無添加パン研究所パパシュ

パン職人歴40年、内23年は無添加パン工房「パパシュ」を経営していました。今は、店舗を…

無添加パン研究所パパシュ

パン職人歴40年、内23年は無添加パン工房「パパシュ」を経営していました。今は、店舗を卒業し、信州へ移住。安心・安全への「食」への探求心から簡単な道具で作る「無添加パン講座」を始めました。https://lit.link/mutenkapan

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記事一覧

街からパン屋さんが消えていく

 全国にはたくさんのパン屋さんがありますが、ほとんどが小規模なパン屋さんだと思います。早朝から夜遅くまで大変なご苦労されているかと思います。  昨今では、円安で…

いつもと違ったパンを焼いて思ったこと

 健康を考えた家族のためのパンレシピ、配合の数字は、頭にしっかり入っています。パン作りに必要な道具も半分無意識状態で目の前に用意でき、いつものパンつくりのスター…

私達に幸せを与えてくれるパンの香り

 私は、家族のため、欠かさずパンを焼いています。そして自分が本当に納得するパンを焼きたいとも考えています。                 私の考えですが、ほと…

自分や家族のために全粒粉入りパンを焼いてみませんか!!

 私は、毎日自分で焼いたパンを食べています。パンは、小麦全粒粉orライ麦全粒粉を使って小麦粉と混ぜて焼いています、要するに小麦粉全粒粉混合パンということになります…

ボウルとヘラで「こねずに簡単無添加パン」出版しました!

To 自分 Kindleで出版しました。 「こねずに簡単 無添加パン」 1/25 17:00〜無料ダウンロードキャンペーン中! リンクは本文最後にあります。 【本の…

やっと実現した自家製小麦のパン、長年の思い!!

 長い間、やりたいと思っていたことがやっと実現できました。昨年秋に小麦の種を蒔き、今年6月に収穫、そして製粉してやっと小麦粉が出来んです。  小麦粉の重さにして…

今、日本の食べ物について思うこと ②

 3月下旬から小麦畑の雑草除去と土寄せの作業を4日間かけてやっと終了させました。雑草除去の農薬などは、使わないようにしているので大変手間のかかる作業です。  私…

家庭でもお店でも、美味しい無添加パンを作ろう「講座」始めました!!

 私は、農学部で食品微生物や発酵を専攻していました。卒業後は、大手製パン会社に入社しました。そこでパンの製造に携わり、現場の状況を見てきました。  この時に、多…

今、日本の食べ物について思うこと ①

 私がまだ中学生だった頃、社会科の授業で「日本の農業就業者数が減少し、高齢化が進んでいる」と学びました。その時の状況は、まだ農業就業者人口に余裕があったのでは…

美しい里山の米作り

透き通った青空と空気、そして清らかな水で育まれる麦畑

北アルプス連山と春を待つブドウ畑

パンのこぼれ話(職人の手を見て)

 先日、農業を営む知人にお会いした時、彼の手を見て年輪の深さと仕事の重みを感じました。‘‘ゴツゴツとした力強い手‘‘本当に印象的な一瞬でした。  私は、(パンを…

パンのこぼれ話(職人の五感)

 世の中には、色んな分野に専門家と言われる人達がいます。一つの分野に秀でている方達と呼んでいいかと思います。  私も専門家と言われる一種の職人かと思いますが・・…

パンのこぼれ話(シュトーレンの記憶)

 パン屋を開店してから23年間、毎年この時期になると、休日を返上してシュトーレンを作っていました。  製造個数が大変多かったので材料を準備するだけで大変でした。…

パンのこぼれ話(パン屋の仕事として)

「パン屋さんは、朝が早いんですね」とよくお客さんに言われていましたが、私は「朝というよりは夜中です」と答えると「エッ・・・そんなに早いんですか!」いつもお客さん…

街からパン屋さんが消えていく

街からパン屋さんが消えていく

 全国にはたくさんのパン屋さんがありますが、ほとんどが小規模なパン屋さんだと思います。早朝から夜遅くまで大変なご苦労されているかと思います。
 昨今では、円安で輸入物価がどんどん上昇しています。材料価格、人件費、電気・水道などの光熱費もどんどん上がっています。

 特に食品業界などは、ほとんどが、薄利多売の業種です。商品価格にプラスすればいいじゃないかとという人がいますが、なかなかそう簡単にはいき

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いつもと違ったパンを焼いて思ったこと

いつもと違ったパンを焼いて思ったこと

 健康を考えた家族のためのパンレシピ、配合の数字は、頭にしっかり入っています。パン作りに必要な道具も半分無意識状態で目の前に用意でき、いつものパンつくりのスタートです。と・・・思ったけれども今日は、いつもと違うパンを焼くことにした。頭に入っていたいつもの数字が消え去り、レシピを見ながらの作業開始!。一つ一つ配合の数字を確かめながら慎重に材料を計量する。ボールで混ぜている生地の状態がいつもと全く違う

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私達に幸せを与えてくれるパンの香り

私達に幸せを与えてくれるパンの香り

 私は、家族のため、欠かさずパンを焼いています。そして自分が本当に納得するパンを焼きたいとも考えています。               
 私の考えですが、ほとんどの方がパンの香りが好きではないですか? 嫌いな方は、少数ではないでしょうか? パンの種類は多々あります。それと同じ数だけそれぞれ個性的な香りのするパンがありす。                          同じ種類の同じ配合のパン

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自分や家族のために全粒粉入りパンを焼いてみませんか!!

自分や家族のために全粒粉入りパンを焼いてみませんか!!

