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【ABA】応用行動分析を日常生活で使ってみよう

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認定行動分析士(BCBA)の著者が、ABA理論を日々の生活の中で役立てる方法やABAを使って問題を解決する方法を紹介します。
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#ASD

子どものかんしゃくに隠れた原因を解明: 感覚処理の問題

子どものかんしゃくに隠れた原因を解明: 感覚処理の問題

はじめに

感覚処理の問題とは?感覚処理とは、脳が視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、運動などの感覚刺激を理解し、反応する複雑なメカニズムのことです。感覚処理の問題は、感覚処理障害(SPD)とも呼ばれ、感覚を処理するプロセスがうまく働かない時に起こります。要するに、子どもの感覚処理システムが特定の刺激に過敏になったり、他の刺激には鈍感になったりするのです。

五感+二感
通常、感覚処理には7つの主要な感

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【心理学とABAでひも解く】子供が人を叩いた時の対処法

【心理学とABAでひも解く】子供が人を叩いた時の対処法

ご機嫌で遊んでいた幼児が突然、他の子や近くの大人を叩くという行動を目の当たりにしたことがあるかもしれません。幼い子供は自分の要求を満たすためのスキルも持ち合わせていないため、どうしていいかわからず、暴れたり叩いたりしてしまいます。また、感情のコントロールや社会的スキルがまだ未発達なため、すぐにイライラしてしまい、叩いてしまうことがあります。これは発達上正常なことですが、奨励されるべきことではありま

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ASDシャボン玉療育:コミュニケーションを促す

ASDシャボン玉療育:コミュニケーションを促す

自分の欲求を表現するスキルASDのお子さんへの早期家庭療育で、私が一番最初に教えるにコミュニケーションスキルは、
「自分の欲求を表現するコミュニケーション方法」
です。

まだ自分の声が自由に出にくいお子さんにはジェスチャーを、声が出るお子さんには「言葉」を教え、欲しいものを要求したり、休みたいときに伝えたりすることができるようにします。

これによって、子供のイライラがかなり軽減され、暴力や自傷

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子どもの言葉の遅れチェック#11:子供の方から関わろうとしてきますか?

子どもの言葉の遅れチェック#11:子供の方から関わろうとしてきますか?

お子さんは、あなたに反応して欲しくて、なんらかの働きかけをしますか?
自分からあなたの注目を得ようとして、声を出したり、あなたの体に触れたりして合図を出していますか?
自分の欲求を満たすために、あなたに声やジェスチャーで働きかけますか?

たいていのお子さんは、しゃべり始めるずーっと前から、
「泣く」
と言う手段を使って、あなたからの注目を得る方法を知っています。

そのうち
大声、身振り手振り、

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子どもの言葉の遅れチェック#10:ジェスチャーを使ってコミュニケーションをとりますか?

子どもの言葉の遅れチェック#10:ジェスチャーを使ってコミュニケーションをとりますか?

ジェスチャーとは、私たちが相手にメッセージを伝えるために使う身振り手振りなどの体の動きのことです。

言葉習得になぜジェスチャーが大切なの?「子どもがジェスチャーを使える」
と言うことは、すでに子どもは、

「ジェスチャーを使えば、自分の意思を他人に伝えることができる!」
ということを理解しているからです。

これは、まさに非言語によるコミュニケーションです。
人から話しかけられるのを注意深く見聞

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子どもの言葉の遅れチェック#5:注意を共有すること【共同注意】ができますか?

子どもの言葉の遅れチェック#5:注意を共有すること【共同注意】ができますか?

「注意を共有する」ってどう言う意味?専門用語で「共同注意」「Joint Attention」と言います。

まぁ、一言で言うなら、
「ねー、ママ見てー」と言えるスキル
のことです。

「え?これってスキル?」
と感じるかもしれません。お話できるようになると、
「ねー見て見て!」
ばっかりですもんね。

でも実は、これってとっても大切なスキルなんです。
特に、言葉の習得やコミュニケーションスキル、社

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子どもの言葉の遅れチェック#3:やりとりができますか?

子どもの言葉の遅れチェック#3:やりとりができますか?

赤ちゃんが人との関わりの中で学ぶ、最も重要なスキルのひとつは、
「順番を守ること」
です。

「順番を守る?赤ちゃんが?」
「ブランコの順番待ちする必要もまだないよね」

順番を守る=代わりばんこでのやりとりもちろん上記のようなことにも「順番待ちスキル」が必要ですが、
私がここで話す、赤ちゃんの順番待ちとは、
「代わりばんこでのやりとり」
のことです。

例えば、
赤ちゃんが「あ〜」とか「う〜」と

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子どもの言葉の遅れチェック#1:赤ちゃんは、見たり、聞いたり、感じたりすることに反応しますか?

子どもの言葉の遅れチェック#1:赤ちゃんは、見たり、聞いたり、感じたりすることに反応しますか?

子どもが言葉を発するまでに身につけなければならない11のスキルのうち、1番最初のスキルは、
「自分の周りで起こっていることに一貫して反応できること」
です。これが最初のスタート地点です。

このスキルは、身につけるというより、
「生まれながらに持っているスキル」
と言えるでしょう。
あかちゃんは、自分が見たり、聞いたり、感じたりしたことに一貫して反応します。反応することは、これから人とコミュニケー

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