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かったぱしから読書生活

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大学卒業以来、ずっと出版業界。本が好きで、ずっとこの世界で暮らしている。読書はフィクション派。ファンタジー好きなれど、時代物、ミステリー、純文学、何でも来いで、ひたすら濫読。読書… もっと読む
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記事一覧

鍋倉夫「路傍のフジイ②」

鍋倉夫「路傍のフジイ②」

鍋倉夫「路傍のフジイ②」(小学館)。同作品第9話〜第17話。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/gp/product/
 スターになった俳優の同級生。将来に迷っていた彼の背中を押したのは、意外にも藤井だった。台風の日に、翌日のフリマの準備。しかし暴風雨で壊れた看板を徹夜で修理。自ら労を厭わない藤井に、チームの心は一つになる。アイデア💡が湧かずに煩悶する喫茶店の

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本屋大賞受賞の宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」

本屋大賞受賞の宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」

宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)。ご存知2024年本屋大賞を受賞した本。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/成瀬は天下を取りにいく-宮島未奈-ebook/dp/B0BTCW4JK5/
 読んでいて、ついついプッと吹き出して笑ってしまう。小説界に一風変わった新たなヒロインが誕生だ。主人公である成瀬あかりの突飛な発想。西武大津店の再興、寿命200歳、M-

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鈴木敏夫+押井守「されどわれらが日々」

鈴木敏夫+押井守「されどわれらが日々」

鈴木敏夫+押井守「されどわれらが日々」(DU-BOOKS)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0CWKLLBBX/
 スタジオジブリに言いたい放題の押井守監督。それをヌラリクラリと交わしながら、対談をまとめ上げる鈴木敏夫プロデューサー。本当に昵懇の間柄だからこそ、できるコミュニケーション。長いつきあいだからこその、楽しいハチャメチャ対談

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「『イコール』Live 筆者と話そうトークライブ」

「『イコール』Live 筆者と話そうトークライブ」

「『イコール』Live 筆者と話そうトークライブ」に顔を出した。5月に刊行予定の『イコール』創刊1号に、SNS投稿した文章を載せてもらうことになった。橘川編集長に敬意を表するために出席した。会場は外苑前「SHARE LOUNGE」。コワーキングスペースだが、書棚の選書のハイレベルさに感心。実態としてはauが運営しているそうである。

 第一部は講演というか企画説明。橘川編集長が、ロッキンオン創刊時

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今さらながら改めて、杉江由次『「本の雑誌」炎の営業日誌』(無明舎出版)を読んでみた

今さらながら改めて、杉江由次『「本の雑誌」炎の営業日誌』(無明舎出版)を読んでみた

今さらながら改めて、杉江由次『「本の雑誌」炎の営業日誌』(無明舎出版)を読んでみた。無明舎出版は秋田県の出版社で、その選択も素敵。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4895444880/
 35歳の働き盛りな一人営業マンによる5年間の業務日誌。書店から書店を足で回り、多くの書店員さんたちと心を通じる積み重ね。『よくここまでできるな』と、改めて感嘆することしき

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富士山マガジンサービス「季刊エス」「SS」キャンペーン

富士山マガジンサービス「季刊エス」「SS」キャンペーン

富士山マガジンサービスの「季刊エス」「SS」キャンペーンが開始。
https://www.fujisan.co.jp/pub/5426/
2誌共通で、紙版を月額払いで申し込むと、3号分半額になるキャンペーン。期間は5/31まで。

徳間書店そして復刊ドットコムを含めてCCCグループでは、お世話になりました

徳間書店そして復刊ドットコムを含めてCCCグループでは、お世話になりました

 昨日を以って、Cパブリッシングサービスの仕事が契約満了。齢65歳の春で、徳間書店の仕事はリタイア。復刊ドットコムの社長を辞して以来、6年間目黒でお世話になった。
 1年目は編集部で本を2冊出した(河崎実監督「バカ映画一直線!」、蔵臼金助「マカロニウェスタン殺戮と銃撃のバラード」)。実は編集は手伝ったことはあっても、自分で手がけたことは初めてだった。休日出勤も多く、いかに編集という仕事が大変か、身

