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*追憶*

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私の過去。ノンフィクション。重たい内容多めです。気をつけてお読みください˚✩*
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寝たきりからの1歩

寝たきりからの1歩

仕事、しなくちゃ

立ち上がらなきゃ

もう寝てばかりの日々はうんざりだ

寝たきりのような生活を送っていた私
考える力もなく、ただ生きてるだけだったけど
だんだん思考がハッキリしてきて
脳内がクリアになった感じ

そこでやっと思えた
このままじゃダメだって

仕事しなくちゃ

週1から働ける場所を見つけて
勢いで電話して面接をした
採用となり社会復帰が決まった

初めての日
緊張しすぎて吐きそう

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親友

親友

ゆっくりと目をとじて、あの頃を思い出す

中学生のとき、すでに親との関係を壊そうとしていた私は家に居場所はなく、小さな社会のつまらない学校にも居場所がなかった

中学2年生のとき、同じクラスの子を介してひとりの女の子と知り合う
その時私の周りにいた子たちは、みんな心に何かを抱えて苦しんだりしている子ばかりだった
そんな中で彼女はとても明るく、辛さを感じさせず、すぐに打ち解け仲良くなった
彼女は私の

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母への想い

母への想い

ある日仕事から帰宅すると

娘と母から『おかえり』と言われた

楽しそうに
嬉しそうに

疲れて帰ってきてるのに
やめてほしいと思いながらも

『どうしたの?なんかあったの?』

母はうちから車で5分ほどのところに住んでいる
こうやって家にいることも珍しくはない

でも今日は2人で嬉しそうにしていて
疲れている私のテンションでは
煩わしいだけだった

『ママ、わからないの?』

本当に不思議そうな

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心失すとき(5)

心失すとき(5)

母の葬儀の準備は着々と進み

みな、非現実的な物事を進めるように
その状況をいまだ理解できていなかった

振り向けば母は横になって寝ている

もう冷たくなって、硬くなって
それでも寝顔は生きていた時と変わらない

いや

少しずつ変化していたんだろう

後頭部に皮膚は下がり
シワはなくなり
血液が流れないため顔色は白く

その事実を認めたくなくて

『変わらないね』

そう言葉にしていた

葬儀の

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心失すとき(4)

心失すとき(4)

実家へ着くと人がいるにも関わらず

冷たい空気の流れる静かな空間となっていた

泣き声も聞こえない
物音もしない

ただ静かな空間

私と娘は2人で普段と変わらないように
何事も無かったかのように話をして
父も妹も妹の子供も食べたくないという買ってきたお弁当を
普段通りに食べた

よく似るものだ

こういう時に明るくしなくてはいけない
暗くしたくない

そう娘も思い
その結果の行動だろう

それを

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心失すとき(3)

心失すとき(3)

警察が来た

病院以外で倒れて亡くなった場合
事件性を疑い、捜査が必要なのだと言う

『ご遺体を預からせてもらえますか』

聞けば捜査をして、母が家に帰れるのは翌日の日中もしくは夕方だという

『今日中に帰してください』

それは難しいと言う警察

そんな時間まで一人ぼっちにさせるのか?
寂しがり屋で、誰かといないと不安になる
一人をとにかく嫌がった母を
そんな時間まで晒されるのを

私は承諾する

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心失すとき(2)

心失すとき(2)

病院に到着して母のいる場所を探す

何度も来ている病院で
何度も救急の出入口を通ったこともあったはずなのに
なぜかたどり着けずにいた

やっと到着するも守衛の人の呑気な対応に
無性に腹が立つ
『急いでもらえますか!』
大声をだした後に、大声を出していたことに気づく

救急のナースステーションに案内され
そこでも待たされる

なにをやってるんだ?
父と妹はいるはずなのに、なぜ私は行けない?
なんで待

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心失すとき(1)

心失すとき(1)

その日はなんの前触れもなくやってきた

仕事中、電話が鳴る
もちろん出られない

2~3回かかってきて諦めたように鳴らなくなった

また仕事に集中する

しばらくして電話がまた鳴った
今度は鳴り止まない

何度もかけ直しているのか、ずっと鳴ってる

『もしもし』

血の気が引くとはまさにこのことだと思った

母が倒れて救急車で運ばれた
すぐに来て欲しい
妹からの電話だった

仕事中であった私は、そ

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共依存〜破滅への道〜

共依存〜破滅への道〜

彼もやはり共依存となれるものを持つ人だ

だからこそ惹かれあって求め合う

彼は私を欲を満たすための存在として
私は彼を必要とされるための存在として

互いの凹みを埋めるための存在として

求め合っていただけなのかもしれない

私は自分の存在価値がわからない

どう考えようとしても「価値」というものが理解できないのだ

私がいなくなって、寂しがってくれる人も悲しんでくれる人も、困る人もいるだろう

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私と、母という人 (4)

私と、母という人 (4)

今になって

彼女がとってきた言動がわかるような気がしてならない

病気である私の症状によるものにとても近いものがあるから

その頃に気づくことはもちろんできなかったが

*
大人になった「私」
病気と診断された「私」

その「私」の隣にいる「母」

気分の波にのみ込まれ苦しむ「私」

誰よりも必死に私がよくなるようにと
動いてくれたのは「母」だった

「鬱病」と診断され服薬するも
全く改善されな

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私と、母という人 (3)

私と、母という人 (3)

私は彼女にとって「言うことを聞かない子」だったらしい

もちろん私にはそのつもりはない

「私」はよく考えてしまう子供だった
それは自分のことでもそうだったし
親に言われたことに対してもそうだった

ゆっくり考えて、理解して、それから返事をしたし行動した

それが彼女には待てなかったのかもしれない

『どうするの!』
『わかった!?』

そう聞かれて、なにか考える前に
『やる!』
『わかった!』

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私と、母という人 (2)

私と、母という人 (2)

*
気分を害してしまうかもしれない内容が含まれます
精神疾患や異常性などに偏見を持たれる方はご遠慮ください

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母はとても不安定な人だった

それはもしかすると

私と同じ病気だったのかもしれない

今さらながら
そんなふうに思えるようになった

彼女との関わりの記憶は少ない

写真を見ると思い出せることもある
それは「思い出せる」という

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私と、母という人 (1)

私と、母という人 (1)

母のことについて書こうと思う

そう思って幼い頃から見てきていたはずの母を思い出そうとして

衝撃的なことに気づいてしまった

私の子供の頃の記憶に、私のほうを向いている母の顔がない
いや、現実には必ずあったはずなのに
それを思い出すことができなかったのだ

私の記憶にある「母の顔」

それはアルバムの中の「母の顔」だった

それに気づいた時、私の胸は締め付けられ、自然と涙がこぼれ落ちていた

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記憶のない結婚(4)

記憶のない結婚(4)

それまで彼が私を思い通りにするためにしてきた方法は

〈私を他者と関わらせない〉
友人と会うのは許可制でよほどのことがなければ許可してもらえなかった
友人だけではなく家族とも極力関わらなくなるように仕向けてきた
家族が私にとって悪い影響を与えてるなどと言ったり、家族のことを否定してきて私にもそう思い込ませた

〈1人で外出させない〉
病気であるから危ないので1人では出かけないようにと指示された

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