Chiyo Yamauchi

New York、Brooklyn在住のライター。東京下町育ち。5年間のOL生活を経て…

Chiyo Yamauchi

New York、Brooklyn在住のライター。東京下町育ち。5年間のOL生活を経て、2010年頃よりNYへ。米国のサブ/ポップ、どちらの文化にも興味津々。人、文化、社会を考察しながらさまざまなトピックについて執筆中。twitter:@pistachiyo

記事一覧

「自主隔離」生活と画家エドワード・ホッパーと。

新型コロナにより「自主隔離」生活を始めて、かれこれ約1ヶ月。 それは、ほとんど突然に始まり、始まった当初から「いつまで」という終わりは明確ではなかった。 だが、…

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「それでも家にいてほしい。決断の責任は私が取る」。NY州知事クオモのリーダーシップの記事

不要不急の「外出をしない」。 いまは、どの国もこれが肝なのでしょう。これ以上感染を広げないためには。 新型コロナの対応が遅れたことに対し、 「私には、まったく責任…

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下手な占いより当たると評判のザ・シンプソンズとパンデミックとトム・ハンクスと…。

3月11日に自身のツイッターで、夫婦揃って新型コロナに感染したことを発表した、ハリウッド俳優トム・ハンクス。あれから約2週間が経過し、どうやら夫婦共々、回復に向かっ…

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買いだめするなら「豆と弾薬とバンドエイド」の真意。「パニック買い」と」「暴動」がほぼ同じタイミングで起こりかねない国で。

新型コロナで「銃の弾薬」を米国人が買いだめしているという話。 私もそれについて触れた書き手のひとりですが、寄稿した記事でも述べた通り、このニュースを報じた「アメ…

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グウィネス・パルトローのウェルネス・ブランド「Goop」、そのドキュメンタリーをきっかけに、 「なぜ、パルトローは嫌われ、そ…

女版カニエといえば、その妻のキム・カダーシアンだが、そういえば、もう一人いたなと思い出したのが、オスカー女優グウィネス・パルトロー。 今年1月より、ネットフリッ…

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欲しいのは恋人より「養育パートナー」という需要。

結婚が先か、子供が先か。 それはもう、30代にもなればどっちらでもお好きにどうぞ状態になってきている印象だが、 恋愛が先か、養育パートナー探しが先か、って話にはま…

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脇役のあの子が以前、雑誌で取り上げたジョイント・ローラーだった件。

映画『ジョーカー』を観て、俳優ホアキン・フェニックスへの想いを再び熱くしている人、少なくないのではないでしょうか。私もその一人です。 以来、年末にかけて彼の過去…

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モノポリー、それは非情の資本主義経済を学ぶうえで、この上ない教材ゲームである。

新年あけましておめでとうございます。 昨年末はNYに残り、様々なホームパーティーに参加して過ごしたのですが、どのパーティーでも「ボードゲームをやろう」という流れに…

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雑誌『Subsequence(サブシークエンス)』の話。文化資本としての雑誌。

先月から『Subsequence(サブシークエンス)』というB4サイズの大判の、山吹色の素敵な雑誌が書店に並んでいるかと思います。 アパレルブランド「visvim(ビズビム)」の…

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ヒップホップを大衆文化にした男は、教会をも大衆向けにできるのか

奇行に歯止めが効かないカニエ・ウェストですが、ポップカルチャーとして消費するにはこの上なく素晴らしい存在だと感じています。 話題の作り方も大胆。ネタの尽きない男…

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グレタは 「操り人形」? ─だとしたら、その「糸」を握ろうとしているのは誰か。

気候変動アクティビストのグレタ・トゥーンベリ氏が、 「もしも本当にパペット(操り人形)だとしたら、糸を握るのは誰か」という記事を書きました。 書いてみようと思っ…

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なぜ、おじさんたちはグレタを嫌うのか

「なぜ、おじさんたちはグレタ・トゥンベリを嫌うのか」 クーリエに定期的に記事を寄稿しています。 これは、気候変動の高校生アクティビスト、グレタ・トゥンベリを目の…

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もっともポリコレに反したコメディが伝えること。あなたに問う、”弱者” とはいったい誰なのか?

