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わたしの本棚

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3度の飯より本を読みたい、本はわたしをどこまでも連れて行ってくれる魔法。わたしの本棚のきろくです
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記事一覧

シングルガールでありたい27歳

シングルガールでありたい27歳

永遠に、シングルガールでありたい、そう願っています。シングルガールとは、世の中的に定義があるのかどうかは分かりません。が、最近読んだ山内マリコさんの本で出てきた言葉で、なんだかいいな、と思ったのです。

シングルガール、つまり独身でいたい、というわけではなくて。そもそも結婚しておりますし。(このnoteを書いている横で、PCをのぞきこんだ夫が「え?」とタイトルに驚いてました。笑 )

わたしは、妻

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3月の読書 | すべての生を肯定する

3月の読書 | すべての生を肯定する

読書記録マガジンもなんと1年が経ちました〜〜(ぱちぱち)
毎月「○月の読書」というタイトルで書いてきたので、ぐるっと1年が回ったため、タイトルが被ってしまうので、どうしようか迷っています。ひとまず今回は、いつも通りのパターンで記事を書いています。

3月はいつもと方向をちょっと変えて、お勉強本も読んでいました。仕事に必要な知識をあらためてもう少し学びたいなぁと思い、何冊かの本を。

星野リゾートの

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2月の読書 | 本という娯楽へ逃げ続ける

2月の読書 | 本という娯楽へ逃げ続ける

下書きしたままでいつの間にか3月も終わりかけ。最近はいろいろと考えることが多い。そんな日々には小説を読みます。違う世界へ連れて行ってくれるから、最高の気分転換になる。2月はたっぷり時間をかけて、単行本全601ページの川上未映子さんの長編を読みました📚

黄色い家/川上未映子

歪んだ生活。善と悪の狭間で幼い彼女たちに何を判断することができたのだろう。いや、あれは悪だったのだろうか。さまざまな問い

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1月の読書 | 「今」で繋がることの大切さ

1月の読書 | 「今」で繋がることの大切さ

断片的なものの社会学/岸政彦

「誰にも隠されていないが、誰の目にも触れない」読み始めてすぐにやってきたこのワードにハっと心が動いた。あぁこれはわたしが日々の中で大事にしていることのひとつ。この景色も、この気持ちも、この匂いも、色も、肌触りも、今、わたしや一緒に味わったひとだけの秘密なのだと感じるとき、贅沢な時間が流れる。誰にも自慢しなくても、知られなくても、生きてるって感じる。ときに「私を見て」

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12月の読書 | 本を読めなかった日々も

12月の読書 | 本を読めなかった日々も

何だ疲れが取れない日が続いたのと、ちょっと心の中の小さな石ころが引っかかることがあって、なかなか本が読めなかった。何を読んでも頭に全然入ってこなかったのです。

小説が大好きなあの子がいつか「最近、本が読めないんだよね。」とこぼしたSOSを受け取れなかったことに今更の後悔が押し寄せてきます。

12月はその代わりにラジオ、ドラマ、映画、音楽のコンテンツにたくさん触れた。目を閉じても聞こえてくる音、

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11月の読書 | 自由と夢を永遠に守る

11月の読書 | 自由と夢を永遠に守る

東欧旅行に出かけ帰ってきてドタバタの毎日。読書記録更新が滞っていたのですがやっと今週末時間が取れたので、ゆったり振り返ります📚

ヨーロッパのお供に選んだのはこの2冊。千早茜さんのガーデンと、原田マハさんの<あの絵>のまえで。千早茜さんの本は初めてでした。先日会社の先輩が勧めてくれて2冊ほど購入。「2冊のうち『ガーデン』を先に読むといいと思う。」とアドバイスをもらったのでドイツに行くちょっと前に

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10月の読書 | 人はなぜ移動するのか

10月の読書 | 人はなぜ移動するのか

本を読んでいない時間も、続きが気になって仕方ない、そんな気持ちに久しぶりになる本に出会った。旅を愛する人には、旅に興味がない人にも、是非是非、是非とも読んでいただきたい1冊を、一番最初に今日は紹介したいと思います。

