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#ロック
箱庭の正しさについて/9.21 UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2024『20th BEST MACHINE』@福岡サンパレス
ユニゾン結成20周年を記念する、7月リリースのベストアルバムを引っ提げたツアーの福岡公演に行った。事前にシングル曲をメインとしたセットリストになることがインタビューで予告されており、普段のように過去のアルバムからも満遍なく選曲するツアーになることは明白であった。ベストアルバムの収録は20曲以上、普通に全てやればワンマンの尺は足りてしまう。ある意味、これまでで最も何を演奏するかを想像しやすいツアーで
もっとみるベールなどなかった/9.20 羊文学 TOUR2024「"soft soul, prickly eyes"」@ Zepp Fukuoka
羊文学、1年ぶりのワンマンツアー。去年は参加できなかったので福岡でワンマンを観るのはこれが初めてとなる。いちおうアルバム『12 hugs(like butterflies) 』が出てからは初の全国ツアーだが冒頭3曲が「金色」「電波の街」「風になれ」と続き、アルバムとは無関係なことをそれとなく示す。既にリリースから9ヶ月が経過しているゆえ今回はフラットに、今歌いたい曲が選ばれているように思えた(「G
もっとみるさようならSunset Live
30年以上の歴史を持ち、福岡の地に根付いてきた糸島が誇るフェスSunset Live。しかし今年でファイナルということで、初日のみだけどお別れを言うべく参加してきた。サーフカルチャーにもヒッピーカルチャーにも縁遠い私だけど、良い音楽の前でそんな防衛本能は関係なくなってしまうわけで。
私は2018年に初参加しすっかり虜になり、2019年は2日通し(Day1,Day2)で参加。コロナ禍を経て、久々の
2024年の遥か彼方/ASIAN KUNG-FU GENERATION『Single Collection』
ASIAN KUNG-FU GENERATIONがメジャーデビュー20周年を1年遅れで祝うシングルコレクションをリリースした。最新シングル「宿縁」から1stシングル「未来の破片」まで、現在から過去へと遡るような形で全33曲が収録されている。
本作のDisc1の1曲目を飾るのはメジャーデビューミニアルバム『崩壊アンプリファー』の1曲目であり、代表曲の1つ「遥か彼方」の再録テイクである。現時点で最新
2024年上半期ベストアルバム トップ10
アルバム編、今回の10枚は結構新鮮な顔ぶれになっているのではないだろうか。何度目かの新たなものを求めるターム。それでいて、常に安心感をくれるものも同時に愛したいターム。これですね
10位 グソクムズ『ハロー!グッドモーニング』
振り幅も円熟味もフレッシュさとはかけ離れた充実のメジャー1stアルバム。各曲ごとのフォークとロックンロールとダンスビートの切替が絶妙で、それぞれのキャラは濃いのにつるん
円環的時間を生きる〜2024.03.09 Base Ball Bear『天使だったじゃないか』ツアー@福岡DRUM Be-1
もう3ヶ月も前のことだが、今こそBase Ball Bear『天使だったじゃないかツアー』の福岡公演を振り返ってみようと思う。基本的にはいかに早く出すかを考えてきたライブレポートであるが、思考を熟成することでより深まった部分もあるし、今回の新作『天使だったじゃないか』の意義を考えることに繋がるような気がしたからだ。
ティーンネイジ・ファンクラブが流れ続ける開場SEが終わり、ライブは幕を開ける。1
境界で踊る〜橋本絵莉子『街よ街よ』【ディスクレビュー】
橋本絵莉子の2ndアルバム『街よ街よ』に感動しきっている。前作『日記を燃やして』では柔らかなアレンジはアコースティックギターの音色も印象的だったが、本作はずっしりとしたグルーヴを活かしたロックバンドらしさ溢れる1作。ライブでの経験値が制作にも反映された好例だろう。
