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連載小説「もっと遠くへ」まえがき

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小説のまえがき部分を読めます。
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初稿の連載小説「もっと遠くへ」1-3

初稿の連載小説「もっと遠くへ」1-3

1-2はこちら↓
https://note.com/fine_willet919/n/n44503291b8aa

いくらか経ったと思う。

この店に来る前に購入した煙草の箱は、ライターを収納しても、まだ十分に余裕があった。

店内に流れるソウルミュージックはいつしかジャズに変わり、ブレンドコーヒーは、ジントニックやウイスキーに姿を変えていた。

店内の照明も赤や青といった原色で彩られ、一層、夜の

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初稿の連載小説「もっと遠くへ」1-2

初稿の連載小説「もっと遠くへ」1-2

1-1はこちら↓

https://note.com/preview/nc7011db7cb85?prev_access_key=4dec3032ac4510b55cbb8ad22a31157b

ただ、ここは違う。

コーヒーと煙草の香りを楽しむ中年の男性もいれば、ソウルミュージックに耽る老人、一人読書をする学生、友人と先週行った、鳥羽一郎のコンサートの話をするマダム達。そして僕のように、原稿用

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初稿の連載小説「もっと遠くへ」1-1

初稿の連載小説「もっと遠くへ」1-1

あらすじ
先日二十五歳になった男は、とある喫茶店で小説を書いていた。
彼は、いつも窓から行き交う人をただ眺めていた。
誰かを待っているのか、そうでないか。
それは、彼にも分からない。
喫茶店に通い始めて二か月が経ったある日。店主が男の小説を読むことに。
そこに綴られていたものとは・・・
「待ち人」を軸に男の人生を描く。初の中編作品。

まえがき

まだ、二十五というのに、青山や表参道にあるような洒

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