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エッセイ 〜名刺代わりの1110文字〜

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飲食関係の仕事をしながら物書きをしている、覆面作家・ナナシ(仮)のエッセイ。毎回1110文字で綴られる、日々思うこと、疑問や解釈。包み隠さぬ思想と言葉は、時に過激で、時に独特で、…
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記事一覧

第53回・打ち上げ花火、感謝を打ち上げます

第53回・打ち上げ花火、感謝を打ち上げます

ある時、私は周囲から寄せられていた多くの期待を裏切ったことがある。
何をしたのかは具体的には書かないが、時間をかけてゆっくりと、少しずつ少しずつ積み重ねたモノが、片方では一気に露呈し、そして片方では一気に崩壊した。

露呈したのは私が繰り返していた愚行。
崩壊したのは、信用だった。

あの時の、周囲の人間が散っていくスピードは、凄まじいほど早く、まるで大きな音を立てて破裂し、四方八方に散って静かに

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第52回・本能としての嗅覚

第52回・本能としての嗅覚

ということで、前回までは『ガラスビンと信用の話』を書いたが、実は少しずつ話の角度を変えていたのだが、第45回から同じテーマに基づいて書いていた。
そして今回、第52回にて、ある報告をしようと思う。

それは第46回でも、軽く触れたことだが、先日、会社に退職の意思を申し出してきた。

あの時は『辞めると思う』という、おそらくといった表現だったが、それが確定となった。
この記事は、公開よりもだいぶ前に

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第51回・天地無用の処置不要

第51回・天地無用の処置不要

ガラスビンの収集を止めてしまったのは、その内の1本を割ってしまったからだったとは書いたと思うが、壊れてしまったモノは、もう2度と元には戻らない。

接着剤や金継ぎで、破片の断面同士を繋ぎ合わせ、元の姿のようには出来るが、それはシルエットが再現されただけであって、そこには確かに過去には無かった、傷跡が残る。

1度壊れてしまったガラスビンは、再び壊れやすい。
どうしたって、修復した箇所には、負荷がか

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第50回・するが先か、されるが先か

第50回・するが先か、されるが先か

数回に渡り、ビンを『集める』話を書いたので、ちょうど良いから、もうひとつ集める話を。

以前、職場の上司に「信用は大事。可能な限り集めろ。それが人間として自分を大きくさせ、より人生の幸せに繋がる」と言われたことがある。

今まで、多くの職場で、同じような『人生の教訓』的なことを言う人がいた。
こんな大量生産されたような、それっぽい言葉を、かなりのドヤ顔で伝えてくるのだが、誰ひとり尊敬も憧れることも

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第49回・割れ物注意

第49回・割れ物注意

前回、あれほど小さくて透明でロマンの詰まった小ビンの話を書いたのにも関わらず、『実は』といった感じで、今回は始めようと思う。

実は、小ビンの収集だが、集め始めて1年ほどで止めてしまっていた。
なので、大人になった今は、小ビンは集めていない。

もし、あのまま収集を続けていたら、きっととんでもない数になっていただろうし、もしかすると小ビン収集評論家として、世界中の小ビン収集家からリーダーと呼ばれて

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第48回・メッセージ イン ア ボトル

第48回・メッセージ イン ア ボトル

人生で初めて、自分で何かを選んで集めたモノは、コルクの蓋が付いた透明なビンだった。
キッカケは、確か父親が、出張のお土産で買ってきたキーホルダーに付いていた、小さなビン。中には砂のようなモノが入っていた。

コルクの頭の天辺のところに、丸い輪っかが付いたネジが刺さっていて、その輪っかからは短い紐が伸びており、そのキーホルダーのメインのパーツとなる部分に、オマケのように繋がっていた。
ただ私は、なぜ

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第47回・イロトリドリノ世界を束ねましょう

第47回・イロトリドリノ世界を束ねましょう

私には、小さい頃から収集癖がある。

日本のバブル経済絶頂期、欲しいモノが簡単に手に入った時代の中で育った、私や同世代の人間に刷り込まれてしまった、一種の現代病とも言っても良いのかもしれないが、だからと言って、その時代の日本に生きた全ての人間が、そうではないと、始めにハッキリと書いておこう。