デイヴ・シャペルのNetflix新作『デイヴ・シャペルのどこ吹く風』。 今日のポリコレにペッと唾を吐きかけているだけに、賛否両論、米国では喧しいわけですが、個人的には…

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人をつなぐどころか「兵器と化した」プラットフォーム

ほとんどの「いいね」は操作されていた 「現代の監視は国家と企業が一体化している」と、アメリカ政府の監視システムを告発したエドワード・スノーデンの暴露も世界に強烈…

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マケドニアの若きアクティビストと話して思ったこと

”誰も報じてくれない大気汚染。26歳が〈無料公開データ〉ではじめる市民革命「僕たちの国に、きれいな空気を取り戻す」” このインタビュー記事の構想は、 大気汚染が深…

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気候変動を「クライメート・チェンジ」とボカすのを辞めます宣言

 物事が変化するのは当たり前。その変化と、現代の環境の変化(Climate Change)は同じなのでしょうか。  クライメート・チェンジ(Climate Change)という言葉に、そう…

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「自主隔離」生活と画家エドワード・ホッパーと。

「自主隔離」生活と画家エドワード・ホッパーと。

新型コロナにより「自主隔離」生活を始めて、かれこれ約1ヶ月。
それは、ほとんど突然に始まり、始まった当初から「いつまで」という終わりは明確ではなかった。

だが、「いつまで」という終わりがある、2週間か4週間か…、そういうものだと思っていた。

いよいよ終わりが「見えない」、そして「戻らない」ことが分かったのは、10日ほどを過ぎた頃だっただろうか。

そのことに私は絶望したか、というと意外にも、そ

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「それでも家にいてほしい。決断の責任は私が取る」。NY州知事クオモのリーダーシップの記事

「それでも家にいてほしい。決断の責任は私が取る」。NY州知事クオモのリーダーシップの記事

不要不急の「外出をしない」。
いまは、どの国もこれが肝なのでしょう。これ以上感染を広げないためには。

新型コロナの対応が遅れたことに対し、
「私には、まったく責任はない」と発言したトランプ大統領。一方、「責任は私がとります」と言ったのが、ニューヨークのクオモ州知事だった。

そこで感じた、いま危機的状況で求められるリーダーシップとは何かについて書きました。

生活に不可欠な業種以外の営業を禁止し

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下手な占いより当たると評判のザ・シンプソンズとパンデミックとトム・ハンクスと…。

下手な占いより当たると評判のザ・シンプソンズとパンデミックとトム・ハンクスと…。

3月11日に自身のツイッターで、夫婦揃って新型コロナに感染したことを発表した、ハリウッド俳優トム・ハンクス。あれから約2週間が経過し、どうやら夫婦共々、回復に向かっているようでなによりです!

さて、トムハンクスが感染し、自主隔離、というニュースが出るやいなや、シンプソンズ・ファンが、またも騒つきました。

お約束の、ザ・シンプソンズは、トム・ハンクスの隔離を「予言していた」です。「下手な占いより

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買いだめするなら「豆と弾薬とバンドエイド」の真意。「パニック買い」と」「暴動」がほぼ同じタイミングで起こりかねない国で。

買いだめするなら「豆と弾薬とバンドエイド」の真意。「パニック買い」と」「暴動」がほぼ同じタイミングで起こりかねない国で。

新型コロナで「銃の弾薬」を米国人が買いだめしているという話。
私もそれについて触れた書き手のひとりですが、寄稿した記事でも述べた通り、このニュースを報じた「アメリカン・ライフルマン」は、銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)による出版物だという点は、一応おさえておいたほうがいいと思います。

