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#小説

中編小説『最初の人』⑧

中編小説『最初の人』⑧

 男は愛する女の最初の男になることを願い、女は愛する男の最後の女になることを願う。
 そんなような詞を電車に揺られていたらふと思い出し、誰がいったかネットで調べると、オスカー・ワイルドだった。
 なんとなく言いたいことも分かる気がした。それは独占欲とか征服欲に近いんではないかと思った。その子がこの先他の誰かと出会ったとしても、女性の最初の特別な存在になっておけば、そのあと誰と出会ったとしても、彼女

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【長編小説】等火

【長編小説】等火

こんばんは、瓶宮です。

はじめて長編を書きました!賞にも出しました!そして、散る……。

100ページくらいあります。よければ読んでみてください。読んでいただけたら、HAPPY

@binmiya3さんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)

あらすじはこんな感じです。

4つのエピソード。

①親の介護を週1でしながらバンドをやってる兄ちゃんの話。

②陽キャの軽音女子が冴えない

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【ショートショート】遠距離デート

【ショートショート】遠距離デート

「いい天気だね」
 と私は言った。
「うん。出発しよう」
 とユウ君はいい、アクセルを踏んだ。
 ソーラーパネルの電気で動くEV車だ。本体価格二万円なので、蓄電池はごく小さなものしか搭載していない。
 最高速度は五十キロメートル。
 海辺にある水族館を目指すのはこれで三度目である。
 途中で曇り空になると、車はトロトロ運転しかできなくなり、やがて止まってしまう。
 今までは、
「仕方ないね」
 と

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希望のハコ 最愛の娘になった最愛の君へ 第六話

希望のハコ 最愛の娘になった最愛の君へ 第六話

 ハコとカギ、ゆかりが同じクラスになったのは小学五年生の時だ。それまでは幼稚園も違っていたのでまるで接点がなく、同じクラスになるまで名前どころか顔すらも知らなかった。
 それなのに……。
「ちょっとハコ!」
 ゆかりの叫び声が教室内に響く。
 ランドセルの中の教科書を机の中に入れていたカギは驚いて声の方を向くとゆかりが仁王立ちして席に座るハコを睨みつけていた。
 その頃のゆかりはウェーブのかかった

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短編小説:じゃがいも(3)~ドラマ9ボーダーより~

短編小説:じゃがいも(3)~ドラマ9ボーダーより~

「こーちゃろーー」

「なになになにーw」

翔太がコウタロウさんに襲いかかる。
すっかり仲良しになった2人は、いつでも2人でいた。
親子というより、兄弟のようだった。

あれからコウタロウさんは、初七日まで私達家族に付き添ってくれた。
こうたろうさんが居てくれたお陰で、私は、広大に「おかえり」を言うことが出来た。
まだまだ気持ちが落ち着くことは無いけれど、日常が戻ってきていた。

「こーちゃろー

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【ショートショート】出血

【ショートショート】出血

 人が倒れており、体の下に赤い液体が広がっていれば、誰だってどきっとする。
 すぐに人だかりができた。
 何人かの若者が近づいていき、
「おい、大丈夫か」
 と声をかけた。
「あれっ」
「どうした」
「ケチャップの匂いがしないか?」
「するな」
「こいつめ。悪ふざけしやがって」
 気の短そうなドレッドヘアの男が、倒れている男を蹴った。
 男は仰向けになった。
 顔色は蒼白で、辛うじて胸が上下してい

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甘さ以上に味わい深い物語♪ <宙ごはん>

甘さ以上に味わい深い物語♪ <宙ごはん>

宙ごはん 著者:町田そのこさん

複雑な家庭って、一体どんな人たちのことを言うのだろう。
血がつながっていない姉妹、暴力的なパートナー、不倫している関係など。
思い浮かべてみれば、人それぞれ事情があって問題がない家庭はないのかもしれない。
その中で自分はどのように過ごしていくか?

主人公の宙(そら)はお母さんとママと呼ぶ人が別だったが、保育園卒園時にママからお母さんと暮らすことになって今まで知ら

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昔書いたものを

昔書いたものを

二足歩行とガトーショコラ

 私の人生は、チョコレートに狂わされたと言っても過言ではない。母親曰く、地球生活一周年を少し過ぎ、二足歩行を習得した頃の私は、よく遊んでいたご近所の先輩キッズの後を必死に追いかけ、丁度おやつどき、皿の上にあった「それ」を初めて口にしてしまったらしい。当時の記憶自体は専ら残っていないが、その一口で得た未知の快楽を私のシナプスが忘れることなどあり得なかった。「それ」に対する

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空き地

空き地

 女がひとり、スケッチブックをひろげて熱心に絵を描いている。
 彼女の目の前には、空き地がひろがっている。描き始めてから半時ほどすると、女はひとつ息を吐き、スケッチブックを閉じて空き地に背を向け、ゆっくりと坂道をくだりはじめた。
 そんな姿を、一人の爺が見ていた。
 爺はこの土地の持ち主で、ここからほど近い場所にある瀟洒なマンションに住んでいる。金はうざるほど持っているのだから空き地などさっさと売

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救い43

救い43

祈りは届くか、届かないではなくて、行うことに意味があって、その後どうなるかなんてものは誰にも神にだってわからないのだと僕は思う。

1年経つ。

簡単に時間は過ぎる。
僕はというと、21歳。

大人プラス一歳。

なんだか、成人が18歳になったらしいけれども、僕の感覚は20歳で大人の区切りとして気持ちがいい。

18だなんて中途半端な年齢大人になれるわけがない。
なぜなら今の僕が大人だと言い張るの

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ショートショート 「誘惑」

ショートショート 「誘惑」

 この店を手放すまであと1週間足らず。
 
 思い起こせば、我武者羅に働き爪に火をともすような生活をして貯めた独立資金。

 苦労して貯めたその資金を頭金にすることで銀行から融資を受け、自分の理容室を開業した時の喜びと誇りを一生忘れることはないとサトルは思った。

 開業後、売上げは順調であった。
 もともとサトルの理容師としての評判は高く、特に顔剃り部門では全国規模のコンクールで優勝するなどの実

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【ショートショート】逆転

【ショートショート】逆転

 朝シャワーを終えたモミジは、まず体重計に乗った。
 体重はキープ。
 続いて、ほくろ測定器に乗る。
 昔はほくろ占い師がいて、いちいちお客を裸に剥いて子細にほくろの濃淡や形を調べたそうだ。
 需要の高まりにより、ほくろ占いは自動化された。ほくろの面白いところは、増えたり減ったり、大きくなったり小さくなったり、濃くなったり薄くなったり、日々、状態が変動することである。その変化を観察することにより、

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信頼に値する情報発信者

信頼に値する情報発信者

どうも、ゆうきです。

今日は、

「忖度ない意見は信頼される」

というお話をしたいと思います。

テレビや雑誌などは
スポンサーや取材先を大切にするので、
忖度だらけと言えるでしょう。

グルメ番組で、「不味い!」という感想を
聞くことはほとんどありません。

「不味いレストラン」

「風変わりなお店」

など、「美味さ」以外に
焦点を当てた番組もありますが、
基本的にはその方針に沿って、

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