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夕遊の映画座

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2022年12月の記事一覧

ワインが飲みたくなるドキュメンタリー映画『チーム・ジンバブエのソムリエたち』オーストラリア、2021年。

ワインが飲みたくなるドキュメンタリー映画『チーム・ジンバブエのソムリエたち』オーストラリア、2021年。

毎年、今年の映画ベストテンをつくった後に、いい映画をみてしまう法則が発動されます。まさか、年末も押し迫った今日、夫に映画に誘われるとは思いませんでした。やっぱり、仕事でも家庭でも最後まで気が抜けないということでしょうか。

もとい。名前だけでおもしろそうな映画『チーム・ジンバブエのソムリエたち』。ポスターといい、タイトルといい、ボブスレーで冬季オリンピックに出たジャマイカチームの『クール・ランニン

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突然あらわれた弟と姉の物語。映画『シスター 夏のわかれ道』

突然あらわれた弟と姉の物語。映画『シスター 夏のわかれ道』

中国の一人っ子政策。やるべきときにやらなくて、やらなくてもいい時期になかなか止めることができなかった制度。先見の明があった馬寅初の進言を否定した毛沢東の負の遺産の一つは言い過ぎかもしれませんが、中国という男系の血を重視しすぎる社会の負の伝統の一つであることは確実です。

この一人っ子政策と、中国に根強い子供の売買や誘拐を素材に、誰も悪くないのに世の中の不合理に苦しめられる夫婦や母親の物語を描いた名

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カンバーバッチと猫という最高の組み合わせ。映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』イギリス、2021年

カンバーバッチと猫という最高の組み合わせ。映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』イギリス、2021年

タイトルと主演を聞いたときから、ほぼ大体の内容がわかってしまう映画は、見に行く場合と行かない場合があります。『ルイス・ウェイン』はもちろん前者。ポスター見ただけで、絶対家族で見に行くと決めていました。

映画のストーリーは、19世紀末から20世紀初のイギリス。日本でいうと明治時代。動物のイラストレーターとして、新聞や雑誌で重宝されていたルイス・ウェインは、性格的には奇天烈で、社交性や常識に乏しいも

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カラフルなアオザイがとってもかわいい。映画『サイゴン・クチュール』ベトナム、2017年

カラフルなアオザイがとってもかわいい。映画『サイゴン・クチュール』ベトナム、2017年

最初の舞台は、1969年のベトナム。ミス・サイゴンのニュイは、洋服が大好きで、自宅が9代続く老舗アオザイ店なことを嫌っています。ファッションリーダーを自認するニュイはわがままいっぱい。ベトナム伝統のアオザイを古臭いとバカにして、母親に反抗し、お店の従業員に傲慢な態度をとるお嬢様のニュイ。すぐにでも自分の洋服店を持ちたいと思っています。

ところが、ある日、母親がつくってくれた伝統的な不死鳥(フェニ

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バラひとすじの女性が得た宝物。映画『ローズメーカー 奇跡のバラ』フランス、2020年。

バラひとすじの女性が得た宝物。映画『ローズメーカー 奇跡のバラ』フランス、2020年。

舞台はフランスのとあるバラ園。父とともにバラ園を経営し、たくさんの新種を生み出して賞や特許をとってきた女性エヴが主人公。でも、父なきあと、大企業に押されて経営がうまく行かず、倒産寸前。新種改良やコンテスト参加の費用もままならない状態。

バラの大企業から買収を持ちかけられるけれど、エヴは父の残したバラ園売ることだけは絶対に避けたい。なんとか、新種をつくって挽回したいエブ。でも人手も資金もない。そん

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モダンダンスの先駆者といわれる女性。映画『ザ・ダンサー』フランス・ベルギー、2016年

モダンダンスの先駆者といわれる女性。映画『ザ・ダンサー』フランス・ベルギー、2016年

19世紀末のヨーロッパで大人気だったダンサー、ロイ・フラーの伝記映画。原作は、ジョヴァンニ・リスタのイタリア語の小説『Loïe Fuller : Danseuse de la Belle époque』とか。だから、正確な伝記映画ではなく、ロイの男性関係や劇団の事情など、かなりエンタメ要素を加えているようです。

有吉京子『SWAN 白鳥』や『ニジンスキー寓話』、槇村さとる『ダンシング・ゼネレーシ

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