40歳を迎えた橋本が自身の年齢を「若くもないけど老いてもいない、この感じがちょうど踊り場っぽいなって。(中略)ただスッと過ぎていくだ
戻れないけど消せもしない/Base Ball Bear『天使だったじゃないか』【ディスクレビュー】
子どもが生まれてから生活は変わった。粉ミルクを溶かす時間がルーティーンに組み込まれ、泣き叫べばオムツを変え、それでも泣き続けるならば抱っこする。当たり前のことだが、妻とともに育児に向き合う日々は去年までの自分とは全く違う。しかし買い物に行ったり、出勤したりする時にはいつも1人。そんな時、慣れ親しんだ音楽を聴けば自分が我が子の親になったという事実と同時に、今までと変わらない自分もまたここに居続けてい
もっとみる30歳のプレイリスト
今日で生誕30周年を迎えました。たかが30歳で加齢を自虐したり、自分の老化をあえて面白がるようなニヒリズムは持ち合わせていないので相変わらず楽しいと思うことを元気よくニマニマとやっていけたらと思う次第なのですが、さすがにめでたいのでアニバーサリープレイリストを作ってみました。「29→30」と題してみました。
好きなアーティストが30歳前後の時期に何を歌っていたかを確かめ、特にグッときたものをずら
2023年ベストアルバム トップ20
今年はびしっと厳選して20枚で1年を総括。ライブカルチャーの復権と揺れる世界、喜びも悲しみも猛スピードで切り替わる時流の中で、この音楽を聴いてる間はきっと大丈夫だ、と思えたアルバムを選びました。
20位 ROTH BART BARON『8』
三船雅也がドイツに拠点を移してからの1作目。ここしばらく毎年凄まじいアルバムをリリースし続てけいるが、本作はまた違う場所へ飛ぼうとする萌芽を感じた。エレキ
2023年ベストトラック トップ20
今年からは20曲に。選りすぐりの良い"うた"ばかりです。
20位 Cody・Lee(李)「さよuなら」
つくづく彼らは生活のバンドなのだな、と思う。メンバー脱退をここまで明け透けに歌にするとは。本当の想いを隠し切れないという誠実さ。
19位 Bialystocks「幸せのまわり道」
フォークの装いでどこまでリーチできるか、それを何歩先にも進めてしまう存在が、ど真ん中を撃ち抜いてきた。この温かさ
アジカン精神分析的レビュー『プラネットフォークス』/他者と生きるためのエンパシー
10thアルバム『プラネットフォークス』(2022.03.30)
このアルバムの制作はコロナ禍に突入する時期に大半が行われた。2020年以降、世界中で猛威を奮ったウイルスがもたらした影響は計り知れない。アジカンもライブツアーが中止となり、ライブ活動が再開になった後も観客からの声がない「リライト」や「君という花」を演奏をし続けた時期もあった。通常ではない日々を積み重ねる中で本作は少しずつ形になって
マカロニえんぴつの”ずらし方"/2023.11.05『マカロックツアー vol.16』@マリンメッセ福岡
両日ともにソールドアウトという大記録となった初アリーナツアー福岡公演の2日目。Queblickやvoodoo loungeで観たバンドをマリンメッセで観るのは初めてのこと。この5年のブレイクに伴って興味が薄れるどころか、今年のアルバムで最高値を叩き出してくれた稀有なバンドの大舞台である。
ところでこのツアーには正式タイトルがある。「マカロックツアーvol.16 ~マカロニちゃん、じつはとってもシ
アジカン精神分析レビュー『ソルファ(2016)』/来たる壮年期のために
『ソルファ(2016)』(2016.11.30)
2004年にリリースされた2ndアルバム『ソルファ』はアジカンの代表作として語られ、評価も結果も充分な作品として愛されてきた。代表曲も多く収録され、アジカンの名を広く知らしめたアルバムである。しかしこの作品はメジャーデビュー後、曲のストックを使いきったアジカンが初めてのツアーやフェスなどを乗り越えながら、怒涛のスケジュールで完成させたものだ。