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#文化

北朝鮮の“ゴミ”が近隣国にとって“宝”になる可能性を秘めているわけ(#62)

北朝鮮の“ゴミ”が近隣国にとって“宝”になる可能性を秘めているわけ(#62)

アートとデザインの間にある違いは平たくいえば「用途があるかどうか」である。

後者はそれがあるものを指す。

ところで浮世絵はアートなのだろうか、それともデザインだろうか。

今ではアートかもしれない。

ただ、元々はその枠に当てはまらなかった。

アートやデザインといった概念は西欧由来のもので、江戸時代にはそんな概念がなかったからである。

そもそも浮世絵は何だったのか?

新聞だった。

そし

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“福の字が逆さ”なのと“Broken Obelisk”との関係(#31)

“福の字が逆さ”なのと“Broken Obelisk”との関係(#31)

2021年の陰暦の元旦は2月12日でした。
春節の際、中華街などで福の文字が逆さになっているのをみたことは御座いませんか?
あれの由来は以下です。

福倒了 fu2dao4le (福が逆さになる)

福到了 fu2dao4le (福がやって来る)

実は同じ発音なのです。

日本風にいえば「シャレ」に近いのかもしれません。

逆さにすることで縁起物にしているのです。
ただ「福を逆さにしているから福

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似た形の島国ニュージーランドと、入れ墨と多様性について。(#17)

似た形の島国ニュージーランドと、入れ墨と多様性について。(#17)

顔に入れ墨の女性外相アメリカではまだ大統領選の開票作業が続いていますが、先立ってニュージーランドでは11月2日第二次アーダーン内閣の組閣が行われ、副首相に任命したグラント・ロバートソン氏が同性愛者であるということ、そして先住民族マオリのナナイア・マフタ氏が外務大臣に任命されたことが話題に上がっていました。
彼女の顔には“モコ・カウアエ”と呼ばれるマオリ伝統的な入れ墨が施されてあります。

アーダー

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『鬼滅の刃』シールが“おまけ”でなくなるとき、それはまるで狂乱的な投資のように化ける。(#21)

『鬼滅の刃』シールが“おまけ”でなくなるとき、それはまるで狂乱的な投資のように化ける。(#21)

現在絶賛公開中の『鬼滅の刃 無限列車編』ですが、興行面において『もののけ姫』『ハウルの動く城』を大幅に超え、現在『君の名は。』も射程圏に入れております。

歴代映画興行収入ランキング(興行通信社調べ)
1.『千と千尋の神隠し』(308億円)
2.『タイタニック』(262億円)
3.『アナと雪の女王』(255億円)
4.『君の名は。』(250.3億円)
5.『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(204.

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“櫻”が幾年も咲き続けるには?(#23)

“櫻”が幾年も咲き続けるには?(#23)

ある“酒工場”の移転最近日本酒を生産している岐阜県の三千櫻酒造という会社の工場を岐阜県から北海道に移転するというニュースがありました。

良い酒を造るには冷たい水と良質の米、温度管理が特に重要となります。
工場の老朽化と温暖化の影響が相俟って、より酒造りに適した環境を求め、移転することにしたそうです。

中国の伝統芸能“京劇”ところで1993年カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『さらばわが

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ラーメンマンをファッションチェックして気づいたこと。(#26)

ラーメンマンをファッションチェックして気づいたこと。(#26)

前回の記事(#25)に引き続き、ラーメンマンについて、今回は衣装です。
彼は辮髪同様、実は清朝由来の衣装を身に着ています。
ちなみに日本で“チャイナドレス”と呼ばれるものは、一般的に女性の衣装で中国語で“旗袍(qipao)”と呼ばれます。
こちらも清朝貴族文化由来のもので、現代中国でも礼服として扱われています。
ただ広い意味では男性の衣装でもありました。
清朝以後はガウンタイプの“長衫”や“唐装”

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ラーメンマンを“中国”ではなく“中華系日本”超人では?と思う理由。(#25)

ラーメンマンを“中国”ではなく“中華系日本”超人では?と思う理由。(#25)

ラーメンマンヘアーは日本版“辮髪”?数年前より若年層の女性を中心に“ラーメンマンヘアー”というものが流行っているのを御存じでしょうか?

名称は漫画『キン肉マン』に登場する“ラーメンマン”に由来するものです。

“キンケシ”が流行ってから数十年を経て、当時あまり女性人気がなかった印象の本作がなぜ今頃になって若い女性の間で流行り出したのかは未だ謎のままです。

ですが、おそらく2020年4月でキン肉

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“光あるうちに光の中を歩め”(前編)(#27)

“光あるうちに光の中を歩め”(前編)(#27)

“2021年”2021年、日本はオリンピックイヤーを2年連続で迎えるという珍しい一年としてスタートしました。
1月現在、東京オリンピック・パラリンピック(以下東京オリンピックと略称)は開催予定ですが、現在世界中で新型コロナウイルス感染拡大は予断を許さない状況になっています。
それでも世界大会は22年冬季北京オリンピック・パラリンピック、22年サッカーカタールワールドカップ等々、開催が予想できない大

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“光あるうちに光の中を歩め”(後編)(#28)

“光あるうちに光の中を歩め”(後編)(#28)

ロシアの組織的なドーピング問題に関するスポーツ仲裁裁判所の判決を受けて、ロシアは選手団は東京オリンピック・パラリンピック2020から除外されることになりました。
ただ厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるようです。
ロシアにおけるオリンピックの空白といえば1984年のロサンゼルスオリンピックです。
当時と事情は異なりますが、東京オリンピック2020もロシアにとってはオリンピック史における

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生きるとは、それだけで成功しているもの(#29)

生きるとは、それだけで成功しているもの(#29)

2月14日はバレンタインデーです。
今年は昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、元々下火だった義理チョコも追討ちをかけられています。
それが良いのか悪いのかは分かりませんが、女性が義理立てる発想は些か古風な習慣なのは否めません。
ですが、こう考えてはいかがでしょうか。
”性別に関わらず誰かにプレゼントをするきっかけをくれた――”、
もしそうであれば一々目くじらを立てるようなことでもな

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