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東原そら
2021年6月30日 20:32
俺は一人の女では満足できない。 女は常に二股だ。 だが、ルールはある。 同じ名前の女と付き合うのだ。 寝言で別の女の名前など、修羅場をまねく。 だが、本気で好きな女ができた。 俺は二人と別れ、その女に告白した。「ごめんね!彼氏と名前が違う人とは付き合わないようにしてるんだ」
2021年6月30日 20:24
ええ、本当に恐ろしい体験でした。 ラブレターをいただいたんですよ。 それだけなら、嬉しいんです。 でも、どこにあったと思います? 下駄箱?いえいえ。 私がアパートの部屋で用を足し、トイレットペーパーを引くと、達筆でお経のような恋文がしたためられていたんです。 大家さんからの。
2021年6月29日 15:11
満天の星空になると、私は彼を探す。 原っぱに体を預け、星に目を走らせる。「婚約指輪の代わりに、あの星を君に贈るよ」 歯の浮くセリフに、思わずケラケラ笑ってしまった。「僕が死んだら、あの星から君を見守るから」 言葉って現実化するんだよ。 だから、きっと見守ってくれてるよね。
2021年6月28日 19:58
次のニュースです。 世田谷で買い物に出掛け、財布を忘れた女が逮捕されました。 女は「笑うな」と、スーパー内で騒いだ威力業務妨害の容疑です。 取調べに対し「みんなが笑ってた。お日様が笑ってた」と、支離滅裂な言動を繰り返し、警察は精神鑑定も視野に取調べを進めています。 次です。
2021年6月27日 17:44
のどが砂漠のようだ。 目の前に、当たり付き自販機があった。 『数字が揃えば一本』とある。 俺は投入口に、硬貨を滑らせた。 止まった数字は776。 残念、ハズレだ。 だがジュースも出ない。 詰まったか? 『一本』の文字の横に、小さな注意書きがある。 『揃わないと出ません』 金返せ!!
2021年6月25日 20:20
クラスの地味な子でストレスを発散している。 毎日上履きや鞄を隠すのが日課だ。 終わると、私は帰途につく。 家では親の拳が飛んでくる。 幼い頃から、私は親のストレス発散の道具。 私のストレスは明日発散する。 次の日登校すると、地味なあの子に突然刺された。「ああ、すっきりした」
2021年6月25日 19:47
DJが突然叫びました。 なんとおっしゃったのでしょう。 聞き返すのも失礼ですね。 ここは長年の勘を信じましょう。 強面の方ですので、威厳あるお仕事と推察しました。 鋏と剃刀と紐が必要ですね。 侍ヘアーの完成です。 いかがでしょう、お客様。 え?イカした髪型? イカれた、ではなく?
2021年6月23日 22:06
空を舞う風船の糸を、つかむようだった。 私の心は、パッとつかまえられた。 きっかけは領収書の指摘のため、彼のデスクに赴いたこと。 相好を崩し、わざわざありがとう、と言ってくれた。 数ヶ月後、私は想いを告げ、彼のものになった。 バッグの中で、スマホが揺れた。 たぶん夫だろう。
2021年6月23日 21:53
イラついたときは「ボール」を蹴る。 くそ課長め! 帰るなり俺はボールを蹴飛ばした。 ボールは呻き声をあげた。 すっきりして眠り、目が覚めるとやけに目線が低い。 手が猫? 突如身体に悶絶するような衝撃が走った。「痛いだろ」 俺が、俺に話しかけてる。「今度から、お前がボールだ」
2021年6月21日 19:40
初めて彼の部屋の湯船に沈んでいる。 夕立に感謝だ。 このあとは…だよね。 長過ぎたら気合い入れてるみたい。 でも汗のにおいは嫌だし。 あれ?ボーッとする… 瞼を開くと、見慣れない天井。 服も来てる…「み、見た?」 彼は頬を染め、「大人でもあるらしいよ」 お尻の蒙古斑バレた~!
2021年6月20日 20:09
魚をくわえた猫を追っている。 右手には包丁、左手にはまな板だ。 猫は突き当たりを右に折れた。 曲がった先で、まな板を勢いよく放った。 猫をかすめたが外れた。 次は狙いを定め、包丁を投げる。 これも外れた。 猫は見えなくなった。 苛立ちながら踵を返すと、拳銃を構えた警官隊がいた。
2021年6月20日 18:05
「あ~ん、重くて開けられな~い」 非常口のドアか。「さあ、開けたよ」 かわいいやつだ。 君のためなら、なんでもやるさ。「で、社長を殺した動機は?」「彼女のためだ!」「社長夫人は強盗に拉致されたと証言している。凶器や逃走経路にもお前の指紋しかない」 え?あれはそのため?
2021年6月18日 20:39
密室で資産家が殺された。 凶器から犯人のDNAは出なかった。 室内にいたメイドロボの記録装置は故意に消去されていた。 防犯システムも同様だ。 迷宮入りか。 だが事態は急展開した。 資産家の家で、破壊された執事ロボが発見された。 主人に恋人を殺されたメイドロボは淡々と自供を始めた。
2021年6月17日 19:41
今日、僕も死んだ。 心臓が活動を止めたわけじゃない。 脳が機能を停止したわけじゃない。 僕のすべてだった彼女が、天に旅立った。 彼女がいない世に、僕がいる必要もない。 僕もすぐに行く。 病室を片付けていると、一通の封筒を見つけた。 中には、一枚の手紙。 『死んだら許さないから』