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ラーメンマンを“中国”ではなく“中華系日本”超人では?と思う理由。(#25)


ラーメンマンヘアーは日本版“辮髪”?

数年前より若年層の女性を中心に“ラーメンマンヘアー”というものが流行っているのを御存じでしょうか?

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※引用→



名称は漫画『キン肉マン』に登場する“ラーメンマン”に由来するものです。

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“キンケシ”が流行ってから数十年を経て、当時あまり女性人気がなかった印象の本作がなぜ今頃になって若い女性の間で流行り出したのかは未だ謎のままです。

ですが、おそらく2020年4月でキン肉マン連載40周年を迎えた、この記念プロモーション活動と関連しそうです。
実際、駅や関連書籍など様々な箇所で見掛けられした。

しかし、まさかキン肉マンの右腕とも呼ぶべき友人ラーメンマンに焦点が当てられたことに驚きました。
彼は中国河南省生まれの中国拳法をベースとした超人として、四川大昇竜、九龍城ドロップなど、中国と縁がありそうな名称の技を出します。
そして彼の髪型は清朝時代の象徴的髪型“辮髪”です。

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しかし超人ネームである“ラーメンマン”は、開国直後の幕末に中国から由来した“拉面(lamian)”のアレンジ版で、もはや日本料理です。
なぜなら中華圏では一般的にラーメン=日式拉面と呼ばれ、もはや本家へも逆輸入して人気を博すものが“ラーメン”なのです。
まさにラーメンの如く、辮髪の日本式発展系がラーメンマンヘアーをしている“ラーメンウーメン”を誕生させたといえるのかもしれません。

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“カップヌードルミュージアム”

そうした関係よりラーメンに纏わる博物館が横浜と大阪にあります。
安藤百福発明博物館、通称“カップヌードルミュージアム”です。

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※左→横浜、右→大阪


こちらは日清食品グループが運営しており、当企業の創業地である大阪とラーメンゆかりの地横浜に所在しております。
尚、横浜には"新横浜ラーメン博物館”という別の場所もあり、こちらは全国の有名ラーメン店の味を楽しめるフードテーマパークです。
ただ運営は日清食品グループとは異なります。

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※新横浜ラーメン博物館

カップヌードルミュージアムは日清食品の看板商品でもあるチキンラーメンとカップヌードルを軸に体験(創作と実食)と展示を味わえる体感型ミュージアムというのがコンセプトです。
チキンラーメンは手作り、カップヌードルはカスタマイズすることもでき、また子供向けのアトラクションも揃っているので、老若男女問わず幅広い年齢層の方々が楽しめる空間かもしれません。

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展示品にはこれまでのインスタントラーメンのパッケージがラインアップされていたり、創業者安藤百福の研究小屋を再現されていたりしています。

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https://www.cupnoodles-museum.jp/ja/

“日清○○”という会社名が多い理由

ところで、日本には“日清”と冠する企業が多いとは思いませんか?
大手企業だけでも日清食品グループの他に「日清オイリオグループ」、「日清紡グループ」、「日清医療食品」など多数あります。
ただ、それらはいずれも資本関係がないそうです(つまり全くの別会社)。

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左上:日清食品   右上:日清オイリオ
  上下:日清紡グループ
下下:日清医療食品

なぜでしょうか?

それはこの“日清”という屋号が当代の“流行り”だったからです。

その関係は仙台育英高校や前橋育英高校、その他○○育英高校が姉妹校でないのと同じです。
文字通り“日清”という言葉は日清戦争のような"日本と清"という意味で、当時の屋号として多く用いられたそうです。
ただ日清食品グループについては“日々清らか”という文字から由来しているといいます。

少しややこしいですよね。。。

けれど日清食品の屋号由来はともかくとして、チキンラーメン、カップニュードルといった“ラーメン”と会社名が結びついていても不思議ではありません。
それはまるでラーメンマンのような結びつきでもあります。
初のインスタントラーメンでもあるチキンラーメンはそれまでの“南京そば”や“支那そば”、“中華そば”と呼ばれていたものを”ラーメン”という名称で世に広めた存在です。


くしくもキン肉マン40周年に先駆けて2018年日清食品グループの看板商品でもあるチキンラーメンが販売60周年を迎えました。
また同年、創業者安藤百福をモデルとしたNHK連続テレビ小説『まんぷく』も放映されました。
ラーメンの存在を語る上で、“清”という文字と清の"辮髪"が後を追うかのように引き続いたのは偶然ではないかもしれません。

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美味しさだけが雄弁に物語る

ラーメンは中華料理由来の日本的解釈の一つといえます。
こうしてラーメンは国民食の一つとなりました。
ですが食べる際、やれ日本料理だとかやれ中華料理だとかいった意識で選んでいるでしょうか?
ほとんどが「ラーメンを食べたい」、その一心ではないでしょうか?
そう、ラーメンはただただ“美味しい料理”なのです。
そうした過程を経て、海を越えて認められた稀有な料理かもしれません。
それゆえ中国へ戻っても、“拉面(lamian)”ではなく“ラーメン(ramen)”なのです。

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