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工場の使命 エリヤフ・ゴールドラット著 「ザ・ゴール」
私はメーカーで働いている。入社後10年近く国内の工場で勤務し、その後8年ほど本社でバックオフィスの仕事をしてから、この度海外の製造拠点で仕事をしている。海外拠点への異動早々に、社長との面談があり、趣味を問われた際に読書だと回答したところ、海外では日本の本はなかなか入手できないし、暇を見て読んでみろよと手渡されたのが本書。私は以前中小企業診断士試験をパスした(おそらくこの海外赴任中に免許は取れずに失
もっとみる自分の根っこ 中原基喜著「グローバル・ジャパニーズ」
ボーダレスな世の中と呼ばれて久しいこのご時世。自分のことを地球人だと称する人もいる。しかし、海外赴任を歴任してきた著者、中原氏はグローバル・ジャパニーズを自称する。この考えに私も深く共感する。私は世界で戦う日本人でありたい。本書は日本人が日本人として世界で戦うためのヒントを示してくれる。
多くの場合、3〜5年程度に渡る海外赴任。人生の決して短くない時間を使うからには、有意義なものにしたい。その最
日本人である前に 糸木公廣著 「日本人が海外で最高の仕事をする方法」
7月から人生初の海外赴任が決まった。それなりのポスト、処遇が用意されるようだ。いつかは来ると覚悟していたものの、実際に話が来ると何をどうすればよいか想像できず、不安が尽きない。そこでまずは先達の教えに頼ろうと手に取ったのが本書。作者の糸木氏はソニーでの勤務中に、20年にわたって9カ国の勤務を歴任した、いわば海外赴任のプロである。
本書を読む前は、現地の社員とどうコミュニケーションを取ろう、言葉を
マネジメントビギナー冷や汗 高松 智史著「『コンサルがマネージャー時代』に学ぶコト」
私を含め、多くの新任管理職はマネジメントの方法に悩んでいることだろう。ただ必死に目の前の課題をこなせばよかったプレイヤーと、チームとして最大の成果を生むための”テコ”にならなければならない管理職では求められる力がまるで異なる。そんな悩みの中で、私は多くのマネジメント本を読んできた。本書は”コンサルのマネジメント実務”という切り口で書かれている点が特色。書かれていることはとても納得感があるが、自分が
もっとみる熱狂の背景 清水大吾著「資本主義の中心で資本主義を変える」
みなさんはゴールドマン・サックスという企業についてどんな印象をお持ちだろうか。超エリートで高年収、生き馬の目を抜く、超激務など、いわゆる「資本主義の権化」的なイメージをお持ちかもしれない。それは正しい面もあるのかもしれないが、私は仕事の中で、それなりの数の現・旧ゴールドマン・サックスの方とお会いすることがあった。その印象としては、当たり前ながら、彼らも血の通った人間だった。中でも、本書の著者である
もっとみる座右の書 アンドリュー・S・グローブ著「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」
皆さんには、座右の書と呼べる本はあるだろうか。私にもいくつか候補になりそうな本があるが、当面はマネジメント手法に悩んでいる40手前で巡り合った本書、『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』を座右の書としようと思っている。
本書はタイトルの通り、よりアウトプットを高めるためのマネージメント手法を世界に冠たる半導体メーカーであるIntelの中興の祖、グローブ氏が書き下ろした渾身の一冊である。
飽食の国、日本の課題は飢餓の克服 徳成 旨亮著「CFO思考」
我が国の生活水準は高い。どこに行っても清潔で、物価も安い。ワンコインでもそれなりの質の食事ができる。多くの人が政治や社会に愚痴をこぼすけれど、心の底では日本が好きだ(と私は信じている)。
しかし、今は多くの人が将来不安を抱えていることは否定できない。国が多額の借金を背負い、少子高齢化が進み、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だった時代から、一人当たりGDPをはじめとする多くの指標で上位から転落しつ
試行錯誤中のマネージャー必読 櫻田 毅著『管理職1年目の教科書 外資系マネジャーが絶対にやらない36のルール』
多くの新米マネジャーが「自分なりのマネジメントスタイル」の確立に悩んでいることだろう。私もその一人。この世の全てのことに個々人の向き不向きはあり、生まれつきのカリスマは存在する。スティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏、最近だと大谷翔平選手。こんな人たちは、放っておいても人がついてくるように見えるし、自分はこうはなれないなと諦念をも持つ。確かに数万人を束ねるような組織のトップになるには、カリスマ性が必要
もっとみる大企業の憂鬱 クレイトン・クリステンセン著 「イノベーションのジレンマ」
本書は経営学の本としてはかなり有名である。タイトルを聞いたことがある方も多いだろう。その反面、内容を知っている人は少ないのではないか。私もそうだった。しかし、私が勤めていた会社の当時の社長が座右の書として本書を挙げており、試しに読んでみることにした。
アメリカの製造業に日本企業が、日本企業に韓国企業が、韓国企業に中国企業が、キャッチアップするといういつか来た道を繰り返している。なぜ世界に冠た
ゲームチェンジの時代 加藤守和著「『日本版ジョブ型』時代のキャリア戦略 38歳までに身につけたい働き方のかたち」
今年も会社で年間目標を立てる時期が来た。そのアナウンスとともに上司からオススメされたのが本書。典型的な日本企業であった
弊社も世間の流れに沿って、終身雇用・年功序列型の旧来の人事体系から、成果主義色の濃いジョブ型の人事体系へ変化しようとしている。そうした中で、上司としてはジョブ型とはなんぞや?を伝えるためにオススメしたのだろうが、あと半年足らずで39歳になる私にとっては胸に刺さるタイトルであり、読
中小企業診断士試験 合格体験記 〜会計知識を持つ社会人の場合〜④(総括)
6.総括・この試験は2次の筆記試験が掴みどころなく、経営理論のエキスパートならば超短期で受かるというような簡単なものでもないように思う。しかし、事例Ⅳだけは財務・会計のエキスパートならば過去問を解いて、試験に慣れることで、高得点が見込める。また、事例Ⅰ~Ⅲはそれなりに知識は必要だが、1次試験ほど細かい知識は必要ではなく、それよりもわかりやすい日本語を書く能力が問われる。そのため、普段から文書を作成
もっとみる中小企業診断士試験 合格体験記 〜会計知識を持つ社会人の場合〜③(2次試験)
(2)2次試験
※“”内は略称。正式名称は本タイトル①参照
①勉強開始前にやったこと
・自己採点の結果、ぎりぎり合格点だったので、慌てて2次試験の情報収集を始めた。
・”一発道場”を見て、過去問を解いて”ふぞろい”で自己採点するのがベーシックな学習方法であること、細かい知識は1次試験ほど問われないこと、丁寧にPDCAを回しながら過去問を解くことが重要であること、中小企業診断士試験ならではの解答
中小企業診断士試験 合格体験記 〜会計知識を持つ社会人の場合〜②(1次試験)
5.各科目の具体的な学習方法と学習時間、結果と感想(1)1次試験
※“”内は略称。正式名称は本タイトル①参照
①科目別の勉強開始前
・中小企業診断士試験の全体像把握:”非常識”通読
・一次試験で必要となる知識の全体像把握:”はじめの一歩”を通読(1時間)
・計画立案:1次試験の範囲の広さから、一発合格は難しいと考え、2年計画での合格を計画。受験科目の6科目のうち、財務・会計は素養があるため勉強