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子どもの言葉の遅れチェック#11:子供の方から関わろうとしてきますか?

お子さんは、あなたに反応して欲しくて、なんらかの働きかけをしますか?
自分からあなたの注目を得ようとして、声を出したり、あなたの体に触れたりして合図を出していますか?
自分の欲求を満たすために、あなたに声やジェスチャーで働きかけますか?

たいていのお子さんは、しゃべり始めるずーっと前から、
「泣く」
と言う手段を使って、あなたからの注目を得る方法を知っています。

そのうち
大声、身振り手振り、表情や指差しなど
を使って、あなたを呼びます。

その後、3ヶ月後くらいの間に、
「ママー」
と言葉を使って呼ぶことができるようになります。

研究によると、自分からコミュニケーションを始めることができ、ジェスチャーで自分の意思を相手に伝えることができるようになった子どもは、だいたい3ヶ月以内に、その物を表す名前や言葉を言えるようになる。

Iverson & Goldin-Meadow, 2005

しゃべることができるようになる前から、適切に「要求」ができるようにする

ABA療育では「子どもが自ら要求できるスキル」を身につけさせることに重点を置いています。まだ声もあまり出さない幼いASD児にも「ジェスチャーで要求する方法」を教えます。これをABAでは「マンド」と言います。

なぜマンドスキルを最優先で教える必要があるの?

言葉をうまく使えず、欲求を適切に要求できない子どもは、攻撃性、癇癪、器物損壊など、問題行動でコミュニケーションをとることが多いからです。

「欲しいもの」や「必要なこと」を適切に要求できない子どもは「今、どのような状態なのか?」「何が必要なのか?」を大人に伝えることができません。
例えば、「お腹が空いた」とか「お腹が痛い」と親に伝えられない子どもは、長い間苦痛を感じ続けなければなりません。その結果、不機嫌になったり、イライラしたり、暴力的になったりすることが多いのです。

親は「なんで怒ってるんだろう?具合が悪いのかな?おもちゃが欲しいのかな?疲れているのかな?お腹が空いているのかな?暑いのかな?」

などをいつも推測し続けなければなりません。

自分の欲求を言葉で伝えられない子どもは、社会的な交流にも苦労する可能性があります。
他の子どもたちは、親のように、察してくれたり、なだめてくれたりすることもありません。

ですから、子どもは悪気はなくても、結果として、問題行動を起こすことがしばしばあります。

例えば、近づいてきた友達を押し倒したり、友達からおもちゃを奪い取ったりすることがあります。

周りからすれば、「あの子は乱暴だ」とか「意地悪だ」と思われてしまうかもしれませんが、本人はただ邪魔だから手で払い除けただけであり、面白そうなおもちゃを見つけたから、それを取っただけなのです。

このような攻撃的な問題行動がすでに表れている場合は、BCBAなど専門家と一緒にトレーニングを実施するのが良いでしょう。
まだ幼くて問題行動が出る前から教えると効果的です。
言って聞かせるだけでは、行動を変えることはできません。日常生活の中で、何度も何度も繰り返し、正しい行動を訓練していく必要があります。


References

Iverson, J. M., & Goldin-Meadow, S. (2005). Gesture paves the way for language development. Psychological Science, 16(5), 367–371. https://doi.org/10.1111/j.0956-7976.2005.01542.x

teachmetotalk. (2020, March 12). Prelinguistic skill #11 initiates interaction with others teachmetotalk.com Laura Mize. YouTube. Retrieved September 8, 2022, from https://www.youtube.com/watch?v=_tU2ss7-eUM&t=257s



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