春宵一刻値千金 花有清香月有陰 花冠楼台声細細 鞦韆院楽夜沈沈 [蘇軾、春夜詩]
新元号「令和」。『万葉集』の序文を読んで、北宋の詩人・蘇軾(蘇東坡)による梅花の詩も思い浮かんだ。他国がどう、日本がどうとかではない。山中の遠い梅花を望み、平和について思いを馳せたり……梅の枝を小瓶に飾り愛で、平和を噛み締めたり……平和への祈念は国や時代を跨ぐ……と僕は信じる。
中秋月に対す 蘇軾 暮雲 収め尽くして 清寒溢れ 銀漢 声無くして 玉盤を転ず 此の生 此の夜は 長く好からず 明月 明年 何れの処にか看ん ・遠く離ればなれになっている者同士を月が媒介する発想は古くからある。 人為の可変と自然の不変が対比として背景に意識されている。