳を疑った。時は1

もっとみる
「2005年が人類のピークだった」説 我々はどこで道を間違えたのか

「2005年が人類のピークだった」説 我々はどこで道を間違えたのか

ハンス・ロスリング氏の遺作、FACTFULNESS(ファクトフルネス)が売れまくっている。
大変、喜ばしい。
本当にうれしい。
光文社のサイト「本がすき。」の書評で書いたように、私はロスリング氏の大ファンで、この本の主張に強く共感している。下はnoteに転載したもの。

強引にまとめるとこの本は、

悲観論に惑わされず、データを客観的に分析する立場(=ファクトフルネス)からみれば、世界はこの20年

もっとみる
「しゃっくり止め職人」の栄光と挫折

「しゃっくり止め職人」の栄光と挫折

「小技のデパート」の異名をとるワタクシには、40年来、幾多の人々を救ってきた十八番がある。

「しゃっくり止め」である。

文字通り、ヒトのしゃっくりを止められるのだ。

小学校低学年でこの技を身に着けて以来、友人や家族、延べ人数なら四桁に届くのではないかという膨大なしゃっくりをこの世から葬り去ってきた。

そう、私は「しゃっくり止め職人」なのである。

どうやって止めるかだって?
まあ、そう慌て

もっとみる
5万ビュー突破! これが読まれた記事だ!(&もうちょっと読まれてほしい記事)

5万ビュー突破! これが読まれた記事だ!(&もうちょっと読まれてほしい記事)

春の弥生のこの良き日。昨年6月下旬にnoteを初めて8か月ほどでビューの総計が5万を超えた。
めでたい。
まことに、めでたい。
皆さま、いつもご愛読ありがとうございます。
このエントリーにあるように、1万ビュー突破は11月末、開始5か月目だった。
つまり最初の5か月の月間平均2000ほどだったビューは、この3か月で平均1万3000ほどに跳ね上がっている。
「あら奥さん、まるで人気ブログみたいですわ

もっとみる
「可能主義者」の希望あふれる遺言『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』

「可能主義者」の希望あふれる遺言『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に2月19日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

医師であり、公衆衛生の研究者だったハンス・ロスリングの遺作。
プレゼンテーション動画サイト「TED」の愛好者なら、緻密な統計分析とユニークなパフォーマンスを組み合わせて、エンターテイメントにまで昇華させた見事なプレゼンをいくつもご覧になったことがあるだろう。私もファンの一人だ。

もっとみる
「異端児」が語る正統マネー論『いま君に伝えたいお金の話』

「異端児」が語る正統マネー論『いま君に伝えたいお金の話』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に2月7日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

かつて「モノ言う株主」として日本の産業界を揺るがした村上世彰氏の若者向けのマネー論だ。インサイダー取引で有罪判決を受けた「村上ファンド事件」の記憶が鮮明な読者は、異端児の先鋭的な言説が展開されると予想するかもしれない。その期待はあっさり裏切られる。全編にわたって、真っ当至極で、むしろ

もっとみる
「年金不安」に効くワクチン『人生100年時代の年金戦略』

「年金不安」に効くワクチン『人生100年時代の年金戦略』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に1月22日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

「年金に頼らない豊かな老後には1億円必要」
「財政は破綻状態で公的年金はあてにできない」
「若い世代は『払い損』だから年金は未納でOK」

年金や老後のマネーを巡っては、不安や不満に訴える極端な主張や、根拠に乏しい議論があふれている。そんな「年金不安症候群」にファクトとデータで丁寧

もっとみる