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エッセイ

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記事一覧

”普遍志向”の西洋、”物語志向”の中国

”普遍志向”の西洋、”物語志向”の中国

中国と西洋の考えが相容れないのは、その思考の底板が何か?ということに由来するのではないか。

中国の場合、孔子や四書五経など中国哲学と言われるものがほどんど物語である。つまり、人や世界の存在をベースにその中で筋立てされた物語である。

物語の良さは、「理解しやすい」ということに尽きる。

一方で、悪いところは、多数の人々に間で共通了解を作りづらいというのがある。(なぜその物語が正しいの?と言われた

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実存勝負とコスパ糞野郎

実存勝負とコスパ糞野郎

社会学者の宮台真司さんが、昔の朝ナマは「実存勝負」で見る価値あったが、今の朝ナマは「いかに賢くみられるかの勝負」になっていて一秒も見る気がしない、と言っていた。

グローバル資本主義が浸透した現代、

如何に賢そくみえるかに生きているかの争いになっている。

いかに少ない労力で、大きな成果を得るか、で評価される。

そして、その「成果」とは往々にして売上や利益である。より個人の生について言えば、年

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「好きなことで、生きていく」のではなく「嫌いなことで死なない」 #年収90万円で東京ハッピーライフ

「好きなことで、生きていく」のではなく「嫌いなことで死なない」 #年収90万円で東京ハッピーライフ

大原扁理さんの『年収90万円で東京ハッピーライフ』を読んだ。

この本、自分がここ数年読んだ中で一番おもしろかったかもしれない。

森永卓郎さんの『年収300万円時代を生き抜く経済学』(2005年)が話題になってから早くも16年が経つ。

そして、2012年には、イケハヤが『年収150万円で僕らは自由に生きていく』を出版。

そして2016年に、本書、「年収90万」とどんどん年収が下がってきている

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仕事における「構想」と「実行」の統一 #人新世の「資本論」

仕事における「構想」と「実行」の統一 #人新世の「資本論」

斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』 からの引用。

**引用開始

アメリカのマルクス主義者ハリー・ブレイヴァマンの言葉を借りれば、社会全体が資本に包摂された結果、「構想」と「実行」の統一が解体されてしまったのである。

どういうことか、簡単に説明しておこう。本来、人間の労働においては、「構想」と「実行」が統一されている。例えば、職人は頭のなかで椅子を作ろうと構想し、それをノミやカンナを使って実

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日本人がまだチャイニーズドリーム🇨🇳を夢見れる10領域 #中国梦

日本人がまだチャイニーズドリーム🇨🇳を夢見れる10領域 #中国梦

日本人が個人で中国でがっつり稼げる可能性がまだあるとすれば以下の領域ではないだろうか。お金がすべてではないけど。

1.和食料理人(寿司職人など)日本で実績のある料理人が上海や北京の高級料理店で活躍できれば、かなりの高待遇で雇ってもらえるはず。または、自分で店を開いてもいいだろう。

2.国技系専門家(空手、合気道、柔術、忍術)上述の和食と似ているが、日本人だということ自体が価値や正当性を生む領域

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声は人間性を暴露する〜Clubhouseで荒らしが出にくい理由〜

声は人間性を暴露する〜Clubhouseで荒らしが出にくい理由〜

Clubhouseは、不特定多数が音声で会話できるサービスだが、荒らしがほとんどいないように見える。

これは、音声のリアルタイムベースのコミュニケーションだから、人間性が全てさらけ出されるからだと思う。

ある人に手を出してしまいそうなほどめちゃくちゃ怒っていたとしても、実際にその人を前にすると、自然と冷静になったりする経験を誰でもお持ちではないか?

