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第163回:「綺麗」なだけじゃないクリームソーダの魅力(難波里奈:『クリームソーダ 純喫茶めぐり』)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、難波里奈著『クリームソーダ 純喫茶めぐり』という本です。
以前紹介した『純喫茶コレクション』と同じ著者の本ですが、今回は全国の喫茶店の「クリームソーダ」に注目した内容となっています。
個人的に「喫茶店といえばクリームソーダ」というイメージがあるので、いろんなお店のクリームソーダが見られる1冊があったことには嬉しさしかありません。
『純喫茶コレクション』の中で難波さんは「100の喫茶店があれば、100の個性がある」と述べていましたが、クリームソーダでも同じことが言えます。
クリームソーダというと「メロンソーダにアイスがのっている」ものを想像しますが、メロンソーダ以外にもいろんな種類のジュースがあったり、アイスののせかたもお店によって異なったりとその世界の奥深さを実感します。中にはグラスにこだわっていたお店もありました。
私がこの本で気になったのは、「喫茶ジュリアン」(神奈川)の「ペアソーダ」と、「喫茶宝石箱」(東京)や「クリームソーダカフェSHINSETSU」(京都)の選ぶのに悩むカラフルなクリームソーダたち。
喫茶ジュリアンのペアソーダはグラスがまん中で区切られていて、ひとつのグラスで2つの味・色が楽しめる面白いクリームソーダとなっていました。お店の中も「昭和」がいい感じに残されていて、特にゲーム機が今でも置かれているのが魅力的でした。映画のロケとかでもよく使われているお店みたいなので、いつか行ってみたいですね!
(例のペアソーダですが、画像付きで紹介されているネット記事がありました)
緑以外にもジュースがピンクや青のクリームソーダも結構多かったです。
中でも喫茶宝石箱やクリームソーダカフェSHINSETSUのクリームソーダは「色」にかなりこだわっていて、定番の色はもちろん、紫や透明といったなかなか見ない色もあり、画像だけでもわくわくしました。透明のクリームソーダは初めて見たので、すごく飲んでみたくなりました。
また読んでいて残念に感じたものもあります。
この本の中で「喫茶富士」という静岡市内のお店が紹介されていたのですが、ネットで調べたところ今は閉店していることがわかりショックでした。(この本が刊行された2018年当時もお店の今後はあやふやだったそう)
魅力的な喫茶店の中には、年配の方が経営しているケースも少なくはありません。喫茶富士のようにお店の人の都合である日突然閉店してしまう可能性があることを考えると、気になったお店があれば今のうちに行った方がいいことをこの本でも感じることができました。
残念な話もありましたが、一方で今後の喫茶店が盛り上がりそうな嬉しい話題もたくさんありました。
レトロな喫茶店に惹かれた若い世代の人が新たに経営し、店内やメニューをリニューアルしてみたり、新メニューを導入してみたりする話題からは喫茶店を盛り上げたい、もっと多くの人に魅力を知ってほしい!といった「喫茶店愛」を感じることができました。(カラフルなクリームソーダが増えているのとかまさにそれですね!)
私くらいの年齢の人にはレトロなものが逆に新しいと感じることがあります。クリームソーダにもそのような魅力はあって、懐かしくも新しいクリームソーダの世界を通して、全国の素敵なお店たちが盛り上がったらいいなと喫茶店のこれからに期待したくなる1冊でした。
他にも画像だけで幸せな気持ちになれるクリームソーダと喫茶店がたくさん紹介されているので、ぜひ手にして気になるお店を見つけてみてください!
(ちなみに今回のサムネは、私のお気に入りのお店のひとつである「ヒトヤ堂」のクリームソーダの画像を選んでみました。「THE・クリームソーダ」って感じの見た目と味で好き)
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