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「養豚界」2024年4月カレンダーは、紅い天使「ハイランド農場」の神崎風香さんと、安心して抱っこの子豚🐷くん

「養豚界」2024年4月カレンダーは、紅い天使「ハイランド農場」の神崎風香さんと、安心して抱っこの子豚🐷くん

雑誌「養豚界」2024年4月の登場は、紅い天使=太平洋ブリーディング「ハイランド農場」の神崎風香さん。安心して抱っこされる子豚🐷くん。4月号の特集は「トラブル回避のための臭気対策」。

「地球の歩き方」その再生と躍進

「地球の歩き方」その再生と躍進

東京都立大学同窓会「八雲クラブ」が主催する隔月勉強会「八雲サロン」。講師は東京都立大学OBが原則。3月の講師は(株)地球の歩き方の新井邦弘社長。八雲クラブ委員からの熱烈ラブコールで、業界人の私から交渉してみたらアッサリ承諾してくれた。

 「地球の歩き方」は、ダイヤモンドピック社から学研グループに2020年12月に事業譲渡された。社長に任命されたのは、ムー、歴史群像などの雑誌編集畑を経て、グローバ

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佐藤正久『図解 令和自衛隊大全 「隊」格大改造 「防衛力抜本的強化」の深層』

佐藤正久『図解 令和自衛隊大全 「隊」格大改造 「防衛力抜本的強化」の深層』

佐藤正久『図解 令和自衛隊大全 「隊」格大改造 「防衛力抜本的強化」の深層』。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CW1HR56Q/
 東日本大震災、能登半島地震などの救援で、すっかり国民から頼りにされている自衛隊。しかしその存在は常に「日陰者」で、憲法でその存在を保証すらされていない。一方で世界はウクライナ🇺🇦、ガザ地区🇮🇱で戦火が続き、台湾

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吉村萬壱『みんなのお墓』

吉村萬壱『みんなのお墓』

芥川賞作家である吉村萬壱氏の書き下ろし新作『みんなのお墓』(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CYT8KC6N/
 世にも奇妙な物語。ごくごく平凡な街K市にある共同墓地。奇声嬌声が漏れる精神科「ナジャ病院」の直ぐそば。しかしそこにある内藤家の墓石。多くの人がなぜか吸い寄せられてゆく。
 その子孫である内藤暁と美佐子夫婦は、もはや終わった関

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永松茂久「心に響く言葉」

永松茂久「心に響く言葉」

永松茂久「心に響く言葉」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CY5CBQ1R/
冒頭に人には3つの出会いがあると言う。1つは「人との出会い」。2つ目は「場所との出会い」。そして3つ目が「言葉との出会い」。この本は9つの章に分かれており、全部で171の言葉を伝えている。人生は言葉で作られる。人生は運次第。だけども前に進むも、退くのも、あなた

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草凪優「人妻アイドル」(徳間文庫)

草凪優「人妻アイドル」(徳間文庫)

草凪優「人妻アイドル」(徳間文庫)。官能小説なので、不愉快な人は読まないように。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CW1N5Z9G/
 上野の場末のスナック「ルーザー」。その名の通り、年金暮らしや失業保険で酒に溺れる負け犬たちが集まる場所。家なし職なしの35歳の元教師・沢野由紀夫はスナックのママ・智美のセックスペットとしての飼い犬だった。だからお店の

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イラスト雑誌「季刊エス」2024年4月号の特集は漫画家「なもり」

イラスト雑誌「季刊エス」2024年4月号の特集は漫画家「なもり」

イラスト雑誌「季刊エス」2024年4月号が発売。表紙描き下ろし&巻頭特集は漫画家の「なもり」。『大室家』の三姉妹が登場! インタビューとイラストメイキングも掲載。「ゆるゆり」などの漫画作品あり。公式Xは何と45万人強。人気漫画『スキップとローファー』高松美咲、『ぼっち・ざ・ろっく!』はまじあき、『正反対な君と僕』阿賀沢紅茶への取材記事も掲載する。12名の作家に聞いたお気に入りアルバム紹介コーナーも

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