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#エモい
此見えこさんのエモくてためになる新刊を読みました。
此見えこさんの新作『きみは僕の夜に閃く花火だった』(スターツ出版文庫)を読みました!最近の此見さんはアンソロジー収録の短編が多かったので、完全新作となる長編を読むのは久しぶりな気がします。
今作もエモーショナルかつ、10代特有の痛々しい感情が込められた此見さんらしい内容となっていました。現在学生の読者の心に刺さるのはもちろん、かつて学生だった人も「こんな夏休みが過ごしてみたかった!」がいっぱい詰
エンドロールの後も人生は続く(一条岬:『嘘の世界で、忘れられない恋をした』)
一条岬さんの『嘘の世界で、忘れられない恋をした』(メディアワークス文庫)という青春小説を読みました!
今作は難病を抱え、余命わずかとなった主人公・誠が映画制作を通して、彼が片想いしている女子・翼との仲を深めていく物語となっていました。
大切な人を失った悲しみを読者も驚くようなアイデアで乗り越えていくところが一条さんの作品の魅力だと思うのですが、それは今作でも健在でした。
「泣ける」系の恋物語は
バラバラとなった大切な時間を取り戻す物語。(石野晶:『パズルのような僕たちは』)
石野晶さんの『パズルのような僕たちは』(双葉文庫)という青春小説を読みました!
体のパーツが少しずつ入れ替わり、最後はどちらかが命を落とす…という宿命を背負った月彦と糸雨。幼なじみ同士の2人が「ジグソーパズル症候群」をきっかけに、数年間失われていた心の距離を取り戻す物語が描かれました。
男女の「心が入れ替わる」物語は数多くありますが、「手や足といったパーツから入れ替わりが始まる」といった物語は
結婚では表せない愛の形もある。(笹沢左保:『結婚って何さ』)
笹沢左保著『結婚って何さ』(徳間文庫:トクマの特選!)を読了しました。同レーベルから出ている『招かざる客』を以前読んで面白かったので、同じ作者の本をもっと読んでみようと思い、手にしてみました。
今作の主要人物は、事務職として働いていた真弓と三枝子という2人の女性。職場でのハラスメントを理由に仕事を辞めた彼女たちは、偶然知り合った森川という男性に誘われ、旅館で一晩過ごすことになります。しかし翌朝、
図書館で借りた面白本:懐かし楽しい2冊を紹介!
前回に引き続き、図書館で先日借りてきた本を紹介します。今回紹介するのは、懐かしさが一周回って新鮮な「日本懐かしおまけ大全」と「平成レトロの世界」の2冊です。自分が生まれる以前の話って異世界を見ているようで、幅広いテーマのレトロ関連書籍を読めば読んでいくほどもっと深く知りたくなりますね!
日本懐かしおまけ大全
昨日紹介した「日本懐かし文房具大全」と同様、タツミムックの日本懐かし大全シリーズからの
第163回:「綺麗」なだけじゃないクリームソーダの魅力(難波里奈:『クリームソーダ 純喫茶めぐり』)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、難波里奈著『クリームソーダ 純喫茶めぐり』という本です。
以前紹介した『純喫茶コレクション』と同じ著者の本ですが、今回は全国の喫茶店の「クリームソーダ」に注目した内容となっています。
個人的に「喫茶店といえばクリームソーダ」というイメージがあるので、いろんなお店のクリームソーダが見られる1冊があったことには嬉しさしかありません。
『純喫茶コレクション』の中
第146回:「彼女」がつなぐ温かな想い(一条岬:君が最後に遺した歌)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、一条岬さんのライト文芸作品『君が最後に遺した歌』(メディアワークス文庫)です。
数年前に読んだ『今夜、世界からこの恋が消えても』(以下『セカコイ』)という作品が凄く印象的な作品だったので、著者の2作目となる今作ではどんな世界を見せてくれるのか気になって読んでみました。
意外性のある青春小説だった『セカコイ』に比べると、今作は比較的王道路線なストーリーかなと
第136回:「エモい」だけじゃないレトロな喫茶店の魅力(難波里奈:純喫茶コレクション)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、難波里奈著『純喫茶コレクション』(河出文庫)という本です。小説以外の本をnoteで紹介するのは初めてかも?
私は喫茶店・カフェでゆっくり過ごす時間が大好きです。
全国チェーンのお店もよく行きますが、最近は個人経営のお店にもハマっています。中でも長年愛されているようなレトロな雰囲気の喫茶店には特に惹かれます。
外出も厳しい世の中ですし、各地の喫茶店へ行った気
第126回:大切な人・時間を思い出す物語(F:真夜中乙女戦争)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、Fさんの『真夜中乙女戦争』(角川文庫)という作品です。もうすぐ映画版が公開されるので、本屋だけでなく様々な場所で今作のタイトルを見かけますね。
ロマンティックだけど「戦争」という言葉から残酷さも連想するタイトル。あらすじに書かれた主人公が抱える不満への共感。カバーで既に心を掴まれた作品でした。
身近にいる大切な友達や恋人、家族のことを想像して読んでほしいエ
第120回:みんな違うから、世界は美しい。(汐見夏衛:雨上がり、君が映す空はきっと美しい)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、汐見夏衛さんの『雨上がり、君が映す空はきっと美しい』という作品です。noteにて汐見さんの作品の感想を書くのは6冊目です。
今作は「自己肯定感」が主なテーマとなっていました。周りの目によって自己肯定感が低くなってしまった主人公が、2人の魅力的な先輩との出会いを通して成長していく青春小説です。
私も自己肯定感が低い方なので、この物語には救われました。
先輩と
第107回:この本を開けば、いつでも「夏」が待っている
こんにちは、あみのですっ。
今回の本は、葉月文さんのライトノベル作品『ホヅミ先生と茉莉くんと。』(電撃文庫)の第3巻です。最近のラノベの中でも特に気に入っているシリーズですね!
(既刊の感想も合わせて読んで頂けるともっと嬉しいです!)
1巻では出版業界のシビアな現実や「作家」と「読者」のつながり、2巻ではラノベ作品のコミカライズについて主に描かれていました。
今回は既刊のような出版業界や作家に関
第106回:読めばきっと「物語」が大好きになる物語。
こんにちは、あみのです!
今回の本は、綾崎隼さんの『死にたがりの君に贈る物語』という作品です。
今作では、小説家が私たちに物語を届けるときに込めている思いを強く感じることができます。
私は「物語」が持つ力を描いた作品や、「読者と作者のつながり」を描いた作品が凄く好きなので、ミステリー風味の展開からどのような「物語」と「小説家」にまつわる感動が待ち受けているのか、とても目が離せなかった1冊でした