この鬱陶しい髪の毛を全て刈れば、丸坊主にすれば。心の不安は消えると思った。私はお風呂場にて、いわゆるバリカンというものを機動させる。 「はらり。」毛の束が、衣一つ纏わぬ皮膚に心地よく着地する。そのまますべりおちるものもあれば、少し擽ぐるようしばらく付着するものも様々だ。胸の長さまであった髪は、一度全体に刃を通すだけでは綺麗に整う訳ではなかった。まちまちになった毛を見て、笑みと涙がこぼれる。 また、毛束はおちる。ずっとそれを繰り返す。 自由にしてください。願って叶っ
寂しさを埋めるために他人がいるはずなのに あの人と会う度 寂しさで心が埋まっていく おかしい そして、寂しさを「温もり」に変えられない自分が不甲斐ない。 酔った時に見せる虚像はかっこよくて 私が知ってる実像はもっともっと美しくて惚れてしまう。 「悔しいからもうそんなことしないでよ。傷つくんだから。」 と、弱い被害者の素振りを見せてみるけど なんにもかわらないんだよな。 このまま夢に包まれていた方が幸せなのだろうかと何度も考えた。 私はずるいから 虚像であるはずのものを
二足歩行とガトーショコラ 私の人生は、チョコレートに狂わされたと言っても過言ではない。母親曰く、地球生活一周年を少し過ぎ、二足歩行を習得した頃の私は、よく遊んでいたご近所の先輩キッズの後を必死に追いかけ、丁度おやつどき、皿の上にあった「それ」を初めて口にしてしまったらしい。当時の記憶自体は専ら残っていないが、その一口で得た未知の快楽を私のシナプスが忘れることなどあり得なかった。「それ」に対する陶酔の基盤が、その一瞬で構築されたのだろうと確信している。 多くの育児書が、チ
みなさん大体このようなはじまりの記事がありますのでご挨拶。 眠れない夜、起きれない朝、お腹の空かない昼にでも、少しだけ心をここに残していけたらと。 どうぞよろしくお願いします。