ひとつでも心に響く言葉があったなら、手に取ってみてください。うずうずして、いますぐ放浪したくなってしまうかも知れませんが。

旅の効能-人はなぜ移動するのか/ペール・アンデション

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ぼんやりと考えていた信じることについて

ぼんやりと考えていた信じることについて

あんまりこういうこと書きたくないなーって思う内容になるかもしれないけど書きます。頭の中をぐるぐるしていることを。

わたしの実家のお風呂の湯の温度は45度でした。それがとんでもなく恐ろしく高かったことを知ったのはつい最近のこと。あつーい湯が好きなじじ(祖父)の影響だったのではないかと思っている。いや、お風呂にいつも一番にはいるのはばば(祖母)だったから、ばばのせいかな。そして誰も文句を言わず、お風

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小さな声をかき消さない、社会からも、自分の心からも

小さな声をかき消さない、社会からも、自分の心からも

これはコロナ禍、家から出られず、今までにはない悲しいニュースをたくさんたくさん見届けるなかで考えたこと。わたしたちは悲しみや、喜びの感情を他人と比べてはいけない。それは自分を守るために大切なことだということ。

辛いことがあると、もっと辛い人がいるはずだ、と思ったり、恵まれてきた出来事を並べて、今の状況を埋もれさせようとしてきた。そうすることで、自分を安心させてきた。こんなのへっちゃら、って。ブレ

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9月の読書 | 私が持っているのは「今」という時間だけなんだから。

9月の読書 | 私が持っているのは「今」という時間だけなんだから。

やっと、朝晩には涼しさを感じられるようになった。ここ最近は気づいたら寒くなってしまうし、気づいたら暑くなっているし、季節の変わり目を見逃さないように必死である。目の前にある変化だけを、今だけを心から愛している。愛している、を続けること。そうやってずっと、人生を守っていくのだと、思う日々です。あぁ、秋ってなんて気持ちがいいんだろう。

下北沢について/吉本ばなな

引っ越しの多い人生だった。そしてき

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8月の読書 | それはつまり世界を愛したいということ

8月の読書 | それはつまり世界を愛したいということ

コロナぶりにうーんと高い熱が出たり、忙しかったりして、ちょっとだけ自分のペースがくずれてしまった8月。夏はもうその暑さを楽しめないくらいの猛烈な暑さで、わたしの大好きな夏はもう戻ってこないのかもしれないと思って落胆した。いつだったか、みいじじとみいばば(祖父と祖母)と浴衣を着て、土手を歩いたあの日のような夕暮れどきをもう一度、味わいたい。わたしはずっと夏を愛したいです。

スマホを置いて旅したら/

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7月の読書 | 大きな幸せより深い幸せ!

7月の読書 | 大きな幸せより深い幸せ!


7月に結婚記念日があった。おめでとう私たち㊗️
記念日は大事にしたい。節目に何かやろうよ、ということで。わたしたちは毎年、本を贈り合うことにした。読んで欲しい本、読みたそうな本、似合いそうな本。わたしは夫に谷川俊太郎さんの『幸せについて』という本を、夫はわたしに『世界で最後の話-絵のついた寓話』という絵本を。ふたりで読もうと『フィリックスウェヴァーアフター』というトランスジェンダーのお話を。

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わたしはわたしで最高だ

わたしはわたしで最高だ

父が弱々しい姿をしていることをたった一度だけ見たことがある。父の癌の検査結果を聞きに行ったとき。癌だということはもう明らかで、その日は癌の進行具合、つまりステージのレベルが分かる日だった。父と母と弟と4人で聞きに行った。狭い診察室にぎゅうぎゅうで、家族総出で来るなんて、と医師は少し驚いた様子で、でもわたしたちは至って緊張していた。

結果は想像していたよりも軽くて、でもやっぱり良くない結果だった。

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6月の読書 | 何を沁るか

6月の読書 | 何を沁るか

6月はお金の使い方とか、消費の仕方とか、食べるものとか、そういうことについてよく考える1か月だった。本当に生活に必要なものはなにか、きっと、生きている間に見つけたい。

種をあやす/岩﨑政利

長崎・雲仙で長年にわたり、種採りに情熱を注いできた岩﨑さんの「農家であることの喜び」と「野菜と種がもたらす人生の醍醐味」について綴られた1冊。いわゆる「在来種」と呼ばれる野菜たちの姿について、わたしはどれく

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