マガジンのカバー画像

エッセイはとつぜんに

212
つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
運営しているクリエイター

2018年11月の記事一覧

みかん農家になった友人のこと

みかん農家になった友人のこと

サラリーマンを辞め、突如みかん農家になった20代の友人から、「初めてのみかん」が届いた。

家族3人でダンボール箱を囲んでいそいそとあけてみると、箱いっぱいのみかんがずらりとあらわれた。

みかん好きの1歳娘は思わず、その上におおいかぶさる。次々とみかんを取り出し、横にいる夫に手渡してゆく。「うれしいねえ。ごはん終わったら食べようね」。そう声をかけると、ちっちゃな手を口に運んでパクパクと食べるまね

もっとみる
結婚記念日に、妻は夫と1歳の子を置いて

結婚記念日に、妻は夫と1歳の子を置いて

福岡から飛行機にのって、ひとりでnote酒場へ行く。ことにした。

せっかく遠くから行くなら昼も夜も参加してたくさんの方とお話したいなあ、と当日スタッフにも応募したので、17時〜19時はキッチンにいる予定だ(12/2追記:13時〜15時のチケット受付にもいます!)。もちろん撤収もお手伝いさせていただく所存。つまりは泊まりがけだ。

“なんて非情な妻/母であろうか、ありえない”と、お思いの方もいれば

もっとみる
まるごとの白菜

まるごとの白菜

スーパーでまるごとの白菜を躊躇なく手にとれるようになったのは、家族ができてからだ。

いや、ちょっと強がった。正確に言うと今でも少し、躊躇はある。

我が家は3人家族で、ひとりはまだ1歳だし、そもそも持って帰るのが重いし、冷蔵庫を圧迫するし、新鮮なうちに美味しく飽きずに使い切れるか試されるし。悩んだ末、手軽に使い切れる1/4サイズを選ぶことも多い。

それでもその日、まるごとの白菜が安かったり、白

もっとみる
レディースデーの肛門科に行ってみた

レディースデーの肛門科に行ってみた

いたってまじめな熱意あふれるnoteのつもりなんだが、「おしりの話なんて読みたくないわ」という方はどうか華麗にスルーしていただきたい。

さていきなり本題に入るけれど、女性で痔に悩んでいる方は、 パッと想像するよりもだいぶ多いんじゃないかと思っている。

というのも、わたしも妊娠してから初めて知ったのだが、妊娠中に起きやすいヘビーな便秘や、出産の壮大ないきみなどで、痔になったり、それが悪化したりす

もっとみる

こどものタイムライン

きのう、夫の会社では「IT界隈に興味のある小中学生グループ」の会社見学を受け入れるという機会があった。

夫の帰宅後、どうだった?と雑談がてら話を聞いていたのだが、そのなかでわたしにとって一番印象的だったのは、ITとはまったく関係ない以下のようなやりとりである。

私「小中学生って、年齢層はまんべんなく来たの?」

夫「そうだね、わりと。一番下は、7歳の子がいて」

私「へー」

夫「でさ、うちの

もっとみる
【教えて】ズボラ母にもできる3行レシピ(あと一品欲しい!ときの副菜)

【教えて】ズボラ母にもできる3行レシピ(あと一品欲しい!ときの副菜)

