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曖昧/A.M.【ただいまnote】



鶯の鳴き声で目が覚める。

夢現つのなか、まず壁時計に視線を向けた。
まだ余裕があると微睡む直前、出窓を覆うカーテンの隙間から光が差し込み、落ちた影が卓上に置いたペットボトルを幻のような琥珀色に染める。それが極めて美しく見え、身体を起こして近寄った。

あれ、昨夜はお茶を持ってきたっけ、などとぼんやり考えながら煌めきに触れる。
その正体がラベルレスのミネラルウォーターだと気付いても、しばらく魅せられたままだった。
いつ変えたかすら記憶にない窓掛けが、これ程までにロマンチックな朝を作って日常に彩りを添える。
何かと忙しく神経をすり減らす、この時期に隠れた、癒やし。

心が満たされ、二度寝をする為に振り向けば、布団の上を小さな蜘蛛が這っていた。
おはよう、君は殺さないよ。
微笑んで優しく挨拶をした後、横になり、瞼を閉じる。


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