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読書のお部屋

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本の世界から始まる物語
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#今こんな気分

モモ

モモ

その夜、ウサギは慌ただしく家に帰ると、まっすぐ小さな本棚へと向かい、迷うことなく一冊の本を引き抜いた。
「もう、物語の続きを知りたくてたまらないの…」まるで一瞬たりとも無駄にしたくないかのように、その場に腰をおろし、栞が挟まれたページをそっと開いた。

物語の中ではちょうど今、小さなモモが灰色の男たちに追われ、カメのカシオペイアと逃避行の真っ最中。「逃げて…!」とウサギは小さく叫び、気づけばすっか

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はてしない物語

はてしない物語

その日、カメは図書館の閲覧席で、いつも通り穏やかに本のページをめくっていた。ふと、視線を上げると、ウサギが肩を落とし、足取り重く歩いてくるのが見えた。

「今日はいろいろあったの。もう、異世界にでも飛び込みたい気分よ」彼女は小さくため息をつき、隣の席にドサッと座り込んだ。

カメはページをめくる手を止め、一冊の本を取り出した。それをそっとウサギの前に滑らせながら、「異世界に行くのもいいかもね」と、

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しろいうさぎ と くろいうさぎ

しろいうさぎ と くろいうさぎ

穏やかな秋の午後、ウサギはお気に入りのティーカップとバターサンドをそっと窓辺のテーブルに並べた。アールグレイを注ぐと、優しい香りがふわりと部屋中に広がった。

彼女は部屋の隅の小さな本棚に歩み寄り、そっと一冊の絵本を引き出した。それは、大切な人からもらったもので、忘れようとしても忘れられない、特別な本だった。

窓辺に戻り、過去の思い出をそっと胸の奥にしまいながら、そっと最初のページをめくると、仲

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ぼく モグラ キツネ 馬

ぼく モグラ キツネ 馬

秋の澄んだ空気の中、ウサギとカメは広い草原に座り、ぼんやりと空を見上げていた。どこまでも広がる青い空には、白くふんわりとした雲が、遠く高く、静かに浮かんでいた。

ウサギは、読み終えたばかりの本を胸に抱き、思いにふけっていた。物語の中の「ぼく」が、旅の途中でモグラたちと出会い、少しずつ成長していく姿が、彼女の心に小さな灯りをともしていた。

「私、ハッとしたの。『成功するってどういうことかな?』っ

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きみの行く道

きみの行く道

ほのかに秋の気配が漂う公園のベンチで、ウサギは静かに空を見上げていた。雲がゆっくりと気まぐれに流れ、その自由な動きが、彼女の瞳にそっと映り込んでいた。

「私、この先どうなっちゃうんだろう」
季節の変わり目が彼女の心にそっと忍び寄り、普段よりも繊細な感情を静かに揺さぶっていた。彼女は手元の絵本に視線を落とすと、ため息をつくように静かにページをめくり始めた。

「おめでとう。今日という日は、きみのた

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おすしが ふくを かいにきた

おすしが ふくを かいにきた

夕陽が差し込む窓際の閲覧席でカメが静かに物語を読んでいると、笑顔のウサギが息を弾ませてやってきた。

「やっと借りられたわ!」
ウサギが胸に抱えていたのは、「おすしが ふくを かいにきた」という絵本だった。彼女はカメの横にちょこんと座ると、そっとページをめくり始めた。

「このお話、『おすし』さんが服を選びにお店にいくのよね。『思い切ってトロにしようかな』って言ってたと思ったら、『やっぱりいつもの

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ぼくを探しに

ぼくを探しに

薄い雲が広がり、気持ちが少ししっとりしている昼下がり、ウサギは本棚から一冊の絵本を取り出した。久しぶりに手にした感触に微笑みながら、表紙を細い指でなぞりつつ、ゆっくりとページをめくり始めた。