弾薬やサバイバルギアの販売を促進する意図が、記事の狙いとして含まれているかどうかについて注意が必要だ。

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グウィネス・パルトローのウェルネス・ブランド「Goop」、そのドキュメンタリーをきっかけに、
「なぜ、パルトローは嫌われ、そして起業家として成功し続けているのか」を考察

グウィネス・パルトローのウェルネス・ブランド「Goop」、そのドキュメンタリーをきっかけに、 「なぜ、パルトローは嫌われ、そして起業家として成功し続けているのか」を考察

女版カニエといえば、その妻のキム・カダーシアンだが、そういえば、もう一人いたなと思い出したのが、オスカー女優グウィネス・パルトロー。

今年1月より、ネットフリックスで配信されているドキュメンタリー『グウィネス・パルトローのグープ・ラボ』を、オススメ機能の誘導により観てしまったのだが、これが一話目から飛ばしている。(ので、記事を書いてみた)

番組は、端的に言えば「パルトローと一緒にユニークな健康

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欲しいのは恋人より「養育パートナー」という需要。

欲しいのは恋人より「養育パートナー」という需要。

結婚が先か、子供が先か。

それはもう、30代にもなればどっちらでもお好きにどうぞ状態になってきている印象だが、

恋愛が先か、養育パートナー探しが先か、って話にはまだ「これから」感を覚える。

ということで情報をかき集めて、まとめて寄稿しました。

いますぐ欲しいのは、恋人よりも結婚相手よりも「子どもの養育パートナー」。そんな想いを抱く独身たちのために、ロマンスではなく「子どもの養育権」を共有し

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脇役のあの子が以前、雑誌で取り上げたジョイント・ローラーだった件。

脇役のあの子が以前、雑誌で取り上げたジョイント・ローラーだった件。

映画『ジョーカー』を観て、俳優ホアキン・フェニックスへの想いを再び熱くしている人、少なくないのではないでしょうか。私もその一人です。

以来、年末にかけて彼の過去の出演作品を、マイペースに再鑑賞してきたのですが、その中でふと気になったのが、
2018年の映画『Don't Worry He Won't Get Far on Foot(邦題:ドント・ウォーリー)』。

米国人・風刺漫画家のジョン・キャ

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モノポリー、それは非情の資本主義経済を学ぶうえで、この上ない教材ゲームである。

モノポリー、それは非情の資本主義経済を学ぶうえで、この上ない教材ゲームである。

新年あけましておめでとうございます。
昨年末はNYに残り、様々なホームパーティーに参加して過ごしたのですが、どのパーティーでも「ボードゲームをやろう」という流れになり、久しぶりにUNOやジェンガ、モノポリーといった卓上ゲームに触れることができました。

ホームパーティーって、最初から最後まで「会話」が中心になるケースと、食事が終わったら「ゲームしようよ!」となるケース、色々あるかと思いますが、この

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雑誌『Subsequence(サブシークエンス)』の話。文化資本としての雑誌。

雑誌『Subsequence(サブシークエンス)』の話。文化資本としての雑誌。

先月から『Subsequence(サブシークエンス)』というB4サイズの大判の、山吹色の素敵な雑誌が書店に並んでいるかと思います。

アパレルブランド「visvim(ビズビム)」の運営元である会社「キュビズム」より発売されている雑誌で、そのコンセプトについては、編集長の井出幸亮さんへのインタビュー記事を是非。https://www.houyhnhnm.jp/feature/302839/

「単な

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ヒップホップを大衆文化にした男は、教会をも大衆向けにできるのか

ヒップホップを大衆文化にした男は、教会をも大衆向けにできるのか

奇行に歯止めが効かないカニエ・ウェストですが、ポップカルチャーとして消費するにはこの上なく素晴らしい存在だと感じています。

話題の作り方も大胆。ネタの尽きない男でございます。

今回もまた、”ちょっと前の話” になりますが、こんな記事を書きました。

「今後はゴスペルしか作らない」とおっしゃって、その宣言通りにゴスペルアルバムをリリースされていましたが。酷評も少なくありませんが、それでもクリスチ

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グレタは 「操り人形」? ─だとしたら、その「糸」を握ろうとしているのは誰か。

