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ミドルエイジのキャリア継続のためのtips

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30代・40代のキャリアとライフイベントとの関係、キャリアストレッチ、転職、キャリアビジョン再構築などのヒントについてご紹介しています。
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#ミドルエイジ

就職氷河期世代のキャリア再構築

就職氷河期世代のキャリア再構築

バブル崩壊後の1990年代から2000年代初頭にかけて、社会人となった就職氷河期世代。企業が採用を抑えたために求人数が少なく、就職活動やその後のキャリア形成に苦労した世代です。
厚生労働省では、様々な施策にてキャリア再構築を支援しています。
就職氷河期世代活躍支援

デジタルを活用したセールスサポート職への就職を目指すプログラムでは、講座やキャリアカウンセリングを通してチームで支援しています。

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越境学習とミドルのキャリア開発

越境学習とミドルのキャリア開発

法政大学の石山先生によると、越境学習とは「自分にとってのホームとアウェイを行き来することによる学び」とされています。実際に越境学習を実践する場として、社内兼業や社外での副業やプロボノ、ボランティアなどがあります。

実際に越境学習を支援するワークショップや、個人の方向けのキャリア相談では、30代後半以降のミドル世代の参加が増えていると実感しています。

社会人経験も長くなり、組織内では中堅層として

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個人と組織のより良い関係の本音

個人と組織のより良い関係の本音

キャリア自律研修で多い質問に、「個人が自律したら会社を辞めてしまうのではないか」「個人が自律したら、会社が従業員を統率できないのではないか」というものがあります。

「律」という時には、自分で判断するという意味があり、キャリア自律は「自分の価値観やビジョンも理解した上でキャリアを切り拓く、キャリア開発を行う」等の意味で使われます。

ただし、「自分のやりたいことだけやる」という意味ではありません。

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未来志向の功罪

未来志向の功罪

キャリア自律ワークショップや、個人の方のキャリア相談では、将来の生き方や働き方について考えてもらうことが良くあります。
特に、希望して参加されている方は「中長期的な視点で人生や仕事を考えたい」と前向きです。

けれども、未来志向で考える時には注意点も必要です。
未来の計画を立てることに熱が入り、計画を立てただけで行動が進まないことはないでしょうか?
また、「現実」と向き合うことから逃げる手段として

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変化が大きい時代の、キャリア適応力

変化が大きい時代の、キャリア適応力

サビカスは「キャリア・アダプタビリティ(キャリア適応力)」を、「仕事への準備と参加という予測可能なタスクに対処するための準備態勢」と説明しています。
興味深いのは、「準備姿勢」には、2種類があるというものです。
つまり、「仕事への準備や参加という予測可能なもの」と、「仕事や労働条件の変化によって促される予測不可能なもの」です。(Savickas 1997)

職場において「部署の体制変更」「担当業

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活力がスキルに与える影響、ミドルエイジの場合

活力がスキルに与える影響、ミドルエイジの場合

研修やキャリア相談の場で、アセスメントやツールを使うことがありますが、その一つが自身が持つ無形財産を可視化した、キャリア資産診断です。

参考:キャリア資産診断「プロテア」

今回注目するのは、活力資産。名前の通り、心身の健康ややりがい等を取り扱っています。若手時代と異なり、ミドルエイジになると、心身の健康を維持することや、モチベーションを維持できるかが重要になってきます。短期的に高いパフォーマン

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点と点をつなぐ、研修会社での経験から

点と点をつなぐ、研修会社での経験から

若手時代、こんなことをやっても将来の役に立たないと思っていたことが、意外な形で役に立ったと思うこと。
スティーブ・ジョブズの話で有名な、Connecting The Dots(点と点をつなぐ)は、ミドルエイジやミドルシニアの方には共感できることも多いのではないでしょうか。Connecting The Dotstoとは、学生時代にカリグラフィーの授業を受けていたことが、将来的に、Macのフォント作成

