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福祉の仕事

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仕事中に気づいた発見や喜びを書いています。
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#笑顔

笑顔のピース写真

笑顔のピース写真

今年から利用開始した利用者がいる。

活動や作業の様子を写真に撮るが
なかなか笑顔の写真が撮れない。

 
ある日、笑顔で一人遊びをしていたので、今だ!と思い、私、同僚、前施設長がカメラをむけた。
すると、ピースをしてくれたが、真顔になってしまった。

カメラを下げると再び笑って一人遊びを始めたが
やはり何回カメラを向けても結果は同じだった。

 
保護者に聞いてみると、カメラに気づくとピースサイ

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笑顔で頑張る理由

笑顔で頑張る理由

利用者の祖母の命が危ういと知らせを受けた。
いつ何があって連絡が来てもおかしくないらしい。

 
その週は利用者が楽しみにしている活動が色々とあった週で
悲しみつつも、その活動に参加できるかを気にしていた。

かつて祖父が倒れ、いつどうなるか分からなかった頃
私も悲しみと共に運動会に参加できるかを気にしていた。
あの頃私は私を薄情な人間だと思ったが
利用者に関してはそうは思わなかった。

 
いつ

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「あの子は普通なの?」

「あの子は普通なの?」

ある日、私は有給をとった。

その日はポスティングの日で
チラシ量は多く
私は内心シメシメだった。

 
だけど私の小狡い気持ちをまるで見透かしたかのように
私が休んだ日はポスティングをやらなかった。

 
更に
配る範囲が広かった。

 
世の中とはそんなもんだ。

 
 
その日は曇りだけど蒸し暑く
時折吹く風が気持ち良かった。

 
多動の方が一緒だった為、気を張っていたが
なんとか無事終わ

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お互いに手を振り続けた

お互いに手を振り続けた

新しく某利用者が送迎を使うことになった。
初めての道の為、少し緊張する。

 
車内でその人はずっとニコニコしながら窓の外を眺めた。

自宅からほど近い場所で車を停めると
ニコニコしながら降りてきた。
ドライブが好きな方なのだ。

 
「さようなら。また明日ね。」

と私が言うと
最後に何回かイタズラをしてきたので

「ほら、帰るよ。また明日ね。明日遊ぼうね。」

と伝える。

 
ニコニコ笑顔で

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笑顔の圧がすごい人

笑顔の圧がすごい人

急遽保護者がやってきて
私が対応した。

施設長に頼まれ
手先の器用さを見込まれて
ある物を作ってほしいと言われたらしい(知らなかった)。

 
なかなかの量だ。
時間と手間がかかっただろう。

 
「施設長はなんていうかこう…断らせないオーラを出しますよね。」

と、保護者が苦笑した。

 
その話を同僚とした時

「施設長は笑顔で口調を変えないけど、圧がありますよね。笑顔の圧。断れない(本音を

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何も発さなかった元同僚

何も発さなかった元同僚

同僚が販売イベントに出勤していた為
私は様子を見に行った。
他のお店も興味があったのもある。

 
私は他のお店を先に見た。
すると、見覚えがある顔と聞き覚えがある声が入ってきた。

「…Aさん!」

私は声をかけた。
Aさんと目が合った。

 
 
Aさんは前の職場で同じ事業部だった。
私は責任者をやっていて
Aさんは後から入ってきたので
私の部下にあたる。

 
Aさんが入職したのは今から7年

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速達の手紙と一年半ぶりの再会

速達の手紙と一年半ぶりの再会

私は障害者施設で働いている。

その障害者施設では様々な物を作り
販売している。

 
10年以上働き、そこで骨を埋めたいとまで思っていた施設を不本意な形で退職した頃
世間ではコロナ感染の話で持ちきりで
私は大好きな利用者や保護者や同僚と
色々な意味で会えなくなった。  

だが
今の職場は毎日様々な場所に出掛けるので
出掛ける先々で私は再会を願ったし
実際
複数人の方との再会を果たした。

 

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散歩中に私をジーッと見つめては笑った利用者

散歩中に私をジーッと見つめては笑った利用者

散歩中
利用者が
私の顔をジッと見つめた。

 
「なぁに?」

「(ジーッ)」

「なぁに?(笑)」

「(笑)」

「ふふふ(笑)」

「(笑)」

 
会話が苦手な利用者だけど
表情で気持ちはなんとなく分かる。

 
きっと

私達は同じ気持ちだ。

笑った利用者と泣いた私

笑った利用者と泣いた私

具合が悪くなった事をきっかけに
体調が回復してからも
笑顔が消えた利用者がいた。

会話もしなくなってしまった。

 
 
ずっとこのままだったらどうしよう…

と心配だったから

 
ある日笑顔と言葉を取り戻してくれて

私は泣いた。

後ろから肩を初めてトントンされた日

後ろから肩を初めてトントンされた日

毎朝私は利用者の到着に合わせて
活動部屋で待機して挨拶する。

 
 
ある日の朝
活動室から離れた場所にいると
私の肩を誰かが後ろから叩いた。

「よぅ!」

笑顔で利用者が言った。

 
 
朝私がいないから姿を探してくれたんだね。

ポジティブな日記帳

ポジティブな日記帳

利用者が日記を読ませてくれた。

 
その日記には必ず毎日

「楽しいよぅ♡」

と書かれていた。

 
毎日笑顔で好奇心旺盛で
確かに毎日実に楽しそうだ。

私もその人といると楽しい毎日だ。

 
私もあなたの楽しいの一部ならいいなぁ。

普通じゃないバイキンマンの話

普通じゃないバイキンマンの話

利用者が自分の世界に入っていた。

「普通じゃないバイキンマンだ!」

作業室にその声が響く。

 
「普通じゃないバイキンマンって!?色が違うの!?」

「分からない!だけど普通じゃないんだ!」
 
 
作業室は笑いに包まれた。

私の隣にしゃがんだ利用者

私の隣にしゃがんだ利用者

周りと動きを合わせることが苦手な利用者がいる。

 
ある日
私がしゃがんで作業をしていると
その人がやってきて真似してしゃがんだ。

 
そんな行動は初めてだった。

 
その人は目を合わせてニコッと笑った。

 

 
…かわいすぎた!

転職しても私は今でも再会の日をずっと待っている

転職しても私は今でも再会の日をずっと待っている

風が強い日
窓を開けていたら
棚の物が色々飛ばされた。

そして
写真が落ちてきた。

 
それは
私の前の職場の利用者と撮った写真で
退職が決まってから
私はその写真を見えない場所に隠していた。

 
 
 
写真を見たら涙が溢れてきた。