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「それでも家にいてほしい。決断の責任は私が取る」。NY州知事クオモのリーダーシップの記事

不要不急の「外出をしない」。
いまは、どの国もこれが肝なのでしょう。これ以上感染を広げないためには。

新型コロナの対応が遅れたことに対し、
「私には、まったく責任はない」と発言したトランプ大統領。一方、「責任は私がとります」と言ったのが、ニューヨークのクオモ州知事だった。

そこで感じた、いま危機的状況で求められるリーダーシップとは何かについて書きました。


生活に不可欠な業種以外の営業を禁止し、在宅勤務を義務づけ、州内の市民に不要不急の外出をしないよう要請。「外出制限」を発令した彼は、市民に向けてこう語った。
「この決断の責任は私がとります」。この決断に「もし、不満を覚えたり、誰かを責めたくなったのであれば、どうぞ私を責めなさい」「私以外の誰のせいでもないのですから」
「私の決断により、仕事がなくなる人が出てくることは承知の上です。それでも私は家から出て欲しくないのです」

ここだけ抜くと、クオモ州知事が完璧なリーダーのような印象を与えてしまいますが、無論、そうではありません。

この舵きりがもう1週間はやかったら、感染はここまで広がらなかった、という指摘もももちろんあるわけです。

ただ、過ぎたことを言っても仕方がない。市民は、自分がいまできることをするしかない。それが、不要不急の「外出しない」ということなのだと受け止めています。

経済の首を絞めるを恐れて、一国の主人が、感染対策に後ろ向き、という国がいくつかあります。アメリカ、ブラジル、日本、などなど。

「人命」か「経済」か。
「州のことだけ考えるべき立場」か「国全体考えるべき立場」か。
それぞれ、どこに立脚点を置くかで、考える次元が異なるーー、そういった意見もあるでしょう。ごもっともだと思います。

記事の後半で述べていますが、米風刺ニュース番組『ザ・デイリー・ショー』のホスト、トレバー・ノアの、この危機的の状況の中で、「なぜ私たちはリーダーを必要としているのか」の考察が面白いので、ぜひ。

彼は、「飛行機の機長」を想像してみるとわかりやすい、と言っています。自分が乗客だったらどう思うか。

たとえば、気流や積乱雲の影響で、この先しばらく揺れが予想されるとする。

そんなとき、乗客に対し、

1.「これから、気流の影響で揺れが予想されます」と、事前にこれからくる危機について説明

2.「安全のために、客席乗務員も全員着席しますので、機内サービスの利用が一時制限されます」と、どんな問題や不便が起きるのかを共有

3.そして、「しかし、ご安心ください。我々は安全運転に努め、乱気流を抜け、揺れが安定したら、再び機内サービスを再開いたします。それまで、席に着席し、全員シートベルトをお締めください」と、その危機は「乗り越えられるものである」と伝え、乗客の不安を最小限に抑えると共に、乗客の理解と協力を仰ぐ

一方、機長がもし、事前に問題を説明せず、機内サービスを続ける客室乗務員がよろめくほどの激しい揺れが起きても、「大丈夫だ、問題はない」としたら、機内はどうなるだろうか。

何が起こっているのかわからない乗客の不安は肥大化し、機内はカオス化するだろう。事前に説明していれば得られたであろう乗客の理解と協力も、事が悪化してからでは得られない。

幸い、ポンコツ機長のフライトに乗ったことはないのですが、自分はいま、ポンコツ政治の真っ只中に、アメリカでもっとも感染者数の多い街ニューヨークで、この状況を見守っています。




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