カトリック教会隣、ロイヤルホテル跡地に新規開業のヒルトン。冷やかしに勇んだ足は、文字通り勇み足。”未だ未完とは…ざーんねんっ”ーーな目線が捉えたのは、教会売店の貼り紙ーー〖修道院のお菓子〗。併売していた酒屋が閉店、もう食えぬかと嘆いていたが。未完ヒルトンのお導きで、また食えるっ!
「キャプテンも辛いね」 「ダッチマン号の乗組員はみな、迷える子羊」 それぞれの無念を晴らすまで、大海原を彷徨う定め。 「ところで。ここへ来る途中、人魚の歌声が聞こえたけど」 舵輪を握る操舵手エリックを、シスターが見る。 「故郷のシチリアに残してきた恋人そっくりなんだ」
バルセナから海沿いに北上、カルカスへ進むピサロ軍。 そこへ現れる、幽霊船フライング・ダッチマン号。 「エリック、間合いを保ちつつ注意を引いて」 「イエス、マム!」 「神のご加護を」 悲壮と決然。海賊少女マリスが胸に秘める想い。 「ピサロはボクたちが止めるよ。撃ち方始め!」