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ベジータはなぜ“不老不死”を願ったのか(#70)

ベジータはなぜ“不老不死”を願ったのか(#70)

2024年3月22日、サウジアラビア政府は漫画ドラゴンボールのテーマパークを建設すると発表しました。

奇しくも3月1日に原作者である鳥山明さんがお亡くなりになったタイミングと重なり、世界中で悲しみに暮れている矢先でした。
このところサウジアラビアでは国を上げてコンテンツビジネスを強化しています。
サッカークラブへのスター選手招聘を始め、ボクシングのエキシビジョンマッチなどもこの流れを汲んだもので

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“自分の土俵で戦う”とは何か〜RIZIN.46 メインカードを終えて〜(#69)

“自分の土俵で戦う”とは何か〜RIZIN.46 メインカードを終えて〜(#69)

4月29日に東京の有明アリーナにてRIZIN46が開催されました。
本大会のメインはフェザー級タイトルマッチチャンピオン鈴木千裕vs挑戦者金原正徳です。
下馬評では挑戦者でもある金原選手の方が高い印象でしたが、結果はチャンピオン鈴木選手の1R レフェリーストップによるKO勝利、王座防衛でした。

攻防の決め手は圧力を掛けようと前に出る鈴木選手に仕掛けた金原選手のタックルを凌いだことです。
タックル

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総合格闘技とアダルト業界との相性の良さ & 超RIZIN2メインカードの朝倉未来敗北をみて自分も頑張ろうと思った話(#64)

総合格闘技とアダルト業界との相性の良さ & 超RIZIN2メインカードの朝倉未来敗北をみて自分も頑張ろうと思った話(#64)

超RIZIN2は様々なアクシデントに見舞われながらも7月30日無事開催されました。
当初のカードは選手の怪我などの影響で大きく変わったものの思惑通りに進まない、驚きと衝撃など見どころがあったのではないか、というのが率直な感想です。
今回はベラトールMMAとの共催でもあり、いわゆる“本格路線”に加え、ライト層を取り込もうというマーケティングの観点が随所に散りばめられていました。
取り分け、U-NEX

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北朝鮮の“ゴミ”が近隣国にとって“宝”になる可能性を秘めているわけ(#62)

北朝鮮の“ゴミ”が近隣国にとって“宝”になる可能性を秘めているわけ(#62)

アートとデザインの間にある違いは平たくいえば「用途があるかどうか」である。

後者はそれがあるものを指す。

ところで浮世絵はアートなのだろうか、それともデザインだろうか。

今ではアートかもしれない。

ただ、元々はその枠に当てはまらなかった。

アートやデザインといった概念は西欧由来のもので、江戸時代にはそんな概念がなかったからである。

そもそも浮世絵は何だったのか?

新聞だった。

そし

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“環境活動家の芸術作品への攻撃”が、ただの自己満どころか「確実に失敗だ」と確信するいくつかの根拠(#60)

“環境活動家の芸術作品への攻撃”が、ただの自己満どころか「確実に失敗だ」と確信するいくつかの根拠(#60)

4月末日、アメリカの首都ワシントンにある国立美術館にて環境活動家二人がエドガー・ドガのワックス製彫刻作品『14歳の小さな踊り子(La petite danseuse de quatorze ans)』にペンキが塗られるという事件がありました。

北米では初めてですが、英語圏で最近頻発している環境保護団体の抗議スタイルのひとつです。

彼らの主目的は「環境保護」に関するものであるはずなのに、その目的

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積極的に“待つ”ということが難しいワケ(#59)

積極的に“待つ”ということが難しいワケ(#59)

2023年4月29日に東京代々木第一体育館で開催されたRIZIN Landmark 5 in Yoyogiはフェザー級の2試合がダブルメインとして行われた大会でした。
そのメインカードのひとつ、斎藤裕対平本蓮戦では斎藤選手のタックルに対し、ひたすら“待って”カウンターを狙うという手段が結果的に裏目に出て、斎藤選手に勝利をもたらしました。
このことについて気になったのが平本選手の試合後のコメントです

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2022年北京オリンピック開幕式、IOCバッハ会長は“薄着”でなかった、についての小話。(#56)

2022年北京オリンピック開幕式、IOCバッハ会長は“薄着”でなかった、についての小話。(#56)

2022年2月4日午後9時(現地時間午後8時)、第24回冬季オリンピック北京大会の開幕式が催されました。
夏季大会と冬季大会を開催した初めての場所として北京はオリンピック史に名を刻むことととなります。
大会前は中国内政下における人権問題などからアメリカなどの外交ボイコットがあったり、また新型コロナウイルス・オミクロン株の急流行などもある中で、91か国の参加国に加え、華々しい電飾技術によって画面越し