それを言い訳のように書いたところで、今度は私が色々と勘違いと誤解を刷り込んでしまう結果にもなりかねない。

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第46回・勝手に進路発酵

第46回・勝手に進路発酵

キャンピングカーの話。
アパレル時代の話。
そして現在の自分の話。

それらを前回は書いたが、今回も、それら全部の話の続きを書く。

だから、前回を読んでないのであれば、まずは前回を読んでおいた方が、より良いとは思う。
より良いとは思うが、そこは好きにやってくれて構わない。

なぜなら、あなたは、あなただから。
私だって好き勝手に書いているのだから、あなただって好き勝手にすれば良いと思う。

服を

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第45回・何かお探しですか?

第45回・何かお探しですか?

今日、キャンピングカーを見に行ってきた。
すぐに買う予定があるわけでは無いが、正直買えなくもない。
その代わりに、我が家の財はほぼほぼブッ飛ぶ。

間違って、ノリで買ってしまった後には、それに乗って、どこかへ出かけ、思い出を沢山作ることは無いだろう。
『キャンピングカーをギリなのに買った』という事実が思い出のピークとなり、それが唯一の思い出となるはずだ。
20年ほど経たなければ笑い話にも出来ない。

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第44回・花火が消えたあと

第44回・花火が消えたあと

幼稚園の頃、お泊まり会があった。
読んで字の如く、幼稚園にみんなでお泊まりしましょうというイベントだ。

後日、先生は「この間のお泊まり会の思い出を、絵に描いてみましょう」と言ったので、私たち園児は、それぞれの思い出を画用紙にクレヨンで描いた。

周りの子たちは、かき氷を食べている絵を描いたり、花火をしている絵を描いていたりしていたが、その中に、1枚だけ画用紙全面が黒のクレヨンで塗り潰された絵があ

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第43回・ふわりふわり

第43回・ふわりふわり

最近、夫婦で散歩をすることが多くなった。

木に留まる野鳥を見上げたり、川を泳ぐ魚の影に指を差したり。
季節の花が咲いていたら足を止め、ただ一言「キレイだね」と言葉を交わし、名前も分からない木の実が生っていたら、実は小さい頃にその実を隠れて食べていたのだと、笑い合ったり。

子供の頃は、家から100mも離れれば冒険だった。
それが、成長するにつれ、自転車に乗れるようになり、車の運転免許も取り、電車

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第42回・汚い話

第42回・汚い話

今回は、汚い話だから、ちょっとキツイ。
お食事中、またはこれからという方は、控えた方が良いかもしれない。

これを読むベストなタイミングは、作者としては『寝る前』がベストだと、そう考えている。
寝落ちするくらいがちょうど良い。

翌日になって、「あれ?」と忘れてしまうくらいなんか最高だ。
何しろ後味の悪い話だろうから、頭に入った直後に寝てしまえば、自然とリセットされて、気分よく目覚めることが出来る

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第41回・助け合いの精神でよろしく

第41回・助け合いの精神でよろしく

これだけ繰り返して、何本か書いてみると、自分でもなんとなく気付くことがある。
その感覚が気になって、改めて気持ちをリセットした上で、最初から読み直してみたが、やはり間違いではなさそうだ。

正直言って、文章だけで読んだら、つまらない。

発想や着目点は、面白いところもあるが、その表現の方法にユーモアが欠ける。
大部分のところは、思ったままに書いていたので、言葉選びも雑な感じがするし、特に比喩表現と

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第40回・地図でもコンパスでも知れない道

第40回・地図でもコンパスでも知れない道

休みの日に、なんとなくの思いつきで、夫婦で自宅の近所を走る公共バスに乗ってみた。

普段、仕事の日は原付で移動することがメインで、休日はひたすら歩いて散歩をしながら移動している。
自宅は、電車の駅からもすぐ近く。
今まで乗る理由も必要も無かったバス。
だから、乗ってみたくなったのだ。

予め乗る前にルールを決めた。
①乗車は、それなりに沢山の方向に向かうバスが集う、駅前のロータリーから
②どこ行き

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