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真咲ともか
2024年7月14日 06:44
障害者福祉施設とは、利用者が働き、工賃を得る場所だ。利用者の仕事のことを、作業と表現する。給料も、工賃と表現する。 就労継続支援A型、B型、就労移行支援、地域活動支援、生活介護と事業は分かれており生活介護は作業をやる施設とやらない施設がある。福祉施設の作業は最低賃金の保証は義務づけられていないため原則、時給はA型以外派性しない。 ほとんどの施設の作業が歩合制である。
2024年5月30日 06:50
前の職場を4年前に退職してからずっと私は夢見てた。いつか利用者のみんなとまた元職場で会える日を夢見てた。前の職場を忘れたことは一日もない。新たな場所で働いていても、元担当利用者にずっと会いたいと願っていた。 だけど、会わせる顔がなかった。 退職した身分で軽々しく会いにはいけない。同僚も面白い気分ではないだろうし、利用者も困惑するだろう。退職とはそういうことだ。退職
2024年3月29日 06:56
大好きで尊敬していたリーダーの退職が発表された頃私は転職を考え出した。 私の職場は新卒をとらない。職員の平均年齢も高い。年齢を考えれば今慕っている人は私より先に辞めるだろう。そう前々から考え、薄らと不安だったわけだがリーダーが辞めることや人事異動により更に基盤が揺らいでしまった。 今すぐ辞めたい、まではいかないが私は求人情報を夜な夜な見ていた。どこも可もなく不可も
2024年3月27日 06:58
かつて、医者の方と付き合っていた時に「このままメスを持つことがないことに医師として危機感を感じる。」と言われたことがある。 元彼は精神科医志望で医大に入り研修医を経て志望通り精神科医になったわけだが周りの医者を見たりもう二度とメスを持たないことに関してこれでいいのだろうかと感じたようだ。 研修医時代、外科とか救命救急とか様々な科で働いていた時「外科は天才しかいない…。」だ
2024年3月25日 06:56
「真咲さんは真面目だよね。」小さい頃から何度も言われてきた。確かに、小学生の頃から習い事を複数こなし、休みの日にも勉強し、学級委員・児童会・部長・委員長…と、様々なことをしてきた。真面目か不真面目かの二択なら、私は真面目なのだと思う。見た目も黒髪メガネ、スカートも長めが好きだし、ピアスを空けたり、派手目なメイクもしていない。見た目も真面目な部類だと思う。 私は真面目はいいことだと
2024年3月22日 06:51
外出先で嫌な思いをした。モヤモヤしながら施設に戻った。 あんな言い方ないじゃないか。あの態度は冷たい。なんでいつもあぁなんだろう。そんな風に思いながら口には出さず一緒にいた利用者とは雑談を楽しもうと思った。 施設に戻った後、利用者の口腔ケアを頼まれた。「ハッミッガキ 上手かな?♪」私が歌いながら利用者を誘導するとニコニコしながら楽しそうに口を開けた。この歌が好き
2024年3月21日 06:47
私の職場は適当だ。退職者にお金をいくら渡すかは規定で決まっていなくその都度退職者が出たら話し合って決める。 決まっているのは、色紙に利用者と同僚でメッセージを書いて最終勤務日お別れ会の時に渡すことくらいだ。また、その時に利用者が個人で用意したプレゼントや手紙を渡したい人は渡す。 前の職場は退職者に職場・保護者会・自治会(利用者)がいくら渡すか、いくらの花束を渡すかは決まっていた
2024年3月20日 07:01
私の職場は飲み会がない。食事会もない。コロナ禍だからというのもあるがコロナ禍前も頻繁ではなかったらしい。 私は三年前に転職したが、歓迎会はなかったし同僚が辞めても、送別会はなかった。それでよかった。仕事柄、平日は利用者や同僚とお昼を食べるし土日祝日出勤の時も利用者や同僚とお昼を食べるし職場で一人でお昼を食べることはほぼない。 あえて仕事後や休日に出掛けて高いお金を出し
2024年3月19日 06:51
同僚が体調不良で複数人同時に休んだ時他の同僚やリーダーがいたからなんとか乗り越えられた。 だが、その休んでいた同僚が体調が治ると今度は別の同僚が体調不良で一週間休み更に翌週も復帰が未定らしい。元々毎月体調不良で何日も休む方だ。毎月のことといえばそれまでだけど今回は期間が長いし、不安になってしまう。このまま退職になったらどうしよう、と。退職にならないにしても、復帰が数ヶ月単位
2024年3月18日 06:53
リーダーが退職を発表した際想像以上に利用者は不安定にならなかった。多少泣いたり、落ち込んだ人はいたがほとんどの人は実感がわからないのか、大きな変化はなかった。 保護者にしてもそうだ。一部の方が落ち込んだりはしたが、想像以上にサラッとしたものだった。 私は驚いた。リーダーが辞めるというのに、利用者も保護者もなんと割り切っているのだろうか。私以上にリーダーと長い付き合いなの
2024年3月14日 06:59
リーダーの退職はとある日の食後知らされることになっていた。その日、私はちょうど午後から研修だった。私はその瞬間に立ち会うことはない。 「真咲さん、研修いってらっしゃい。」利用者が笑顔で言う。利用者は知らない。あと数十分もしない内に、もう知らなかった頃には戻れない悲しみに襲われる。 研修先は近くの駐車場が満車で、遠くの駐車場から歩くことになった。私が研修に間に合うか焦っ
2024年3月13日 07:03
前の職場では、正職員は更衣室にロッカーを一つと事務室にマイデスクとマイパソコン(マイアドレス)を揃えてもらえた。そこで10年以上働いていた私は、それが当たり前だと思っていた。途中で職員が増え、更衣室のロッカーはパートさんに譲ったが(パートさんはロッカーを一つ借りられる)その時にはマイデスク足下に段ボールを置いてものを置いた。移転に伴い、再びロッカーを借りられた。 やがて私は転
2024年3月12日 06:45
仕事から帰ると、大きな包み紙が置いてあった。「父より」手書きで紙が貼られていた。 包み紙を開けると額縁に入った大きな写真が入っていた。先日新聞に載った、創立記念日の写真を引き伸ばしたものだった。 あまりに立派な写真と額縁で笑ってしまった。これは一職員が家に飾るレベルではなく施設に飾るレベルだ。 きっと前の職場なら、新聞に載ったり、創立記念式典の大きな行事ならこ
2024年3月11日 07:02
私の職場は私が一人で残業することは許されない。私が残る時は新施設長か事務長かリーダーも必ず残る。 前の職場は一人で残業もザラだった。もしくは他の人も残業で、一緒に帰る日も多かった。その感覚で10年以上仕事してきた。だから私のために誰かがあえて残る今の職場のシステムは気を遣った。 その日は人手不足の日で仕事は立て込んでいた。仕事は相変わらずたまる一方だったがその日の内にや