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【読了 2024 No.20】横道誠編『みんなの宗教2世問題』(晶文社)読了。
「宗教2世」問題が一般的に認知されたのは、安倍晋三元首相の狙撃事件が契機だったことは間違いないだろう。
しかし、この問題はずっと昔から存在していたのである。
第1章は、過酷な体験を経てきた宗教2世当事者達の手記である。やはり、問題を解決するに当たっては、このような当事者自身の発言というものを聞くことこそ、何よりも優先されると感じた。
そして、かかる手記を読めば読むほど、子供の発育に悪影響を与
【読了2024 No.19】宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)読了。
2024年度本屋大賞受賞作である。
私は本は殆んどAmazonで買う人だが、この作品は、珍しくリアル本屋で買った。
【No.18】の『星の子』が思いの外早く読み終わってしまったので、急遽本屋に飛び込んで買った。
小説ってすぐ読み終わるもんなんだね。
「年間50冊読了」の目標達成(昨年は40冊で断念)の為には、10冊位は小説入れるのアリかな❓️😝
成瀬あかりの個性のインパクトの強さよりも
【読了 2024 No.17】『社長、クレーマーから「誠意を見せろ」と電話がきています』(プレジデント社)読了。
いい本だった
本を読み始めて、「はじめに」の「別にくクレーマー対応が好きでやっているわけではない。『社長のため』と思ってサービスを提供していたら、どうしても自分で対応せざるを得なくなったからである。(中略)数え切れない失敗を重ねた果てに、なんとか自分なりの解決の体系を構築することができた。」と書かれた部分を読んだとき、著者に惚れ込んでしまった。
人のために自分が前に出る勇気と、トライ&エラーの
【読了 2024 No.16】堀江貴文著『金を使うならカラダに使え』(幻冬舎)読了。
ホリエモンが書いた本であるが、至極まっとうな本である。
ホリエモンは、2016年に医師や研究者とともに「一般社団法人予防医療普及協会」という組織を作ったのだという。そしめ、その理事を務めているのだという。
この本の内容は『GOETHE(ゲーテ)』という雑誌で連載を続けている、医療の最前線にいる医師へのインタビュー記事を再編成したものだそうだ。
彼は沢山の有識者から話を聞く中で、
「老化は病
【読了 2024 No.15】山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?-経営における「アート」と「サイエンス」-』(光文社新書)読了。
【読了 2024 No.1】【読了 2024 No.14】と、山口周氏の本が続いたが、この『世界のエリートは…』こそ、山口氏の代表作中の代表作である。読んでる間、山口氏の高く洗練された表現力に痺れまくりだった。本を読んで、「痺れる」という感覚を覚えたのは初めてだった。
なぜか偏差値の高いエリートが多数在籍しているのにも関わらず、コンプライアンス違反をしてしまう組織、オウム真理教のように暴走してし
【読了 2024 No.14】楠木建 山口周 『「仕事ができる」とはどういうことか?』読了。
いやぁ~~~、期待通りの面白い本だった👏。
楠木教授は【読了 2024 No.13】で、山口氏は【読了 2024 No.1】で、既に一冊ずつその著書を読ませて貰っていた。だから、とっても期待していた。
まずは、お二人の読書量(片方が紹介する本を、もう一方も殆ど読んでいるのだ‼️)と、踏んでいる「場数」の多さ、交流関係人の豊かさに圧倒された😳。
さて、さて、テーマの「仕事ができる」っていう
【2024読了No.13】楠木建著『好きなようにしてください-たった一つの仕事の原則-』(ダイヤモンド社)読了。
珍しくKindleで読んだ。(だから犬の写真なし)
この本は元々Newspicksというニュースキュレーションサービスサイト(有料)に連載した、「楠木教授のキャリア相談」という連載記事が母体で、それに加筆修正したものである。
楠木教授は一橋大学大学院の教授。専攻は経営学。
主な著書に『ストーリーとしての競争戦略』がある(まだ読んでません。次に読む予定)。