 私は、毎日自分で焼いたパンを食べています。パンは、小麦全粒粉orライ麦全粒粉を使って小麦粉と混ぜて焼いています、要するに小麦粉全粒粉混合パンということになります。全粒粉にこだわっているのは、体の健康面を考えての事からです。

 全粒粉には、多くの栄養素が含まれています。例えば、抗酸化物、ビタミン、食物繊維、カルシウム。鉄分など豊富に含まれているそうです。

 一般的に朝食などで食されているのは、

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ボウルとヘラで「こねずに簡単無添加パン」出版しました!

ボウルとヘラで「こねずに簡単無添加パン」出版しました!

To 自分

Kindleで出版しました。
「こねずに簡単 無添加パン」
1/25 17:00〜無料ダウンロードキャンペーン中!
リンクは本文最後にあります。

【本の概要】

美味しく・楽しく・健康的な暮らしを追求したいあなたへ!

この本は、無添加パンの店を23年間経営した私たちが、家庭でできる「こねないパン作りの手法」に焦点を当て、読者の皆様に、簡単に美味

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やっと実現した自家製小麦のパン、長年の思い!!

やっと実現した自家製小麦のパン、長年の思い!!

 長い間、やりたいと思っていたことがやっと実現できました。昨年秋に小麦の種を蒔き、今年6月に収穫、そして製粉してやっと小麦粉が出来んです。

 小麦粉の重さにして約23KGほど、やっとの思いで完成した小麦粉。これほど大変なこととは・・・。無化学肥料、無農薬、手作業の雑草抜き、収穫した小麦の天日干し数日、そして細かなゴミ取り、体力と気力が無くてはできない作業でした。

 そんな大変な作業で出来上がっ

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今、日本の食べ物について思うこと ②

今、日本の食べ物について思うこと ②

 3月下旬から小麦畑の雑草除去と土寄せの作業を4日間かけてやっと終了させました。雑草除去の農薬などは、使わないようにしているので大変手間のかかる作業です。

 私がお借りしている農地の広さは、本当に狭くてこの畑から、どれだけの数のパンが焼けるのか?・・・ふと考えてしまいました.

 日本の皆さんが毎日食している小麦粉の消費量を考えると、どれだけの「労力」がかかっているのか?・・・と思ってしまいます

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家庭でもお店でも、美味しい無添加パンを作ろう「講座」始めました!!

家庭でもお店でも、美味しい無添加パンを作ろう「講座」始めました!!

 私は、農学部で食品微生物や発酵を専攻していました。卒業後は、大手製パン会社に入社しました。そこでパンの製造に携わり、現場の状況を見てきました。

 この時に、多くの食品添加物を加えて製造していました。実際に手に湿疹ができて治らなかった事もありました。
 そんなこともあり、無添加のパンを作ろうと、「無添加パン店」を開業した訳です。

 しかし、実際は大変でパン屋のパンは、シンプルなパンだけではあり

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今、日本の食べ物について思うこと ①

今、日本の食べ物について思うこと ①

 私がまだ中学生だった頃、社会科の授業で「日本の農業就業者数が減少し、高齢化が進んでいる」と学びました。その時の状況は、まだ農業就業者人口に余裕があったのではないかと思いますが、それから約半世紀が過ぎ、いまだに改善されずにいます。現状では、どんどんと農業就業者数減少と高齢化が進んでいます。私が住んでいる地域でも70歳以上の高齢者ばかりで若い人はごくわずかです。

農業は重要な仕事ですが、自然

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パンのこぼれ話(職人の手を見て)

パンのこぼれ話(職人の手を見て)

 先日、農業を営む知人にお会いした時、彼の手を見て年輪の深さと仕事の重みを感じました。‘‘ゴツゴツとした力強い手‘‘本当に印象的な一瞬でした。

 私は、(パンを作る仕事)第一線から退いて数年になりますが、自分も同じだったなぁ~~と ふとその時のことを思い出しました。

 現役の時は、毎日力仕事の連続で、その時の手の指の関節は円く膨らみ、太く、そして手のひらは分厚く、野球のグローブのようでした。体

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パンのこぼれ話(職人の五感)

パンのこぼれ話(職人の五感)

 世の中には、色んな分野に専門家と言われる人達がいます。一つの分野に秀でている方達と呼んでいいかと思います。

 私も専門家と言われる一種の職人かと思いますが・・・。一つの分野に長年打ち込んでくると知識もそうですが、体感覚で判ることが多くなります。所謂、゛勘゛というものかもしれません。

 ゛勘゛とは、目で見て判り、触って判り、鼻で感じて判り、音を聞いて判り、味わってわかり、など五感を通じて総合的

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パンのこぼれ話(シュトーレンの記憶)

パンのこぼれ話(シュトーレンの記憶)

 パン屋を開店してから23年間、毎年この時期になると、休日を返上してシュトーレンを作っていました。

 製造個数が大変多かったので材料を準備するだけで大変でした。レーズンは、ラム酒に漬けにしていましたが、ラム酒の香りで頭がクラクラになるほどでした。

 シュトーレンに使うバターの使用量も多っかたので、バターが市場で不足していた年は大変苦労しました。

 シュトーレンは、前日に仕込み、翌日に焼き上げ

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パンのこぼれ話(パン屋の仕事として)

パンのこぼれ話(パン屋の仕事として)

「パン屋さんは、朝が早いんですね」とよくお客さんに言われていましたが、私は「朝というよりは夜中です」と答えると「エッ・・・そんなに早いんですか!」いつもお客さんはビックリされていました。

 私は、実際に深夜のAM2時過ぎ起床し、AM3時には仕事を始めていました。

パン屋業の方たちでは「そんな事、常識・・・。」と思っている方も多いかと思いますが・・・。

 私の場合、お店がAM9時開店だったので

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