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映画の話552 GOEMON
全く新しい世界観の石川五右衛門像がとても新鮮でした。建物も豪華壮麗で、着ているものもきらびやかで、スピード感もあって、観ていて美しいアクションばかりでした。
従来の時代劇のジャンルには収まらない一大スペクタクル映画だと思います。映画館で観たい作品でした。
映画の話551 ブルーアワーにぶっ飛ばす
都会でがんばっているうちに、知らないうちにたくさんの虚飾や見栄や嘘にまみれてしまうのは誰のせいでもないと思いました。だからこそこの作品はせつないと思いました。
この映画で描かれる実家のある田舎は、都会的な自己啓発や諭しのようなものは微塵もなく、どちらかと言うと下品で、知的でもなく、がさつで、若者もおらず、遊ぶところもなく、きらきらからはほど遠い世界ですが、本当に自分を見つめる機会というのはそう
映画の話550 日本のいちばん長い日
終戦直前の、陸海軍の対立と、戦争をやめることができない構造がよくわかりました。戦線の様相とはかけ離れた机上の戦争が、より多くの犠牲を強いたのだと思いました。
槍や鎌を「兵器」と呼ぶところまで追い詰められながらなお続行しようとする狂気は、現場を見知らないことに根本がある気がしました。痛みを知らない大義は愚行でしかないことが語られていると思います。
映画の話549 ゴジラ-1.0
ただの怪獣映画ではなく、戦争による絶望からの復興の物語と、当時の世界情勢とをうまく絡めて描いていました。「シンゴジラ」同様、ここまでバリエーションに富んだシリーズもないと思います。ストーリーが重厚で、迫力もあって一度にたくさんの映画を観た気分になりました。
人間の力で制御できないゴジラが銀座で示した圧倒的な力は、やはり核の力のメタファだと思わずにはいられませんでした。
映画の話548 エージェント:ライアン
スパイ映画としても、アクションとしてもとても面白かったです。主人公のライアンがさまざまな思いを抱えながら活躍する姿には共感しました。また、優秀な人材をCIAがスカウトするのも、実際にあるのかもしれないと思いました。
007シリーズとも、ミッションインポッシブルシリーズとも全く違ったスパイ映画に思えるのは、ライアンのキャラによるものだと思いました。そして、やっぱりケビン•コスナーの存在感は半端な
映画の話547 プレデターズ
それぞれの個性を持った人間たちが獲物となってプレデターから逃げながら戦う図式は、「プレデター」そのままですが、全く飽きませんでした。それは、たぶん狩猟がベースになった世界観だからだろうと思います。
また、プレデターにも種族があったり、バリエーションがあって、その辺りも楽しませてもらいました。
映画の話546 黄龍の村
冒頭はスマホの縦撮りの画角で、若者たちの自撮りの雰囲気がよく出ていて、リアルさを感じました。ストーリーが急展開していって、まさかの真相が明らかになっていくのはすごいと思いました。
また、信じられないようなことが一気に起きて展開するのは新鮮に感じました。ホラーなので、過激なシーンもあり、少しきついところもありましたが、一般的にはない展開がおもしろかったです。
映画の話545 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
新しいタッチの中にも、レトロ感と時代の空気感はとても良いと思いました。映像がきれいで、鬼太郎の感じがしないのではと思っていましたが、そんなことは全くありませんでした。
犬神家の一族のような古い家の因習と我欲に駆られた人たちの生々しい姿とか戦争体験、目玉親父の前史も描かれていて、かつてのおどろおどろしい鬼太郎を観ていた世代にとってもおもしろかったです。
映画の話544 ロスト・フライト
とてもおもしろかったです。機長が常に乗客の安全を考え、決断し、行動する姿はとても感動的で、また、考えさせられました。アクションとしてもおもしろく、テロリストの支配地域のジャングルのど真ん中で希望を捨てずに状況と戦う姿は良かったです。
迫力もあって、ハラハラもさせられ、痛快でもあり、エンターテインメントとしての映画として最高でした。
映画の話543 マトリックス
やっぱりとても面白いです。パソコンはレトロなのに世界観は今でも未来であり続けていて、インターネットの広大な世界と現実世界とを自由に往還しているところが最高です。ストーリーも謎めいていて、アクション映画としても面白いです。
夢が現実で、現実が夢で、といったシーンは荘子の「胡蝶の夢」を思い出しました。
映画の話542 メッセージ
現代の物理学的な解釈もできそうなストーリーだと思いました。もし未来を知ることができたら、それは絶望なのかもしれないと思いました。
未知のものに対する恐れと不安は、人を攻撃的にしますが、それを乗り越えるためにこそ知性があるのだと思いました。そして、絶望や悲しみがあるとわかっていたとしてもあなお、希望を見出す姿勢が大切だと思いました。
とても良い映画だと思います。
映画の話541 ミッション:インポッシブル/フォールアウト
相変わらず安定のド派手なアクションと、ギミック感バリバリのさまざまな装置や武器など、最初から最後まで楽しめました。
ストーリーもCIAやMI6なども絡んで、単純でないところがおもしろかったです。 どんでん返しに次ぐどんでん返しで、エンターテインメント性も抜群だと思いました。
映画の話539 鈴木さん
少子高齢社会と、排除と、同調圧力といった全体主義的な社会が、いかにもありそうな感じで描かれています。また、過疎化が進む共同体のリアルさも出ている感じがしました。
一見、荒唐無稽なディストピアの世界を描いているように見えながら、現実の社会に潜んでいる、いくつもの不安な要因に基づいていることに気づいた時、ゾッとしました。