グレタは 「操り人形」? ─だとしたら、その「糸」を握ろうとしているのは誰か。

気候変動アクティビストのグレタ・トゥーンベリ氏が、
「もしも本当にパペット(操り人形)だとしたら、糸を握るのは誰か」という記事を書きました。

書いてみようと思ったきっかけは、ソロスとのフェイク・ツーショット写真をみつけたこと。
ソロスって、あの世界三大投資家の一人で億万長者のジョージ・ソロスです。ざっくりいえば、大金持ちのとのツーショット写真です。

億万長者のソロスとグレタのツーショット(繰り

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なぜ、おじさんたちはグレタを嫌うのか

なぜ、おじさんたちはグレタを嫌うのか

「なぜ、おじさんたちはグレタ・トゥンベリを嫌うのか」

クーリエに定期的に記事を寄稿しています。

これは、気候変動の高校生アクティビスト、グレタ・トゥンベリを目の敵にする人たち(主に保守派)について、海外メディアーー

たとえば、米誌「アトランティック」、英紙「インディペンデント」「ファイナンシャル・タイムズ」「タイム」などで報じられている内容を、「なぜ、おじさんたちはグレタ・トゥンベリを嫌うの

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もっともポリコレに反したコメディが伝えること。あなたに問う、”弱者” とはいったい誰なのか?

もっともポリコレに反したコメディが伝えること。あなたに問う、”弱者” とはいったい誰なのか?

デイヴ・シャペルのNetflix新作『デイヴ・シャペルのどこ吹く風』。

今日のポリコレにペッと唾を吐きかけているだけに、賛否両論、米国では喧しいわけですが、個人的には噛めば噛むほど味が出る、スルメ番組だと思います!

と、興奮して日本の編集の方に執筆したい旨をお伝えしたのですが、
「真正面からデイヴ・シャペルを切り取ると、日本人に遠いネタ」とのご指摘をいただき、ちょっと捻って、こんな仕上がりにな

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人をつなぐどころか「兵器と化した」プラットフォーム

人をつなぐどころか「兵器と化した」プラットフォーム

ほとんどの「いいね」は操作されていた

「現代の監視は国家と企業が一体化している」と、アメリカ政府の監視システムを告発したエドワード・スノーデンの暴露も世界に強烈なショックを与えたが、7月24日よりネットフリックスで独占配信されているドキュメンタリー『グレート・ハック: SNS史上最悪のスキャンダル』のショックもなかなか。

「データは新たな石油」と言われて久しいが、同作のキーパーソンで、ケンブリ

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マケドニアの若きアクティビストと話して思ったこと

マケドニアの若きアクティビストと話して思ったこと

”誰も報じてくれない大気汚染。26歳が〈無料公開データ〉ではじめる市民革命「僕たちの国に、きれいな空気を取り戻す」”

このインタビュー記事の構想は、
大気汚染が深刻な国といえば、中国やインドだと思っていたが、どうやら、マケドニア共和国もなのか…、という発見から始まった。

ジョージャンにインタビューをしたのは今年3月。記事が公開されたのは6月、そしていま…と、やや時間が経過しているのだが、

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気候変動を「クライメート・チェンジ」とボカすのを辞めます宣言

気候変動を「クライメート・チェンジ」とボカすのを辞めます宣言

 物事が変化するのは当たり前。その変化と、現代の環境の変化(Climate Change)は同じなのでしょうか。

 クライメート・チェンジ(Climate Change)という言葉に、そう疑問を投げかけたのは世界的に有名なカナダの作家マーガレット・アトウッド氏。2015年のことだった。

 5月の中旬、英誌『ザ・ガーディアン』はメディアとして、現在の気候変動の深刻さをより的確に伝えるために、今後

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