絵本といっても、それは、白いページに黒い線で「まる」が描かれているだけのシンプルなものだった。

しかし、よく見ると、その「まる」には目があり、体には隙間が空いている。「まる」である「ぼく」は、その隙間を埋

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100かいだてのいえ

100かいだてのいえ

図書館の一角で、ウサギはじっと大きな絵本を見つめていた。それは特に目を引く、縦が116センチもある長い一冊だった。

「この『100かいだてのいえ』、大きなサイズで読むと迫力がすごいの」彼女は両手に力を込めて、その本を持ち上げた。

そのとき、カメが偶然近くを通りかかった。 「その100かいだての世界に行ってみない?」カメは微笑みながら彼女に声をかけた。

ウサギが頷くと、二人は図書館を後にして駅

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おしゃべりな たまごやき

おしゃべりな たまごやき

暑さにうなされて早く目が覚めた朝、ウサギはぼんやりと天井を見つめた。
「こんなに暑いと眠るのも一苦労ね。朝ごはんにはまだ早いし、何か読もうかしら」シャワーを浴びて少しだけ涼しさを取り戻すと、一冊の本に手を伸ばした。

彼女が選んだのは、「おしゃべりなたまごやき」という絵本だった。
「王様って、最高指導者のことよね。一国を束ねる人。でも、この王様、ちょっと変わっているのよね」と、ウサギは静かにページ

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おうさまがかえってくる100びょうまえ!

おうさまがかえってくる100びょうまえ!

夏の夕暮れ時、ウサギはベランダで風鈴の音を聞きながら、心の中でつぶやいた。
「この暑さを少しでも忘れられるような、心が躍るような本が読みたいわ」

彼女は部屋に戻ると、冷蔵庫から取り出したアールグレイをグラスに注ぎ、小さな氷をひとつ、そっと浮かべた。

窓際の椅子に腰を落ち着けると、一冊の本を引き寄せた。ウサギが選んだのは「おうさまがかえってくる100びょうまえ!」という絵本だった。

「王様って

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ちいさいおうち

ちいさいおうち

夕立が降り始めた午後、窓を叩く雨音を聞きながら、ウサギの心は幼い頃の思い出へと誘われていた。野山を駆け回ることが何よりも好きだった彼女は、いつの間にかお洒落な街に憧れるようになっていた。

思いにふけりながら、彼女は部屋の隅にある小さな本棚から一冊の本を取り出した。それは、子どもの頃からずっとお気に入りの絵本だった。

物語の中で、ちいさいおうちは静かな田園地帯の小高い丘の上に建ち、四季の移ろいを

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かとりせんこう

かとりせんこう

暑い季節がやってきた。ウサギは部屋の隅に置かれた箱を引っ張り出すと、浮世絵の団扇を取り出しそっと眺めた。
「これで少しは涼しくなるかしら」

彼女は箱の底に埋もれていた蚊遣豚に気づいた。ふと手に取って眺めていると、彼女の視線は小さな本棚に向かった。

細い指先が本の背表紙を一冊ずつ優しくなぞり、ある一冊の本に止まった。そっとその本を取り出し、窓辺の椅子に静かに腰を下ろすと、ゆっくりとページをめくり

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オオカミのごちそう

オオカミのごちそう

ラジオ局の仕事を終え帰宅したウサギは、ソファーに身を投げ出し、深く息を吐いた。
お腹は空いていたけれど、取っておきのクッキーは、あとで食べることにした。

彼女はゆっくりと立ち上がると、小さな本棚の前に立った。じっと背表紙を眺めてから、一冊の絵本を手に取った。それは、「オオカミのごちそう」という絵本だった。

物語の中で、オオカミはコブタと出会った。コブタの愛らしい姿がオオカミの心に深く刻まれ、そ

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おさらを あらわなかった おじさん

おさらを あらわなかった おじさん

雨がしとしとと降り続いていた。ウサギは窓辺に腰を掛け、雨音にそっと耳を傾ける。灰色の雲は、降り続く雨にもかかわらず、一向に薄れる気配がない。彼女はぼんやりと外の景色を見つめながら、心の奥に潜む感情を静かに抱きしめていた。

彼女はふと何かを思い出したように、本棚に手を伸ばし、一冊の本を取り出した。「雨の日に読むのはこの本ね」その本の表紙には、目を閉じて椅子に座ったおじさんの姿が描かれていた。

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