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拝啓、痛々しくも愛おしいあの頃の私たちへ
10代の頃にめちゃくちゃ好きだったバンドの音楽を、大人になってから聴いてみるとダサかった、というほど嫌なものはない。
そういう経験は、恥ずかしながら少なくない。
足を洗ってしばらく経つけれど、私はバンギャルだった。
バンギャルという言葉が今の世の中でどれほど伝わるのか分からないけれど、ヴィジュアル系バンドが好きな女の子たちを指す言葉だ。
私の青春とは、お化粧をしたバンドマンたちに恋をして、重低音
全く初見でシン・エヴァを観た話
去年の3月の始めの頃、友人と『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』を観た。
会社の福利厚生で、映画のタダ券をもらったのだが、この時期特に観たい映画もなく、熱狂していた世間の波に乗ってみようと思って決めただけだった(その証拠に、私たちはあの時シンエヴァにするか、無限列車に乗るかの話し合いを30分ほど繰り広げた)。
友人はテレビアニメシリーズ観ていたらしいが、私はテレビアニメも映画も、1回も観たことが
「一世一代の大ペテン」に騙されたい
芸術・エンターテインメントを消費する側の人間として重要なのは、それがいかに現実を忘れさせてくれるかだと私は考えている。
碌でもない日常があっても、片のつけようのない悩みがあったとしても、それに触れている時はその一切を忘れ去ってしまう。現実から遠ざけられてしまう。
人は誰しもそんな願望を持っていると思う。
だから、世の中には小説が溢れ、映画が溢れ、音楽が溢れている。この世はエンターテインメントで溢れ