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「書くことを本業に!」が人生の目標です。 3児を育てるアラフォー主婦。 Webライター…

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「書くことを本業に!」が人生の目標です。 3児を育てるアラフォー主婦。 Webライター&オンライン事務ワーカー。 2024年 Webライターラボ 入会。 日々感じたことを備忘録として綴っています。 Xアカウント→https://twitter.com/tmnet2022

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#19 大沢たかおと消えたホステス

「お疲れ~~!ねえ、今日は何のパン食べる?」 出勤前、いつも私にパンを与えてくれる女性がいた。 彼女の名は、飯島 ラン(いいじまらん)。 「AV女優みたいな名前だ…

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#18 映画「Dr.Bala」を観て

切れ味の悪いメスが、私の頬を鈍く開いていく。 麻酔は効かない。 激痛と混乱に耐える。 オペ後は顔の中心に大きく傷跡が残る。 その傷跡は生涯かけて心まで侵食する。 …

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#17 「RH5」(涙腺崩壊5秒前)

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#16 転職宝くじ

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#14 ルックス重視の代償

「ねえ、店長って馬鹿なの?」 それまで温厚だと思っていた男性上司に言われた言葉だ。それは冗談めいた口調ではなく、マジなトーンだった。 当時私は24歳で、赤文字系ア…

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#13 真面目に真っ直ぐに

どこで読んだか忘れたが、私を失恋のどん底から救ってくれた本があった。 その頃に読むとしたら、フラワーコミックスの漫画か、双葉社発刊の小説だ。 題名は思い出せない。…

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1か月前
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#12 嘘のない世界

2024年3月5日。場所は鹿児島の天文館図書館。 この日に私は、文字を通してしか触れられなかった人物と、現実に会えた。 「そのまんま、だ」 私が毎日読んでいる文章を編…

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2か月前
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#11 愛さえあれば?

「愛だけじゃ、ご飯は食べられない」 数年前の話だ。 カナダ人と国際結婚をした私のいとこが、結婚生活7年目に離婚した。 いとこが私の母にその件を報告をしにきたとき、…

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2か月前
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#10 おしゃべり遺伝子

我が子は3人とも、よく、しゃべる。 言葉というものを覚えてから、彼・彼女らは「声を発すること」にまつわる全ての活動が好きらしい。 保育園の先生からは「お歌をうた…

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2か月前
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#9 母性の発掘

3人産んで気付いた。わたしは子供が苦手だ。 おそらく年子3人のワンオペ育児が相当、堪えたのだろう。 死なせないように世話をする『命の現場監督の期間』が長すぎた。…

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2か月前
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#8 おイモ店長 その②

「憧れのファッションブランドのMDになってやる!」 自分が物心ついて初めて掲げた将来の夢・・・いや当時は「なれる」と思っていたので『夢』ではなく、『目標』だった…

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2か月前
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#7 おイモ店長 その①

『JJ』『ViVi』『BLAENDA』『AneCan』・・・ 浜崎あゆみ世代の私は『お姉ギャル』という、華々しい生き物に憧れて、学生時代はこんな雑誌を読みまくっていた。 そんな私…

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2か月前
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#6 A型、兄無し、姉有り、そして長男。

『A型、兄無し、姉有り、そして長男』 これは、過去、私が好きになった男性全員に共通する点である。 「共通する点である」なんて言い切られても、だーれも興味ないのは承…

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2か月前
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#5 怪獣のことば

「ママって、へんだよね」 今年9歳になる娘に言われた。 「え?顔が?失礼だねぇ、あなた」 「いやいや、ちがうって。ってか、そうゆうところだよ」 このやりとりの数分…

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2か月前
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#4 必殺・記憶落とし

77歳になる母が、ある日突然、物忘れがひどくなった。 いや、物忘れレベルではない。 私と交わした会話も、数時間前に起こった出来事も、すっぽりと記憶から抜け堕ちて…

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2か月前
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#19  大沢たかおと消えたホステス

#19 大沢たかおと消えたホステス

「お疲れ~~!ねえ、今日は何のパン食べる?」

出勤前、いつも私にパンを与えてくれる女性がいた。

彼女の名は、飯島 ラン(いいじまらん)。
「AV女優みたいな名前だな」と酔っぱらった常連客によく言われていた。もちろん源氏名だ。

私は大学3年生の時、家庭の事情により中洲のスナックで週に4日ほどアルバイトをしていた。
大学が終わると急いで西鉄バスに乗りこみ、50分ほど揺られて西中洲のバス停で降りる

