カポーティ『ティファニーで朝食を』村上春樹訳、新潮文庫
どんなさびれた町のどんな小さい本屋にも、必ず棚にありそうな『ティファニーで朝食を』。もちろんそんなに人気があるのはオードリー・ヘップバーン主演の映画のせいでしょう。わたしは映画はだいぶ昔に見たけれど小説はまだだった。今回ちょっと事情があって読むことになりました。映画の内容は冒頭に変な日本人が出ること以外はもう覚えていなかったから好都合。村上は、ホリーのイメージが固定されるから表紙にはヘップバーンの映画の写真を使わないでほしいと希望したらしい。たしかにヘップバーンではホリーを演