無添加パン研究所パパシュ

パン職人歴40年、内23年は無添加パン工房「パパシュ」を経営していました。今は、店舗を…

無添加パン研究所パパシュ

パン職人歴40年、内23年は無添加パン工房「パパシュ」を経営していました。今は、店舗を卒業し、信州へ移住。安心・安全への「食」への探求心から簡単な道具で作る「無添加パン講座」を始めました。https://lit.link/mutenkapan

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最近の記事

街からパン屋さんが消えていく

 全国にはたくさんのパン屋さんがありますが、ほとんどが小規模なパン屋さんだと思います。早朝から夜遅くまで大変なご苦労されているかと思います。  昨今では、円安で輸入物価がどんどん上昇しています。材料価格、人件費、電気・水道などの光熱費もどんどん上がっています。  特に食品業界などは、ほとんどが、薄利多売の業種です。商品価格にプラスすればいいじゃないかとという人がいますが、なかなかそう簡単にはいきません。  多少の価格アップは、お客さんも仕方ないなぁ~と思うかもしれませんが、

    • いつもと違ったパンを焼いて思ったこと

       健康を考えた家族のためのパンレシピ、配合の数字は、頭にしっかり入っています。パン作りに必要な道具も半分無意識状態で目の前に用意でき、いつものパンつくりのスタートです。と・・・思ったけれども今日は、いつもと違うパンを焼くことにした。頭に入っていたいつもの数字が消え去り、レシピを見ながらの作業開始!。一つ一つ配合の数字を確かめながら慎重に材料を計量する。ボールで混ぜている生地の状態がいつもと全く違う。生地の状況を確かめながら過去の記憶から最適な生地の状態を導き出す。当然、発酵時

      • 私達に幸せを与えてくれるパンの香り

         私は、家族のため、欠かさずパンを焼いています。そして自分が本当に納得するパンを焼きたいとも考えています。                 私の考えですが、ほとんどの方がパンの香りが好きではないですか? 嫌いな方は、少数ではないでしょうか? パンの種類は多々あります。それと同じ数だけそれぞれ個性的な香りのするパンがありす。                          同じ種類の同じ配合のパンを自分と他の人が作るのと、微妙にパンの出来上がりが違ったりします。それはどうして

        • 自分や家族のために全粒粉入りパンを焼いてみませんか!!

           私は、毎日自分で焼いたパンを食べています。パンは、小麦全粒粉orライ麦全粒粉を使って小麦粉と混ぜて焼いています、要するに小麦粉全粒粉混合パンということになります。全粒粉にこだわっているのは、体の健康面を考えての事からです。  全粒粉には、多くの栄養素が含まれています。例えば、抗酸化物、ビタミン、食物繊維、カルシウム。鉄分など豊富に含まれているそうです。  一般的に朝食などで食されているのは、食品スーパーなどで売られている食パンではないでしょうか? ご飯でいえば白米に当た

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        • パン作りの奥深さ
          6本

        記事

          ボウルとヘラで「こねずに簡単無添加パン」出版しました!

          To 自分 Kindleで出版しました。 「こねずに簡単 無添加パン」 1/25 17:00〜無料ダウンロードキャンペーン中! リンクは本文最後にあります。 【本の概要】 美味しく・楽しく・健康的な暮らしを追求したいあなたへ! この本は、無添加パンの店を23年間経営した私たちが、家庭でできる「こねないパン作りの手法」に焦点を当て、読者の皆様に、簡単に美味しいパンを焼く楽しみを紹介しています。 さらに各章では、パン作りだけでなく、信州

          ボウルとヘラで「こねずに簡単無添加パン」出版しました!

          やっと実現した自家製小麦のパン、長年の思い!!

           長い間、やりたいと思っていたことがやっと実現できました。昨年秋に小麦の種を蒔き、今年6月に収穫、そして製粉してやっと小麦粉が出来んです。  小麦粉の重さにして約23KGほど、やっとの思いで完成した小麦粉。これほど大変なこととは・・・。無化学肥料、無農薬、手作業の雑草抜き、収穫した小麦の天日干し数日、そして細かなゴミ取り、体力と気力が無くてはできない作業でした。  そんな大変な作業で出来上がった小麦粉。これでパンを作るぞっと!   気合が入ります。出来上がった小麦粉は、少

          やっと実現した自家製小麦のパン、長年の思い!!

