鴻巣友季子

「さみしさ」を分有することと「恥じ」を感じること

「さみしさ」を分有することと「恥じ」を感じること

文芸批評時評・9月 中沢忠之 文学界隈では、先ごろ刊行された小川公代の『ケアの倫理とエンパワメント』が話題である。『群像』に短期連載されたもので、「ケア」の観点から文学作品を読み直すという方法に依拠した評論だ。この評論を紹介し、同じように「ケア」の観点から複数の小説を評した文芸時評から一つの論争が起こった。論争のプレイヤーは鴻巣友季子と桜庭一樹である。  事の発端は、桜庭の自伝的小説「少女を埋める」(『文學界』9月号)を評した鴻巣友季子の文芸時評(『朝日新聞』8月25日「ケア

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2021.09.05 桜庭一樹「少女を埋める」をめぐって

2021.09.05 桜庭一樹「少女を埋める」をめぐって

 以下は、桜庭一樹「少女を埋める」(「文學界」第七十五巻 第九号,2021,9)に関する私の考えを述べたものである。引用は上記初出誌による。頁数は引用部末尾に明示。傍線部太線部は引用者によるもの。/は改行を、(…)は略を表す。  桜庭一樹(以下桜庭)「少女を埋める」は「七年ぶりの母からの電話は、父の危篤を知らせるものだった。小説家が向き合う、故郷の記憶と家族の解体」(初出誌目次より)とあり、小説家の冬子が父の危篤から死、さらには母親や故郷との関係性を見つめた作品である。冬子

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初の文庫化

初の文庫化

台湾の人気作家、呉明益の『自転車泥棒』の文庫版が刊行されました。 あたしは、もちろん単行本が出たらすぐに買って読みましたが、このたび文庫の方も買ってしまいました。 文庫の方は、巻末に鴻巣友季子さんの解説が付いていますが、冒頭、訳者の天野健太郎さん、温又柔さんとの鼎談の思い出話でウルッときてしまいました。それに、コロナなんて予想もしなかったころには呉明益さんも来日されましたよね。 懐かしいです。 https://www.rockfield.net/wp/?p=2118

毎日読書メモ(補遺的な)

毎日読書メモ(補遺的な)

最近書いたメモへの補遺を2つ。 (1) 桜庭一樹「少女を埋める」(「文學界」2021年9月号)を取り上げた、朝日新聞の文芸時評(評者・鴻巣友季子)の、粗筋の紹介の仕方について、先週から主にTwitter上で作者の意図と違うことを断言的に粗筋として紹介していたことについての論争が繰り広げられていたが、(わたしのメモ1 メモ2)、今日になって、朝日新聞DIGITALに掲載されている文芸時評については修正が入った。こちら 冬子は小説家のキャリアを選ぶが、家父長制社会で夫の看護

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屁理屈で論破できていると思っているのは本人だけで、見ている周りの人は、おかしな屁理屈こねて見苦しいなあ、みっともないなあ、などと、屁理屈こねればこねるほどそう思って、信用失うばかりですよね😓

屁理屈で論破できていると思っているのは本人だけで、見ている周りの人は、おかしな屁理屈こねて見苦しいなあ、みっともないなあ、などと、屁理屈こねればこねるほどそう思って、信用失うばかりですよね😓

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詭弁を弄しているけれど鴻巣友〇子氏は自分がやらかしてしまったことはわかっていると思う。ただ過ちを認めて謝罪することができない人なんでしょう。普段の発言からでもとっくに感じていましたよ。"マウント"と"プライド"の塊みたいな人だなって。しかしこれでは政治家とかと同じですね。

詭弁を弄しているけれど鴻巣友〇子氏は自分がやらかしてしまったことはわかっていると思う。ただ過ちを認めて謝罪することができない人なんでしょう。普段の発言からでもとっくに感じていましたよ。"マウント"と"プライド"の塊みたいな人だなって。しかしこれでは政治家とかと同じですね。

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毎日読書メモ(88)「少女を埋める」(桜庭一樹)

毎日読書メモ(88)「少女を埋める」(桜庭一樹)

大昔、Twitterのアカウントを取った頃、特に何かがしたい、とか何の情報が欲しいとかいうこともなく、当時からアカウントを持っていた小説家を探してはフォローしていた。その中に桜庭一樹もいた。 桜庭一樹の小説は結構読んだけれど、一番好きなのは『赤朽葉家の伝説』(東京創元社、のち創元推理文庫)かな。その濃厚な物語の舞台は彼女の故郷でもある鳥取県西部をモデルとしている。 アカウントは持っていても、普段はTwitterでつぶやくことは殆どなく、noteに投稿した時にそのことを書く

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鴻巣友季子と桜庭一樹の誤読問題について考えた

鴻巣友季子と桜庭一樹の誤読問題について考えた

 ほかにいろいろ書きたい記事はあるのですが、旬の話題なのでこの件について少し触れます。  簡単に流れを書くと、  ①鴻巣友季子(以下敬称略)が朝日新聞文芸時評に書評を発表  ②それに対し、ひどい誤読があると著者の桜庭一樹(以下敬称略)が抗議   この作品は私小説であるため、実在の人物に風評被害が及ぶことを懸念されるので、記事を訂正してもらいたいと要求  ③作品をどう読もうが自由であるということで鴻巣友季子は訂正要求を拒否  さて。  まず言いますが、ぼくは基本的に書き手の

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桜庭一樹「少女を埋める」論争について

桜庭一樹「少女を埋める」論争について

桜庭一樹の小説「少女を埋める」の批評をめぐって論争が起こっている。 翻訳家の鴻巣友季子の朝日新聞に掲載された文芸時評における、本作の解説が誤っているので訂正してほしいと著者の桜庭本人から苦情が入ったのだ。 桜庭が問題にしたのは本作のあらすじ紹介とも言える箇所だ。鴻巣は、本作に登場する主人公冬子の母親が父親を介護中に虐待した、としている。桜庭の主張は、本作にそのような描写はないので、それは誤読であり、実際のモデルがいる小説である以上、モデルに被害が及ぶような誤った批評は訂正

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[時事]鴻巣友季子による桜庭一樹「少女を埋める」解釈の正当性について

[時事]鴻巣友季子による桜庭一樹「少女を埋める」解釈の正当性について

事の発端は以下のTweetからである。 桜庭一樹氏による中編「少女を埋める」が『文學界』(2021年9月号)に掲載され、それを鴻巣友季子氏が朝日新聞の文芸時評にて取り上げたが、作品の内容についての記述に桜庭一樹氏が抗議したことから始まった。  ケアとジェンダーの観点からは、桜庭一樹「少女を埋める」(文学界9月号)にも注目したい。実父の死を記録する自伝的随想のような、不思議な中編である。  語り手の直木賞作家「冬子」も故郷から逃げてきた、ある種のケア放棄者だ。地元を敬遠する

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