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#18 映画「Dr.Bala」を観て

#18 映画「Dr.Bala」を観て

切れ味の悪いメスが、私の頬を鈍く開いていく。
麻酔は効かない。
激痛と混乱に耐える。

オペ後は顔の中心に大きく傷跡が残る。
その傷跡は生涯かけて心まで侵食する。

映画「Dr.Bala」を視聴したあと、私は目を閉じた。
発展途上の医療の現場でオペを受ける患者さんの気持ちを想像をしたのだ。
想像しただけで辛く苦しい。ただただ、苦しい。



「Dr.Bala(ドクター・バラ)」は2023年4月2

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#17  「RH5」(涙腺崩壊5秒前)

#17 「RH5」(涙腺崩壊5秒前)

5・4・3・2・1・・・

いかん、また崩壊した。

涙が、いや鼻水も、そして嗚咽も止まらない。



3人目を産んでから、私の涙腺はおかしくなった。
特定の歌を聴くと、思いっ切り号泣してしまう。

今まで、本や漫画やドラマや映画で泣いたことはあっても、歌ではそんなに泣かないタイプだったのに。

今、私が聴いて思いっきり泣いてしまうのは「脳にくる歌」である。

「そもそも脳にくる歌って何だ?」

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#16 転職宝くじ

#16 転職宝くじ

「ああ、だめだ。消化できーん・・・よし今月も宝くじ買お。」

私は仕事でモヤっともしくはイラっとすると、宝くじを買う習慣がある。
宝くじといっても本物の宝くじではない。

『転職宝くじ』である。

転職宝くじとは何ぞや?と思った方、これは買うことを心からおすすめします(ジャパネットたかた社長風)。

上記の流れが、転職宝くじの買い方だ。

今月で40歳という年齢にもかかわらず、未経験可にチェックを

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#15 がらんどうライター

#15 がらんどうライター

「あなたなんか、空っぽのがらんどうよ!」

映画『八日目の蝉』に出てくるセリフだ。

作中では子供が産めなくなった夫の愛人に対して妻が吐く言葉なのだが、私は自身にこの言葉をよく投げかけている。

「ライターとしての肩書がない」

私の空っぽにあたる部分はコレだ。

2年前に稼げるブロガーになりたいと意気込んで、ノートパソコンをメルカリで15,000円で購入。しかし3ヶ月ほどでアフェリエイトブログは

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#14  ルックス重視の代償

#14 ルックス重視の代償

「ねえ、店長って馬鹿なの?」

それまで温厚だと思っていた男性上司に言われた言葉だ。それは冗談めいた口調ではなく、マジなトーンだった。
当時私は24歳で、赤文字系アパレルブランドの店長に就任し、売り上げもなかなか好調。正直「私ってできる人間じゃーん」なんて、ちょっと浮かれていたときだった。

上司の逆鱗に触れたのは、私のアルバイト採用の結果についてだった。
私の店の売上が好調だったので、本部から1

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#13  真面目に真っ直ぐに

#13 真面目に真っ直ぐに

どこで読んだか忘れたが、私を失恋のどん底から救ってくれた本があった。
その頃に読むとしたら、フラワーコミックスの漫画か、双葉社発刊の小説だ。
題名は思い出せない。しかし私はたしかにあの時、本に救われた。



私の「人生終わったレベルの失恋」は21歳。
世間の『どん底失恋平均年齢』なんて聞いたこと無いが、まあまあ遅いほうな気がする。

当時付き合っていた男性に突然「他に気になる人ができた」と言わ

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#12  嘘のない世界

#12 嘘のない世界

2024年3月5日。場所は鹿児島の天文館図書館。

この日に私は、文字を通してしか触れられなかった人物と、現実に会えた。

「そのまんま、だ」

私が毎日読んでいる文章を編む人は、本の中のそのまんまの人物だった。

その人物とは「佐藤友美さん」こと「さとゆみ」さん。

さとゆみさんを一言で表現するなら『ものすごい経歴をもっていらっしゃる、素敵なライター』・・・(好きな人を紹介する時って、こんなにも

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#11  愛さえあれば?

#11 愛さえあれば?

