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エッセイ

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自分の哲学・ただ思ったことなど…
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#読書感想文

『母という呪縛 娘という牢獄』を読んで

『母という呪縛 娘という牢獄』を読んで

【※ネタバレを含みます】

毒母と娘の話で、
以前起こった母親殺しのノンフィクション。
しかしところどころ創作が混ざっているみたいで、
アレッというところもある。
例えば主人公の名前は仮名のはずなのに、
命名の由来が書かれていたり…。

この話、母親がおかしいくらい
娘をコントロールしていて、
娘は9年間の浪人生活を強いられ、
母親の思い通りの、医者になる人生しか
歩ませてもらえない苦しい毎日を送

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『なんで家族を続けるの?』を読んで

『なんで家族を続けるの?』を読んで

文筆家の内田也哉子さん、
脳科学者の中野信子さんの5回に渡る対談本、
『なんで家族を続けるの?』を読んだ。
内田也哉子さんのご両親は、
言わずと知れた樹木希林さんと内田裕也さん。
也哉子さんが生まれる前から別居を続け、
会ったら包丁が飛び交うほど
喧嘩が絶えなかったのに、
それでも離婚をしなかったご夫婦。
中野信子さんのご両親は家でも口をきかず、
形だけの家族を続けてきたそうだ。
そんな二人が家族

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『フランスの高校生が学んでいる 哲学の教科書』を読んで

『フランスの高校生が学んでいる 哲学の教科書』を読んで

『フランスの高校生が学んでいる 哲学の教科書』
を読んでみた。
哲学は好きだけど、難しい内容も多いので、
ちょっと哲学書は敬遠しがちだが、
これならわかりやすいかな、と…。

でもやっぱりちょっと難しかった…💦
「選択の連続が自分をつくっている」
という箇所と、
「なすべきことをしたと思えれば、
 死への恐怖は弱まる」
というところは心に刺さった。

確かに毎日、人生は選択の連続。
これを選んだ

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芥川賞受賞作品『ハンチバック』を読んで

芥川賞受賞作品『ハンチバック』を読んで

芥川賞受賞作品の、
市川沙央さんの『ハンチバック』を読んだ。

重度障害者が主人公の小説で、
市川さんご本人と重なるが、
フィクションである。
実話が基になっている部分はあるのだろうけど、
体験したことを書いただけの
作品でないことはわかる。
状況が似ている人を主人公にすると、
実話だと思われやすいよね。
レビューを見ても、そう思っている人が
一定数いるようだった。

最初の感想は、思っていたよう

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2024年のお正月いろいろ+『運転者』を読んで

2024年のお正月いろいろ+『運転者』を読んで

三が日が終わり、仕事始め…のはずだったが、
急きょ1日有休が出て、5日が仕事始めになった。
なんて素晴らしい社長からのお年玉🧧

元日は前にも書いたが年始の挨拶に行き、
2日は初詣に行った。
3日は娘の宿題の書き初めに
付きっきりでつきあったら自分も書きたくなって、
ちょっとどいてと筆を奪い、
何十年振りかわからないほど久しぶりに
書をしたためた…(という程ではないが)。
娘はこれを提出すると言

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母性は誰にでも備わっているわけではない

母性は誰にでも備わっているわけではない

湊かなえ著の『母性』を読んだ。
久しぶりに、夢中で一気に読めた1冊だった。
そして怖かった。
ミステリーだからではなく、母娘の関係が。

※この後、ネタバレする内容を含みます。

主人公は母親と、高校生の娘の2人だが、
母親の方は自分の母親を溺愛しており、
「私は母親の分身なのだから、
  同じものを見て違う思いを抱くなど、
  あってはならないこと」
とまで言う怖さがある。
そして結婚相手に

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読書感想文に苦戦する親子

読書感想文に苦戦する親子

子どもの夏休みも終わりに近づいている。
あと,残っている宿題は…読書感想文と,
自由研究! 大物2つ!!

さて,読書感想文が苦手な娘。
もう小学4年生にもなるのに,
私も同じ本を読まされ,
ほとんど一緒に書いている状態。

私は学生時代,国語だけは好きだったので,
その手のものは一応書けたけれど,
好きだったかと聞かれたら,そうでもなかった。
どちらかというと,途中までは苦手だった。
でもこうい

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“無になる”時の脳の状態

“無になる”時の脳の状態

昨日少しご紹介した本、
『精神科医kagshunが教えるつらさを手放す方法   
幸せになる超ライフハック』
が、とてもためになる本だったので、
今日もその本を一部要約してご紹介。

スポーツ選手がゾーンに入ったなどというのも、
後者の状態だそう。
ゾーンに入るとは集中力が高まり、
感覚が研ぎすまされる状態で、
周りの一切が気にならず、
自分のするべきことだけに意識が向く。

集中していることだ

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時代に置いていかれた名作?

時代に置いていかれた名作?

名作と言われている小説を実際読んでみると,
「えっ,これで終わり?」と思うことがある。
「こ,これが名作?」と,愕然としたり…。

語り継がれているうちに,評価が一人歩きして,
過大評価されてしまった感じのものもある。
自分がそのよさを
理解できないだけなのかもしれないが,
名作という固定観念で読むと,
自然にかなりのレベルを期待してしまうのもある。

こういうことがたまにあるので,
よいと言われ

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ムーミンに学ぶ哲学

ムーミンに学ぶ哲学

ムーミンが好きで、
フィンランドまで行ってしまったことがある。
ムーミンの童話より、
コミックスが好きで、全巻持っている。
その中で印象的だったセリフを少しご紹介。

ムーミンママが
「習慣にこだわるのは、
  よくない老化のしるしね」
と言って、いつも通りにしなくても
いいんだと悟るシーンがある。
こだわりを捨てて頭をやわらかくすると、
ラクに生きられるよね。
まぁ、やろうとすると
最初は抵抗

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自分に生まれてよかった?

自分に生まれてよかった?

精神科医の藤野智哉先生の本,
『「自分に生まれてよかった」
 と思えるようになる本』を読んだ。

ざっくり説明すると,
SNSで他人の華やかな生活を見て羨んだりと,
他人と比べている限り,
自分のよさには気づけない。
一度きりの人生なのに,
そうやって他人と自分を比べて
落ち込むばかりの毎日でいいはずがない。

「気が進まないことは断る」
「完璧主義にならない」等,
心のクセを直し,考え方を切り変

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