相談に対して、「好きなようにしてく
【2024 読了 No.12】小宮輝之著『人と動物の日本史図鑑①旧石器時代から弥生時代』(少年写真新聞社会)読了。
子供を向けの本であるが、著者は元上野動物園園長。動物学者から見た原始時代は、考古学者から見たそれとはかなり違っており、新しい知見を得ることができた。
山川出版社の最新の教科書『詳説日本史探求』には、「今からおよそ1万年前、最後の氷期が過ぎて完新世になると地球の気温も温暖になり、海面が上場してほぼ現在に近い日本列島が成立した。亜寒帯の針葉樹林にかわって、東日本にはブナやナラなどの落葉広葉樹林が、西
【2024 読了No.11】細谷功著『具体と抽象-世界が変わって見える知性のしくみ-』(株式会社ZERO)読了。
作者の主張を一言でまとめれば、具体的な表現の方が分かり易いが、抽象的な表現の方が汎用性が高くなり、活かし易いということ。
作者によれば、世の金言と呼ばれるものは、ほぼ皆抽象的な表現だからこそ様々な状況に当てはめられ、教訓として活かせるのだと。また、「歴史に学ぶ」というが、それが可能にするには、抽象化して人間社会の法則レベルまで昇華して把握してこそなのである。
予備校の日本史講師の私的にアレンジ
【2024 読了 No.10】小川仁志著『100分で名著・バートランド・ラッセル幸福論』(NHK出版)読了
ラッセル(🇬🇧)の『幸福論』は、アラン(🇫🇷)、ヒルティ(🇨🇭)の『幸福論』と並んで“三大幸福論”と呼ばれているそうだ。
ちなみにミスチルの「PUDDLE 」の歌詞の
「いいことがあった時の笑顔じゃなくて、笑顔でいればいいことあると思えたら、それがいいことの序章です」
というフレーズだが、これはアラン(🇫🇷)の『幸福論』の「幸せだから笑っているのではない、むしろ僕は笑うから幸せな
【2024 読了 No.9】上岡暘江+大嶋栄子著『その後の不自由-「嵐」のあとを生きる人たち-』(医学書院)読了。
國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』(※【2024読了No.8】で紹介。以降、國分氏の『暇と…』と略称)を読んで、
「何故、ハイデッカーの第三形式ではいけないんだ?國分氏の提唱する暇とのつきあい方は私にはモノ足りなくて耐えられないな」
と思った。
読後、モンモンしたときに、國分氏の『暇と…』の注釈でこの本を知った。
著者の一人上岡陽江氏は「ダルク女性ハウス」という施設を運営している。ここでは、
【2024読了No.8】國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』(新潮文庫)読了。
私は書名を見たとき、「暇と退屈なときこそ倫理学をかじろう」という「倫理学のススメ」的な内容だろうと思って手に取った。
だが、この書の内容はそんな能天気なものではなかった。真っ正面からの「暇と退屈」をテーマとした人類史と研究史についての考察であった。
まずは著者は哲学者なので、「暇と退屈」を主要テーマとした哲学史を著述した第一章「暇と退屈の原理論-ウサギ狩に行く人は本当は何が欲しいのか-」が一番
【2024読了No.7】國分功一郎著『初めてのスピノザ』(講談社現代新書)読了。
『独学大全』(【読了No.6】)に触発されて、オンライン“読書会”というとのに参加してみることにした。
「こくちーず」という、主にオンラインの各種催し物各自を紹介するプラットホームで「読書会」を探してみた。殆どが自分が最近読んだ本を発表する形のものが多い中で、課題図書を決めた“読書会”をしている数少ない団体があった。
その団体の課題図書がスピノザの『エチカ』だった。スピノザは読了No.1の『武
【2024 読了 No. 5】大木毅著『日独伊三国同盟-「根拠なき確信」と「無責任」の果て-』(角川新書)読了。
読み終えて改めて「序に代えて」を見直した。
「これは、主役のいない物語である。長期的な見通しも、確固たる戦略もない脇役が、つぎからつぎへと立ち現れ、ただ状況に翻弄されるなか、利己的に動き回り、筋を進めていく。彼らの行く先が、舞台中央にぽっかりと開いた奈落の底であるとも知らずに。」
読み始めは私もそう思った。
冒頭からは、日本史の予備校講師の私さえ、「A級戦犯になった」って以上知らなかった大島