「愛だけじゃ、ご飯は食べられない」

数年前の話だ。
カナダ人と国際結婚をした私のいとこが、結婚生活7年目に離婚した。

いとこが私の母にその件を報告をしにきたとき、冒頭の言葉をため息混じりに吐いた。

離婚理由は、金銭感覚の違い。

聞くと、カナダ人の元夫は大学で研究員として仕事をしていたそう。
元夫が勤めていた大学は、固定給ではなく、学会に発表して功績を上げた人しか報酬がもらえない制度だった。

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#10 おしゃべり遺伝子

#10 おしゃべり遺伝子

我が子は3人とも、よく、しゃべる。

言葉というものを覚えてから、彼・彼女らは「声を発すること」にまつわる全ての活動が好きらしい。

保育園の先生からは「お歌をうたったり、発表をしたりするのが、とっても上手なんですよ」と3人ともよく褒められていた。

「我が子自慢か?」

そう思った方、少し考えてほしい。

3人ともよくしゃべる、のだ。

一つ屋根の下に集合すると、どうなるでしょう?

正解は、『

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#9 母性の発掘

#9 母性の発掘

3人産んで気付いた。わたしは子供が苦手だ。

おそらく年子3人のワンオペ育児が相当、堪えたのだろう。
死なせないように世話をする『命の現場監督の期間』が長すぎた。心身ともに疲れ果てた経験からくるものだと予想する。

0・2・3歳だった3匹の怪獣たちと過ごした日々が、子どもへの苦手意識を高めたのか。いや、そもそも苦手だったのかも。そこは謎だけど。

現在、小学生になった子どもたちは、だいぶ手がかから

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#8 おイモ店長 その②

#8 おイモ店長 その②

「憧れのファッションブランドのMDになってやる!」

自分が物心ついて初めて掲げた将来の夢・・・いや当時は「なれる」と思っていたので『夢』ではなく、『目標』だった。

そしてそれは、アルバイトとして初出勤した、わずか数分でバツを付けられた。いや、正確には「バツを付けられたように感じた」が正しい。

モデル並みのルックスの持ち主であるK店長からダイエットを指南された私は、この日から1日のうち8時間以

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#7 おイモ店長 その①

#7 おイモ店長 その①

『JJ』『ViVi』『BLAENDA』『AneCan』・・・

浜崎あゆみ世代の私は『お姉ギャル』という、華々しい生き物に憧れて、学生時代はこんな雑誌を読みまくっていた。

そんな私が『軽々しい』1つの決断をする。

「洋服に関わる仕事がしたい!」

しかし、当時の私は、ゴリゴリのギャルには程遠い、田舎くさい『イモ娘』

1980年代生まれの女性が95%が知っている「カリスマ店員」には、ほど遠い容

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#6 A型、兄無し、姉有り、そして長男。

#6 A型、兄無し、姉有り、そして長男。

『A型、兄無し、姉有り、そして長男』

これは、過去、私が好きになった男性全員に共通する点である。
「共通する点である」なんて言い切られても、だーれも興味ないのは承知のうえ。

しかし恥ずかしながら、上記に夫も当てはまるのはホントの話。(やーだ恥ずかしい)

怖がらずに結論から申し上げる。
「好きなものの共通点を探すのが楽しい」という、オチのない話をしたい。

私には、男女を問わず、尊敬する人・大

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#5 怪獣のことば

#5 怪獣のことば

「ママって、へんだよね」
今年9歳になる娘に言われた。

「え?顔が?失礼だねぇ、あなた」
「いやいや、ちがうって。ってか、そうゆうところだよ」

このやりとりの数分前、娘とこんな会話をした。
「今日さ、社会科見学で機動隊の仕事を見に行ったんよ」
「ふーん、良かったね!で、どうだった?機動隊にイケメンおった?」

この私の質問に対して、娘は冒頭のように「へん」と言ったのだ。

「ママ、ふつうさ、そ

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#4 必殺・記憶落とし

#4 必殺・記憶落とし

77歳になる母が、ある日突然、物忘れがひどくなった。
いや、物忘れレベルではない。

私と交わした会話も、数時間前に起こった出来事も、すっぽりと記憶から抜け堕ちてしまうようになったのだ。

うーん、どうしたものか。

高校生の時、私は父方の祖父母と同居していた。
二人とも亡くなる10年ほど前からアルツハイマー型認知症。
なので私は、認知症に耐性があるはずだった。

しかし母の忘れ方は、あの頃の祖父

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