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息子と亡き母のちょっと不思議な話【5歳の息子の見る世界】
「かなしい曲を聞くと、バァバを思い出すの」
デパートの多目的トイレに5歳の息子と入っていた時のこと。そこには優しくて落ち着いた曲が流れていた。かなしいと息子は言ったその曲は、確かにほんの1グラムほど、寂しさを含んだ曲だった。
「バァバの何を思い出すの?」
私は疑問に思って聞いた。なぜなら、息子が生まれる10ヶ月前に母は亡くなっていたからだ。脳卒中だった。
当時のことは、まるで再現VTRのよ
【目の色】 5歳の息子の見る世界
駅から家まで15分。私は駅からの帰り道に息子と話すことが好きだ。息子の見る世界は、私の見ている世界とは違う。
ある日、なぜか目の色の話になった。
「どうして目の色って人によって違うと思う?」と私は尋ねる。
「うーんとね、生まれる時は色々だと思う。黒や茶色、青や赤、紫やピンク。いろいろな色があると思うんだ」
「そうなんだね。じゃあ、なんでかっちゃん(息子の愛称)の家族やお友達には、黒い瞳の人が多
(育児エッセイ)息子に母として伝えたいこと。それは自分の母に自分が伝えてほしかったこと。
「お母さんはどんな人ですか?」
「お母さんは、いつも頑張っている僕を褒めてくれる人です」
これは5歳の息子が通う幼児教室での一幕。この日は夫が参観に行った。息子は小さな子ども用の椅子に座りながら、先生からの質問に、きちんと相手の目を見てこう答えたらしい。
この話を夫から聞いたのは、幼児教室が終わって、夫と息子が家に帰り、家族4人での夕食が始まった19:30くらいのことだった。
テーブルには
(育児エッセイ)マザー牧場まで76キロ。息子が夢中になったのはダンゴムシだった
息子の白いぷっくりとした小さな手のひらの上を14本の小さな足が這い回っている。息子は大切なそれを落とすまいと、大切そうに両手で包み込もうとするが、黒いそれはなんとか息子の手の中から逃れようと歩みを止めない。
あっ、落ちた。
息子はそれを拾い上げようと、小さな手で掴みあげようとする。土の地面の砂が、小さな手の爪の間に入っていく。
掴み上げると息子はまた大切そうにそれを両手で包むが、それは全力を
(育児エッセイ)「ママはなんで僕のこと好きなの?」と聞かれた時の正解がわからない
「ママはなんで僕のこと好きなの?」
5歳の息子の質問は唐突だった。保育園から家に帰るわずか7分の道すがら、なんの前触れもなくその質問はやってきた。
春の日が傾き始め、優しい風が私たち親子を包んでいる。葉が混じった桜の花びらは、満開の時のような絢爛さはないが、それでも美しかった。静かに一枚の花びらが地に落ちる。そんな、なんでもない日に突如投げかけられた質問。
保育園の先生たちから、とくに誰かと
【短編小説】アマビエ先生と肉じゃがの記憶
約一週間続いた熱がひき、身体の痛みも嘘のように無くなった。二日前に息をすることがとても苦しくなって、病院に行ったら肺炎を合併していると言われたのが嘘のようだ。
肺炎になったと聞いて、今年七十歳になるおばあちゃんは、私が死んじゃうんじゃないかって顔を真っ青にしていた。おじいちゃんが肺炎で亡くなっているから、怖かったのかもしれない。でも私はまだ元気な十二歳で、おじいちゃんは別の病気も持っている七
以前、蕾写真館さんで、記念に撮っていただきました。
アンティーク着物も背景の水彩画もが素敵すぎます😍
http://tsubomiphoto.com
【短編小説】わたしの大切なおともだち
【あらすじ】
私には天鈴(あめり)っていう大切なおともだちがいるの。小学校も中学校もずっと一緒だった。でも、中学の卒業式の日に「これからも一緒にいていいのかな」って。なんでそんなことを言うの?すると天鈴からは驚くことを言われて‥‥‥
【本編】
私の大切なおともだちの名前は天鈴。あめりって読むの。素敵でしょう?
天鈴(あめり)と初めて出会ったのは、まだ保育園の年長さんの時だったの。
【短編小説】ハナちゃんとあやかし学校
【あらすじ】
華ちゃんは、小学六年生。
独特の感性を持つ華ちゃんは、図工の時間に自分の視たままの絵を描いていると、先生から「普通に描きなさい」と言われてしまいます。
図工室に行けなくなってしまった華ちゃんの前に、トイレの花子さんが現れ、アマビエ先生のクラスへと連れて行ってくれました。
アマビエ先生の授業で華ちゃんは何を学ぶのでしょうか。
【本編】
「もう少し、自分らしさを出しましょうね
【着物コラム】これって文化盗用?アメリカで炎上してるらしいけど、いまいちピンとこないので、その理由を考えてみた。
こんにちは。蝶一です。
「文化盗用」、最近よく聞くワードですよね。
着物好きには、昨年(2019)、アメリカのセレブリティであるキム・カーダシアン氏が、自らの補正下着のブランドに「kimono」とつけようとして炎上し、後に撤回したことが記憶に新しいと思います。
そのブランドの写真がこちら↓
「いや、kimono関係なーい!」と多くの人が思ったでしょう。キム氏が商標登録をしようとしているとい
【着物コラム】なぜ私達は、着物警察化してしまうのか。(NYファッションウィークでの着物ファッションショー)
こんにちは。蝶一です。
2016年に開催されたNYファッションウィークでの着物ファッションショーを紹介する動画がyouTubeにあがっていました。
結論からいうと、私はこのショーは素晴らしい取り組みだと思うし、ショーを企画した人達に無条件に敬意を持ちます(*^-^*)
ただ、動画のコメント欄は批判で埋め尽くされていました。そして、その大半が着物警察のようなコメントでした。
私達はなぜ着物警