また、なにかきつい一言を言おうとしても、や

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Clubhouseが享受するコンテンツとして破壊的な3つの理由〜映画、Youtube、読書と比較

Clubhouseが享受するコンテンツとして破壊的な3つの理由〜映画、Youtube、読書と比較

Clubhouseはソーシャルの繋がりを加速させ、深くさせる可能性があるが、それとは別に、映画やゲームなどと並ぶ1つのコンテンツとしての側面を考えてみたい。

実際、Clubhouseのコンテンツは破壊的に面白い。

私が映画、You Tube、読書などと比較して、Clubhouseのコンテンツが面白いと思う理由は以下3点。

1.予定調和なし

全てリアルタイムなので、台本もなく、誰が参加してく

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あなたの生のゲーム設計はどうなっているか

あなたの生のゲーム設計はどうなっているか

テレビゲームやスマホゲームなどのいわゆるゲームが、物足りなさがあるものの面白い。その理由は、そのルールが明確だからだ。

ゴールがラスボスを倒すことで、そこまでの道筋が単純すぎないが、一定程度見渡せているから、経験値をためて前進していく。どんなゲームも基本はこういう構図だ。

人生を楽しんでいる人の多くは人生をゲーム化している。ゲームにおける報酬や経験値を貯める方法をリアルの世界で一定の明確な形で

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中国人はあきらめが早い?

中国人はあきらめが早い?

昨日、クラブハウスで中国出身の方が面白い話をしていた。

中国人は幼少期から人脈や政府との関係がないと成功できないことを親から言われたり、また、実体験として経験する、という。
それゆえ、人生の早い段階で、一定の大きな夢を諦めて現実的な選択をする。

これは私の周りの中国人の行動をみていても納得。みんな現実的な人が多い。

ただ、これは悪いことではない。

大きな夢といっても程度問題だ。一定の限界レ

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今こそ必要な「何でも見てやろう」の精神

今こそ必要な「何でも見てやろう」の精神

今、アメリカには地球平面説を唱える団体があるようだ。

平面説とは、天動説よりも前段階でお盆に水を張ったような世界観。縁までいくと滝になって奈落の底に落ちるというようなイメージ。

平面説支持者からすれば、月面着陸は砂漠で撮影されたSF映画だ。

でも、こういう人たちにあなたはどのように反論できるだろうか?

飛行機が飛んでいるじゃないか、衛生やGPSが機能しているじゃないか、などそれらしいことは

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経験と需要〜Clubhouseで快楽を得るための2つの条件〜

経験と需要〜Clubhouseで快楽を得るための2つの条件〜

人は話を聞いてもらっているときに、食欲や性欲を満たしているときと同等の快楽を得る、とメンタリストダイゴさんが論文を引用していっていた。

関心を持ってもらえること、自分の能力や存在を承認してもらうこと、こういうことが人の主観にとって絶大にポジティブな影響をもたらすことはみんな知っているだろう。

Clubhouseというアプリが一部の人の内で流行っているが、その理由はプラットフォーム、聴衆、話し手

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内心にひそむ確信を語れば、それは普遍に通ずる by エマソン

内心にひそむ確信を語れば、それは普遍に通ずる by エマソン

これはアメリカの哲学者エマソンが『自己信頼』というエッセイで述べたものである。

私は今後の世の中でこの考え方が重要になってくると思う。

もう、顕在化された課題という視点では、どんどんビジネスや団体が立ち上がりその解決を図る。

今は世界中の誰もが主役になれる時代だ。

その心は?というと、

誰もが自分の抱えている課題を深く考察し、それを社会に共有することで、主役になれる、

ということ。

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Clubhouseのビッグデータは何に役立つか〜シンボルデータとクオリアデータ〜

Clubhouseのビッグデータは何に役立つか〜シンボルデータとクオリアデータ〜

Google、facebook、Twitter、InstagramなどのSNSは我々の個人情報を貯めて、あらゆる人間の人間モデルを作ろうとしている。つまり、地球上の各個人について彼らを深く理解し、その言動をシュミレーションしようとしている。

なぜ、そんなことをするか?

それは、そのモデルを利用して各人の言動を操作しようとしているからだ。ビジネス利用でいえば、広告がメインとなる。行動原理がわかっ

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材料はありふれているが「筋立て」は創造性を発揮できる

材料はありふれているが「筋立て」は創造性を発揮できる

以前、私はこのブログで、ビジネスで創造性のあることは限られているという話をした。
なぜならビジネスとは、誰かに使われる商品やサービスを作る必要があり、また、提供すrには人材を集めなくてはならないが、そのどちらにも一定の共感をしてもらなわければいけないからだ。共感されるということは、あまりにぶっとんでいてはいけない。当たり前すぎても、ぶっとぎすぎてもいけない、ちょうどいい適度な創造性を発揮しなければ

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