          今、日本の食べ物について思うこと ②

           3月下旬から小麦畑の雑草除去と土寄せの作業を4日間かけてやっと終了させました。雑草除去の農薬などは、使わないようにしているので大変手間のかかる作業です。  私がお借りしている農地の広さは、本当に狭くてこの畑から、どれだけの数のパンが焼けるのか?・・・ふと考えてしまいました.  日本の皆さんが毎日食している小麦粉の消費量を考えると、どれだけの「労力」がかかっているのか?・・・と思ってしまいます。  小麦の多くが、カナダやオーストラリアや米国から大量に輸入されているのはご

          今、日本の食べ物について思うこと ②

          家庭でもお店でも、美味しい無添加パンを作ろう「講座」始めました!!

           私は、農学部で食品微生物や発酵を専攻していました。卒業後は、大手製パン会社に入社しました。そこでパンの製造に携わり、現場の状況を見てきました。  この時に、多くの食品添加物を加えて製造していました。実際に手に湿疹ができて治らなかった事もありました。  そんなこともあり、無添加のパンを作ろうと、「無添加パン店」を開業した訳です。  しかし、実際は大変でパン屋のパンは、シンプルなパンだけではありません。菓子パンや総菜パンがあり、その中身(具材)に関しても無添加にするには、手

          家庭でもお店でも、美味しい無添加パンを作ろう「講座」始めました!!

          今、日本の食べ物について思うこと ①

           私がまだ中学生だった頃、社会科の授業で「日本の農業就業者数が減少し、高齢化が進んでいる」と学びました。その時の状況は、まだ農業就業者人口に余裕があったのではないかと思いますが、それから約半世紀が過ぎ、いまだに改善されずにいます。現状では、どんどんと農業就業者数減少と高齢化が進んでいます。私が住んでいる地域でも70歳以上の高齢者ばかりで若い人はごくわずかです。 農業は重要な仕事ですが、自然に左右されやすく不安定で、収入は他の業種と比べると少なく、体力的につらい仕事です

          今、日本の食べ物について思うこと ①

          美しい里山の米作り

          美しい里山の米作り

          透き通った青空と空気、そして清らかな水で育まれる麦畑

          透き通った青空と空気、そして清らかな水で育まれる麦畑

          北アルプス連山と春を待つブドウ畑

          北アルプス連山と春を待つブドウ畑

          パンのこぼれ話(職人の手を見て)

           先日、農業を営む知人にお会いした時、彼の手を見て年輪の深さと仕事の重みを感じました。‘‘ゴツゴツとした力強い手‘‘本当に印象的な一瞬でした。  私は、(パンを作る仕事)第一線から退いて数年になりますが、自分も同じだったなぁ~~と ふとその時のことを思い出しました。  現役の時は、毎日力仕事の連続で、その時の手の指の関節は円く膨らみ、太く、そして手のひらは分厚く、野球のグローブのようでした。体は相撲の力士のようになっていました。  家内はいつも、自分の手を‘‘人には見せ

          パンのこぼれ話(職人の手を見て)

          パンのこぼれ話(職人の五感)

           世の中には、色んな分野に専門家と言われる人達がいます。一つの分野に秀でている方達と呼んでいいかと思います。  私も専門家と言われる一種の職人かと思いますが・・・。一つの分野に長年打ち込んでくると知識もそうですが、体感覚で判ることが多くなります。所謂、゛勘゛というものかもしれません。  ゛勘゛とは、目で見て判り、触って判り、鼻で感じて判り、音を聞いて判り、味わってわかり、など五感を通じて総合的にわかるということだと思います。  パン作りの現場でもこの五感を総動員して作っ

          パンのこぼれ話(職人の五感)

          パンのこぼれ話(シュトーレンの記憶)

           パン屋を開店してから23年間、毎年この時期になると、休日を返上してシュトーレンを作っていました。  製造個数が大変多かったので材料を準備するだけで大変でした。レーズンは、ラム酒に漬けにしていましたが、ラム酒の香りで頭がクラクラになるほどでした。  シュトーレンに使うバターの使用量も多っかたので、バターが市場で不足していた年は大変苦労しました。  シュトーレンは、前日に仕込み、翌日に焼き上げていました。成型時は、焼き上がりが規格通りの大きさに焼きあがるようにサイズを計測

          パンのこぼれ話(シュトーレンの記憶)

          パンのこぼれ話(パン屋の仕事として)

          「パン屋さんは、朝が早いんですね」とよくお客さんに言われていましたが、私は「朝というよりは夜中です」と答えると「エッ・・・そんなに早いんですか!」いつもお客さんはビックリされていました。  私は、実際に深夜のAM2時過ぎ起床し、AM3時には仕事を始めていました。 パン屋業の方たちでは「そんな事、常識・・・。」と思っている方も多いかと思いますが・・・。  私の場合、お店がAM9時開店だったので、それに合わせて商品を出さねばならなかったのでその時間帯になっていました。  

          パンのこぼれ話(パン屋の仕事として)