織部
看取り人をまとめました! 随時更新しています!
半竜の心臓をこちらにまとめていきます! あらすじ 白竜の王と人間の女性との間に生まれた少女。棲家としている雪山で父竜と平穏に暮らしていたが、突如、現れた暗黒竜の群れに父竜を殺され、少女は手足の自由を奪われて虐げられていた。絶望の日々の中、神鳴と共に勇者一行が現れて・・。 数奇な運命を歩む半竜の少女の話し
明〜ジャノメ姫と金色の黒狼〜をまとめました!
あらすじ 宗介は、末期癌患者が最後を迎える場所、ホスピスのベッドに横たわり、いずれ訪れるであろう最後の時が来るのを待っていた。 後悔はない。そして訪れる人もいない。そんな中、彼が唯一の心残りは心の底で今も疼く若かりし頃の思い出、そして最愛の人のこと。 そんな時、彼の元に1人の少年が訪れる。 「僕は、看取り人です。貴方と最後の時を過ごすために参りました」 これは看取り人と宗介の最後の数時間の語らいの話し。 本編 19,991 19,992 宗介は、白い天井の節
色褪せた丸いちゃぶ台の上に料理が所狭しと並べられる。 炊き立ての白いご飯。 ワカメのみそ汁。 半熟に焼けた目玉焼き。 昨日の残りの油揚げと大根の煮物。 バナナと畑で溶けた苺。 そして……。 カギは、ハコの前に前に小さなお皿を置く。 陽光を浴びた桜貝のように鮮やかに輝く桜でんぶだ。 ハコの目が桜でんぶと同じように輝く。 「そればっかり食べるなよ」 食事を並べ終えたカギは、ハコの右隣に座る。 その周りを猫たちが包囲するように各々好きなように座り、寝転がる。
仏壇に炊き立てのご飯とお水、そして焙じ茶を備え線香を立てる。 白い煙が揺らめきながら昇り、ストローで吸われるように仏壇の奥に入り込んでいく。 カギがお鈴を鳴らそうとするとハコが「私がやるの」と言って奪い取り、盛大に鳴らす。 カギは、苦笑しながらも仏壇に手を合わせる。 ハコもカギを見て、お鈴を持ったまま手を合わせる。 目を開けると仏壇の上に置かれた遺影が入り込んでくる。 銀を磨いたような柔らかく光る白髪のスーツを着た女性、深い年輪こそ刻まれているがその顔はとても美
あらすじ 元天舟会系渋沢組のヤクザであった鍵本義一ことカギは小籠包のキッチンカーを営みながら古い日本家屋で一人娘のハコと二人で暮らしていた。 しかし、この親子は普通の親子とは少し違っていた。 娘のハコは・・カギと同じ二十八歳だった。 彼女は十五歳の頃にカルト教団に拉致され、全ての記憶を失ってしまった。 それでもカギはハコを愛し続ける。 愛しい娘として。 それは最愛の女性が最愛の娘になってしまった男の直向きな愛の話し。 本編 拳が痛え。 カギは、ボク
おはようございます。 織部です。 七時ごろに新作を公開します。 創作大賞応募予定ですがネタバレ回避の為、あらすじは明日つける予定です。 応援よろしくお願いします
こんにちは。織部です。 まだ執筆途中ですがある程度の規定字数に達したので明日より新作UPしていきます。 タイトルは"希望のハコ 最愛の娘になった最愛の君へ"です。 ファンタジー要素一切なしの恋愛小説予定ですのでどうぞ長くお付き合いを。 23日までに終わるかな?