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“ゴミ拾い”と“金運”、それらの相性が良い理由 ~溝に落とされた吸殻が向かったその先は~(#55)

“ゴミ拾い”と“金運”、それらの相性が良い理由 ~溝に落とされた吸殻が向かったその先は~(#55)

年の瀬のある夜、セブンイレブンの前に一人の女性がいました。
彼女は駐車した後、降車し、外でタバコを燻らせ始めます。
そのコンビニは喫煙場所を設置していませんでした。
同乗者がいたかどうかは分かりませんが、数分と経たないうちに促されるようにタバコの火を消して、その吸殻をどこに捨てるべきか迷った挙句、道にある排水溝へ屈んで落としたのです。
その所作はなんとも慇懃だったので、妙な違和感を覚えました。

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朝倉未来1000万円企画から“伏線を回収する”について考えてみた(#54)

朝倉未来1000万円企画から“伏線を回収する”について考えてみた(#54)

11月AbemaTVで『朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円』という企画が行われていました。
この企画で朝倉選手が怪我したことや企画内容に賛否が分かれましたが、ある結果に対してしっかり「回収している」点が彼の秀でている点なのかもしれないと着目しています。

ざっとまとめると次の通りです。

10月のRIZIN LANDMARK vol.1の会見では相手の萩原京平選手からこの企画につい

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“異性がよく分からない”と“アートは分からない”はほぼ同義な件(#51)

“異性がよく分からない”と“アートは分からない”はほぼ同義な件(#51)

「アート」というジャンルでnote内の記事見出しを斜め読みしていたら、やはり「アートってよく分からない」といった内容について書かれているものが多い印象を受けました。
実は私も以前自発的にそのテーマで書いたのですが、「難しいのかな」とも感じております。

他人と自分の理解レベルをどう調整するかは何もこうした記事作りに限ったことではありませんが、どのくらい噛み砕くべきか、中々客観視し難く課題が付き纏い

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影法師でありながら著名なバンクシーと日の目をみた朝倉未来(#45)

影法師でありながら著名なバンクシーと日の目をみた朝倉未来(#45)

RIZIN28の記事を作成してから、ひと月近く経ってしまいました。
特別朝倉未来選手のファンではないのですが、彼の言動には興味を持っています。
事実、日本格闘技界において発言力のある一人であります。
そのためか味方だけでなく敵も多いようです。

皆、彼の何に惹き付けられているのでしょうか。

彼はいわゆる「不良」でしたが、正義感の強さだったり、義理を重んじるタイプだったりすると同時に、どこかしら発

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記事を購入し、RIZIN.28で何が「剥がれた」のか、深堀って追い掛けてみた(#44)

記事を購入し、RIZIN.28で何が「剥がれた」のか、深堀って追い掛けてみた(#44)

6月13日、RIZIN.28が東京ドームで開催されました。
東京ドームでの格闘技イベント開催は実に18年ぶりとなります。
気にはしているものの、生中継やPPVでリアルタイムではなく、あくまで結果を字面で追って、後にRIZIN公式より無料公開される試合を観るという方式を取っています。
格闘技関係者の勝敗予想などを確認しながら、後で答え合わせをする感じに近いかもしれません。
メインイベントのクレベル・

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フランスの浮世絵調“東京オリンピック2020”CMはなぜ日本で高評価を得ることができたのか(#43)

フランスの浮世絵調“東京オリンピック2020”CMはなぜ日本で高評価を得ることができたのか(#43)

昨日フランスのテレビ局で制作された東京オリンピック2020のCMがニュースで取り上げられていました。
葛飾北斎の『富嶽三十六景』風の浮世絵調のアニメーションで様々な日本風な場所でオリンピックにまつわる競技を力士がするといったものです。

感覚的なものですが、確認した限り、オリンピック開催については反対でも、このCMについては好意的な反応の方が多い印象があります。
反対意見としては「大鳥居を高跳びす

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格闘技と芸術が兄弟だった件について(#42)

格闘技と芸術が兄弟だった件について(#42)

昨日元K1チャンピオンの魔裟斗さんと前RIZINバンタム級チャンピオンの朝倉海選手がコラボレーションした動画がYouTube上に双方のチャンネルよりアップされていました。
その魔裟斗さん側のチャンネルで縄跳びをしている部分がありました。

このシーンで魔裟斗さんはこのような趣旨の発言をしていました。

ロープ(=縄跳び)はリングのステップワークに繋がる。

確かに古くから行われている練習法で、実際

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