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初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-6
3-5はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n063319ae0633 勧誘活動が忙しくなっていたのか、焼き鳥屋に顔を出す頻度も徐々に減っていき、週に一度程になっていま…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-5
3-4はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n898e43c0c3ec 自分の父に嘘までついて、僕は東京に出て来た。 大学で友人と呼べる人間など一人もいない。 時給千円で…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-4
3-3はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n9196971f5719 壁の向こう側では、早くも何かが始まるそんな気がして、それを互いに言わずとも感じていましたので、黙…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-3
3-2はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n2a6740740287 初めて日本酒を飲んだのも、確かその時だったと記憶しています。僕にはどうしても、理科の実験で使うエ…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-2
3-1はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/na4534caae01b 煙草の先端の燃える箇所をただただ眺めながらいましたら、 「いや、何か用があるんかも知れんから、一…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-1
2-4はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/nc887f2d726fb 上京東京の経済学部のある大学に進学しました。 あの日以来、父はちっとも口を聞いてくれなくなりまし…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」2-4
2-3はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n735c51b79710 父は喜んでいました。そのはずです。普通科に入ったことは知らないのですから。 いつからでしょう。僕の…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」2-3
2-2はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n50ecd26b58ca 土曜のその日、父はあれこれ僕に仕事を体験させてくれました。測量のやり方だの、道具の名称だの、ユン…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」2-2
2-1はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/nffe9df010f5a 本音という猛獣が鉄格子の中で暴れ出し、その様子をじっと観察する。人が人と共に生きる(共存する)と言…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」2-1
1-3はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n767e53123548 父と本音 「あなたは何を食べても美味しいと言うね」 今では自分にとってそう珍しい言葉でもなければ…
初稿の連載小説「もっと遠くへ」1-3
1-2はこちら↓ https://note.com/fine_willet919/n/n44503291b8aa いくらか経ったと思う。 この店に来る前に購入した煙草の箱は、ライターを収納しても、まだ十分に余裕…
ウイルスの前では僕たちは無力
本来であれば昨日から劇場に小屋入りして、テクニカルの確認や、最終調整などを行っている時間帯である。
今月の23日~25日の三日間で全5公演を予定していた舞台「いつからか、それは」が全公演の中止となった。
中止を発表したのは、一昨日の2月20日。小屋入りの前日である。
関係者に複数名体調不良者が出たことが公演中止の理由である。
「悔しい」の一言しかなかった。
チケットを購入してくれていた人には申し訳
初稿の連載小説「もっと遠くへ」2-3
2-2はこちら↓
https://note.com/fine_willet919/n/n50ecd26b58ca
土曜のその日、父はあれこれ僕に仕事を体験させてくれました。測量のやり方だの、道具の名称だの、ユンボの操作だの、もちろん子供であったため、運転などはさせてもらえませんでしたが、運転席に座る僕を見て、
「どげな、きもちよかろっ」
と、答えは一つであると決められているかのような質問でし