こんばんは。 織部です。 酒本歩様が私の諸作"クールで知的なオミオツケさんはみそ汁が飲めない"を紹介してくれました! しかも"思わず読んだ、このタイトル"という記事で! 前回のあとがきにも書きましたがこのタイトルは元々、別のものを考えており、いざ書く言う段階になって結尾美織がオミオツケだったことを思い出して改変したことで生まれました。 コメントしてくださった方々もタイトルから読んでくださったと言う方が多く、タイトル決めがいかに大事かを学ばせてもらいました! 酒本歩様、
こんにちは。織部です。 クールで知的なオミオツケさんはみそ汁が飲めないを読んでくださりありがとうございます^_^ 私の作品としては珍しいTL要素の入った恋愛ファンタジー小説となりますがお気に召していただけたでしょうか? お気づきの方もいらしたようですがこの作品はnoteを始めた当初に書いた"結尾美織はみそ汁が飲めない"という短編小説のアイデアを引用し、新たに新作として描き直したものです。タイトルも"クール系女子はみそ汁が飲めない"と言う流行りのタイトル付けにあやか
一緒に飲めばいいのではないか? 血が通わなくなってしまったのではないかと勘違いしてしまいそうなくらいぼやけたレンレンの頭にそんな考えが浮かんだ。 アナフィラキシーショックの後遺症で酸素と点滴を繋がれて病院のベッドに横になっていた時、頭に浮かんだのはオミオツケさんのことばかりだった。 初めて会ったの頃のイメージ通りのクールで圧の強いオミオツケさん。 つっけんどんにしたながらもこちらに気を使うオミオツケさん。 ゲームとラノベが好きとバレてこっちが恥ずかしくなるくらい
オミオツケさんは、みそ汁を食い入るように見て、恐る恐る両手を伸ばす。 優しい温もりのお椀を抱きしめるようにそっと両手を添える。 その瞬間。 みそ汁の中でワカメと豆腐と長ネギが渦を巻いて回転する。 茶色の汁が大きく波打ち、粘土のように丸まっていくと宝玉のようになって宙に浮かび上がる。 オミオツケさんの顔に絶望が浮かぶ。 宝玉のようになったみそ汁は歪み、伸び、形を整えながら人形に変わっていき、ワカメは髪に、豆腐は鎧にして輪切りになった長ネギは重なり合って大鉈に姿を変
「こんにちは……じゃないよ……」 オミオツケさんは、その場に膝から崩れ落ちる。 レンレンは、慌てて椅子から立ち上がり、オミオツケさんに駆け寄る。 オミオツケさんは、床に座り込んだままレンレンを見上げる。 「もう……こんばんはだよ」 オミオツケさんの言葉にレンレンは驚いて食堂の窓の外を見る。 「ひょっとして……夜ですか?」 「ひょっとしなくても夜!」 オミオツケさんは、思わず怒鳴ってしまう。 オミオツケさんの怒鳴り声を始めて聞いたレンレンは目を固まらせる。 オミオ
オミオツケさんは、教室には戻らなかった。 いや、戻れなかった。 壊れた玩具箱から溢れるように飛び出してくる感情の波を抑えることが出来ず、そのまま女子トイレの中に飛び込み……大声で泣いた。 「なんで……なんで……」 なんであんなに優しいの⁉︎ あんなに酷いこと言ったのに! 冷たい態度を取ったのに! 自分のためにやってくれたことを全て否定したのに! 「なんで……なんで……」 これじゃあ……これじゃあ……。 「レンレン君のこと忘れられない……」 自分は、レンレンと
翌週、レンレンは学校に復帰した。 アレルギー症状自体はすぐに治ったものの久々の発作だったせいか、身体に思った以上の負担がかかり、両親と医師の薦めもあって大事をとって三日間の入院と四日間の自宅療養をした。 その間、スマホには友達からの心配、お見舞いの連絡とSNSがひっきりなしだった。 レンレンは、一つ一つ丁寧に読みながら返信していった。 しかし、その中で気になることが二つあった。 一つは文系女子とスポーツ女子からのSNS。 文体こそ違うが内容は同じだった。 "美織
引きこもってしまった息子を心配した両親は少しでも気晴らしになればとレンレンを旅行に連れて行った。 遊園地で遊び、海を泳ぎ、大好きなアニメの聖地を巡るなど、思いつく限りのレンレンの好きな所を回ったと言う。最後は予め予約しておいた乳製品と縁遠い和食のお店 に行き、食事をして帰ろうとした時、トラブルが起きた。 店側の手違いで予約が取れていなかったのだ。 しかも満席。 当然、空くのを待っていたら帰りの新幹線にも間に合わない。 普段は怒らない両親の怒りにレンレンが驚いていた
「乳製品アレルギー?」 そう呟いた瞬間、オミオツケさんはお腹の下が冷たくなるのを感じた。 「そう」 スポーツ女子は、小さく頷き、卵焼きとハムステーキをご飯で包んだおにぎらずに齧り付く。 「結構、有名な話しだよ」 文系女子は、眼鏡の奥の目をキュッと萎める。 エガオが笑う時の映画を見た次の日の学校。午前の授業を全て終えたオミオツケさんはスポーツ女子と文系女子に呼ばれて屋上のベンチで昼食を食べていた。 一緒に食べるの自体は珍しくはないし、放課後に一緒に遊びに行くことだって
オミオツケさんの言葉にレンレンの顔が固まる。 「ずっと気になってたんだ」 オミオツケさんは、アップルティーの表面を見る。 「学生が普通、食堂で働くなんてあり得ないでしょう?しかも授業の中抜けまでして。うちの高校は確かに緩いけど、こんなこと繰り返してたら内申にも響いてくると思うし……」 「俺……管理栄養士目指してるんで。内申って意味じゃむしろ実績を上げてると思うんですけど……」 「だったら放課後にそう言った関連のバイトをしてもいいわけじゃない?何も学校でやらなくても……」