あのですね。日曜だから気が抜けてますし変な時間に起きちゃったのでいつもとちょっと違う感じで(いつもどおり?)だるだるいきますけども。

単刀直入にいって、タイトルどおりなんですが、全国のごはん係同志のみなさまに、「片手間でできる副菜レシピ」を教えてほしいんです。

いや、っていうのもですね、子が生まれる前は時間もあったので結構レシピサイトを見て回ったりもしてたんですが、最近はそんな時間もモチベーシ

もっとみる
今日もごはんをつくる君は、ハイパーえらい

今日もごはんをつくる君は、ハイパーえらい

先日のnote「時空を越えるアメリカンドッグ」の中で、本題のアメリカンドッグよりも、一部の方から強い熱量で反響をいただいた箇所がある。

それが、ここ。

食材の買い出しで近所のスーパーにいたわたしは、自分のごほうびになにかジャンキーなものを買ってやろうと決めた。

“家族の夕飯づくり”という地味で欠かせないミッションにとりかかるためには、まずそのための燃料が必要なのである。

何気なく書いたこの

もっとみる
時空を越えるアメリカンドッグ

時空を越えるアメリカンドッグ

たまに何の前触れもなく、「なんかジャンキーなもの食べたいなあ」と思うときがある。

その夕方もそんなときで、食材の買い出しで近所のスーパーにいたわたしは、自分のごほうびになにかジャンキーなものを買ってやろうと決めた。

“家族の夕飯づくり”という地味で欠かせないミッションにとりかかるためには、まずそのための燃料が必要なのである。

さあ何にしよう。ジャンキージャンキー。なんだろう、ポテトチップス?

もっとみる
未明のミルクティー

未明のミルクティー

早朝、3時16分。

娘の寝かしつけとともに早く寝てしまったせいで、変な時間に目が覚めた。

横を見ると、布団をすべて蹴りとばして寝る1歳の娘。とりあえず薄手の毛布をかけてやり、自分もまた横になる。

頭はすっきりしているけれど、いま起きると夜まで持たない気がする。せめて5時くらいまで、寝ていたい……。

こんなときはあれだ、羊だ。羊を数えるんだ。

古典的な迷信だってやらないよりはマシだろう。そ

もっとみる
いやいや期、でカテゴライズしすぎずにGo.

いやいや期、でカテゴライズしすぎずにGo.

朝、娘が保育園に行くのをいやだと主張する日がちょこちょこと出てきた。

少し前までは、「保育園行く?」と声をかけると、自らリュックを引きずってきて、ふんふんしながら、玄関へよちよち歩いていっていたのになあ。

* * *

ある日の朝も「保育園行く?」と聞いたら、首をブンブンと横にふって「いや」を主張していた。

私は、前日に先生から聞いた「園でのようす」を引用しながら、「楽しさ思い出し作戦」で交

もっとみる
気心の知れた、幼なじみみたいに。

気心の知れた、幼なじみみたいに。

「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」

何度、この質問に答えてきただろう。そしてこの質問に対するわたしの答えは、学生時分までは間違いなく「紅茶」の一択であった。

おとなになって、会社員として働き始めたころ、ブラックコーヒーを「おいしい」と思えるようになった。今、仕事で集中したいときやちょっとスイッチを入れたいときには、自らコーヒーを選ぶ。コーヒーの香りは大好きだし、お洒落なカルチャーもかっ

もっとみる
振れ幅はおおきいほうが気持ちいい

振れ幅はおおきいほうが気持ちいい

あっちへいったりこっちへいったり、頭のなかがいそがしい。

土曜日は普段脳みそを使わない分野のインタビューをして心地よく疲れ、日曜日は娘を連れて家族で牧場へ行き、牛や羊とぞんぶんにたわむれて心地よく疲れた。今日は朝から夕方まで娘のアレルギー負荷試験で小児科にカンヅメになって疲れ、帰ってごはんを作ったあとは夫に子を託して、わたしはひとりフラの練習に出かけてまた心地よく疲れた。

家へ帰ってきておふろ

もっとみる
いつもの通り道(中2時代の創作文)

いつもの通り道(中2時代の創作文)

ひさびさの実家で、なつかしいものを読んだ。

それは自分が中学2年のときに、作文の授業で書いた創作文である。

文章の書き方という意味では、稚拙で、それはもう自分でもわかるほどにツッコミどころ満載だ。けれど我ながら「へえ、おもしろい」と思ったのは、そこで扱っている内容である。

その内容自体がおもしろいというよりは、「へえ!中学2年からわたし、根本はまったく変わってなかったのか」というおもしろさで

もっとみる
もやもやするのもわるくない

もやもやするのもわるくない

最近、気持ち的にちょっと打ちのめされたような感覚を味わう機会があって、さあどうしたもんか、と自分の身のふりみたいなものをうじうじ考えている。

ちなみに、だれかになにか嫌なことを言われたわけじゃない。むしろその逆で、ものすごくシンプルにいえば「すごいひとたち」に囲まれて、その前からわかっちゃいたけど、自分の「何もできていない感」をいやというほど思い知ったというだけの話である。

でもそれが「落ち込

もっとみる