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【2024 読了 No.35】しんめいP 監修 鎌田東二『自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学』(サンクチュアリ出版)読了。

著者によれば、(というか、ブッダによれば)

人生の苦しみの根本的な原因は、「自分」 なのだ(!) 

…という指摘。

なかなかショックだった💥

この前に読んだ本では「自分軸」を作ることの重要性を説かれたばかりだったから余計だった。

著者は言う

「すべてが変わっていくこの世界で、変わらない『自分』をつくろうとする。 そんなことしたら、苦しいにきまってるやん。」

そして、ブッダの言葉。

「『おれがいるのだ』という慢心をおさえよ。これこそ最上の安楽である」

うーわかんねぇ~😵😵😵


「自分などない」

このブッダの教えは、やっぱり分かりにくいのである。

だからこそ、ブッダの教えをめぐって、弟子が分裂しまくり、シンプルだったはずの教えが学者にしか分からないような複雑なものになってしまったのであ~ると、著者は言っている。

そーかぁー私ごときがすぐに分かるわけないのだ。ほっとした😌

でも、この著者の指摘、文化史ネタに使えるわ。

日本史に出てくる仏教の宗派数、半端ねぇもんな😅

ところで、この本はしっかり監修者がいる。

「京都大学名誉教授の鎌田東二先生に監修していただいた。鎌田先生は70代だけどバク転できる超スゴい方なので、とにかく安心してほしい。」

どうして「バク転」できると安心なのか🤔⁉️

…よく分からないが、読んでて吹き出してしまった。

さてさて、筆者が最終的に達した「(著述業として)働く意味」がこれまたよくわかんね。

「自分がまなんだことぜんぶみんなにあげる。 これ多分、ハトにえさバラまくおばちゃんと一緒だ。「自分」がなくなって、めっちゃきもちいい」。


ちなみに江戸時代の歌川国芳の作。昔っからいたんだね。ハトにエサをやる人って。でも、川崎大師なんか禁止するどころか、ハトのエサ売ってるもんね。

うーん😅「ハトにえさバラまくおばちゃん」って果たして「自分」無いのかなぁ?

うちの家の近くの海辺で長らく「(散歩している他人の)犬にえさ」やりたがるおじちゃん(おばちゃんじゃないけど)いたけど、餌付けした犬達に対して、めっちゃ偉そうな態度してたけど。

しかし、読了後ぼーっと犬の散歩をしたり、仕事をしていたら、だんだん著者の言いたいことが分かってきた。

うちの予備校の某校舎の現役生の授業で、江戸時代末期(1840~41)の「三方領知替え」を説明したときのこと。

説明していたら、普段あんまりよく聞いてくれない生徒も身を乗り出して聞いている。

「あぁ学校でやったけど、きっと分かってなかったんだろなぁ~…昨年、『三方領知替え』って、けっこうデキる子から授業前に質問された内容だしな」

と感じて、心を込めて分かりやすく教えた。

このとき、

「やっぱ自分って授業うめぇなぁ」という慢心も、

「私のプリントってやっぱ分かりやすいだろ」とかいう自負も、

それでも聴かない"船ぎ常連"の約一名の存在も、

み~んな消えていた。

この「境地」なんだろうな。

作者が言いたかったのは。

自分は授業準備しっかりやるし、現役生には毎回(任意だけど)提出課題を課している。論述の添削課題も入ってて、論述対策も万全になるようにしている。

でも、それらは全て「義務感」や「使命感」とかでやっていた。だから苦しかった。

私はもともと日本史好きなのである。

授業準備での日本史の勉強でも、

「おもしれぇ😆」

「目から鱗だわ😲」

「意外ぃぃぃ😱」

とかいう話は、何年やっててもどんどん出てくる。

こういった「自分がまなんだこと」を、

「ぜんぶみんなにあげる。…めっちゃきもちいい」

これでいいんじゃないの?

…って思えた。

実はこの本を読む前に「使命感」関係の本を読んでいた。でも、なんか途中で苦しくなって挫折していた😅

「使命感」なんかで動こうとするより、

自分の原点…歴史の図鑑や漫画を文字通り「韋編三絶」するまで読み込んでいた幼稚園児の昔にかえって、

「自分がまなんだことぜんぶみんなにあげる。…めっちゃきもちいい」

でやってけば、いいんじゃないのかな?と思えた。

そういう「境地」に達すれば、

「自分が一生懸命授業準備したのに、生徒がちっとも聞いてくれない」
って悩みはなくなるよね。

「一生懸命勉強したんだから、ソンケーされたい」
なんちゅーつまんねぇ欲もなくなるよね。

「自分がまなんだことぜんぶみんなにあげる。…めっちゃきもちいい」

この「境地」を目指して授業準備してみよう。

今後は啓蒙書やメンタルヘルス書なんか読むのやめて、ひたすら日本史関係本ばっか読んでみようっと🎵

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