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劣等感との付き合い方、機嫌のデザインより

劣等感との付き合い方、機嫌のデザインより

心が落ち着く本の一つが、秋田道夫さんの「機嫌のデザイン」です。

例えば、陰で言われる悪口は誉め言葉、という一節があります。確かに、悪口を言いたくなる時、背景には相手に対しての羨ましさもあるものです。自分自身の心の状態が良い時は出てこないのだけれど、そうでない時に、
口に出てしまうのかもしれません。何が羨ましさだったのだろう、と考えてみると自己理解が深まりますね。

また、劣等感は優越感の裏返しと

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ミドルエイジから始める、プロボノ・副業

ミドルエイジから始める、プロボノ・副業

近年ご依頼が多いお仕事に、企業向けプロボノ・副業支援があります。2018年、厚生労働省が副業・兼業のガイドラインを発表し、企業での副業解禁が進んでいます。多様な経験・スキルを習得することで、本業への還元やウェルビーングを推進する狙いもあるからです。また、副業を開始する前に、プロボノ体験を推進するケースもあります。

会社員として働きながら、社外でも就業経験を積むことができるのは、個人にとっても魅力

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失敗する権利と、キャリア戦略

失敗する権利と、キャリア戦略

先日、講師仲間との勉強会で印象に残った話の一つが、「人には失敗する権利もある」というものです。つまり、周囲が先回りしすぎてレールを引いた上に相手を乗せるのではなく、うまくいかないことも想定しつつ自分で選択してもらうことが大切というものです。

そうはいっても、現実社会では難しいところもあります。
親としては、自分のような苦労はさせたくないからエスカレーター式で進学できる私立の学校に入れる。あるいは

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挑戦が癖になる、キャリア開発の現場

挑戦が癖になる、キャリア開発の現場

4月に入って、担当した研修や勉強会で何度か聞いた印象的な言葉に「挑戦が中毒になる」「挑戦が癖になる」というものがありました。
最初の挑戦は不安や緊張が大きいけれども、その一歩を踏み出して挑戦してみると、得られたモノに魅力を感じ、挑戦が続いていくというものです。素敵な習慣ですよね。

挑戦することで得られたものには、以下のようなものが挙げられます。
☑周囲からのフィードバック、励まし
☑自分自身の達

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続 抽象的な力を磨くための、大人の読書

続 抽象的な力を磨くための、大人の読書

新しい仕事の構想を立てたり、関わるプロジェクトのコンセプトを考え直したりする時に役立つ、「抽象的に物事を考える力」。
前回に続いて、おススメの書籍をご紹介します。

孤独がきみを強くする

その日に開いたページの言葉を読む、あるいは、目次から気になったページを読むことで毎回ハッとする気づきがあります。
かつて、美術館で作品を見た時にはすぐに受け止められなかった作品の意味が、言葉を通して受け入れやす

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ミドルシニアの越境体験の壁と対処法

ミドルシニアの越境体験の壁と対処法

所属する企業とは異なる環境で経験を積むことを越境体験と言います。企業によっては、研修やキャリア相談等を通して従業員の越境体験を後押しすることもあります。
社外の経験を通して、新たな経験や知識を身に付けて、キャリアを構築することを応援しているのです。
社外の経験や知識を本業へ還元することや、従業員が自律的にキャリアを形成することでのエンゲージメントの高まりは企業にも良い影響を与えるからです。

とは

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停滞期からの脱出、45歳からのキャリア戦略

停滞期からの脱出、45歳からのキャリア戦略

40代半ばになると、体調の変化、職場での役割の変化等でキャリアの停滞感を感じる方も多いかもしれません。けれども、70歳まで働き続けるかもしれない時代では、これからキャリアを再構築することも可能です。
どのように、再構築していけばよいのでしょうか?

私自身も、40代半ばから後半にかけてはキャリアの停滞感を感じた時期でした。30代で立てた10年後のキャリア戦略は実現していたものの、その後をまだ考えて

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