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転職体験記 シリコンバレーのベンチャー企業に その1 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 米国企業への転職の流れをご紹介致します。

 時は昭和のバブル時代真っ只中。

 鉄鋼会社は過去最高益を出し、その好機に次期基幹産業たる半導体事業に参入が相次ぎました。しかし日米半導体摩擦の影響をまともに受けて、事業戦略変更を余儀なくされました。既に始めていたNTTの先端的な技術導入を棚上げし、同じ旧財閥系グループ内の大手電機メーカー買収も断念したのです。

 そして急遽米国に配慮して米国半導体ベンチャーからの技術導入、共同開発、鉄鋼生産のコンピュータによる鉄の全自動生産ノウハウを移植した世界初の全自動の半導体工場立ち上がり後は、共同開発製品をOEM提供という建付けへ変更となったのでした。この辺りの戦略的な事業開発は、当時は技術開発担当でしたが、インサイダー見守る事ができ後の企画部門への転職にとても参考になりました。

 その様な背景の中、国内の秘密工場へのNTTからの技術導入を経てシリコンバレーにある高速半導体メモリを開発·製造している会社に転職となったのです。形式的には鉄鋼会社の米国駐在員で、鉄鋼会社の社員としての給与を貰い、その米国ベンチャーの社員としても給与を貰い、日米の年金保険料はダブルで払い、税金は日米の給与と駐在員手当(住居費、自動車購入費、交通費など)も含めた全収入に対して米国の税金を支払うという形でした。高額の税金支払いも想定した駐在員手当でしたので、国内の給与の倍を遥かに超える収入でした。しかも駐在員手当は当然ドル建て、為替レートは丁度今と同水準の1ドル150円程度でしたので円に換算すると凄い金額でした。

 納税を含めたその辺りはアーンスト・アンド・ヤング (Ernst & Young、略称EY)さんを使って居ましたので安心でした。因みに同社は、ロンドンを本拠地とし世界各国で会計、税務、コンサルティングなどのプロフェッショナル・サービス事業を展開するサービス企業であり、Big 4の一角を占める名門です。

 国内でもそうですが、特に海外でも

兎も角多めに納税して後で必要に応じて還付を受ける形にすると、脱税、追徴課税等の面倒なトラブルを回避できます。

 これは海外駐在員として学んだ最大の人生のノウハウの1つです。

 視点は若干異なりますが…

“減税制度とか給付金とか利用せず満額税金を納める”

(税金から逃れるとか、そこから何か給付して貰うのではなく、全く逆の発想で十二分に税を納める…
国とかお世話になっている地方自治体に寄付する感じ…
だって社会貢献なんですもの…)
というのも大人のお作法の1つなのかと。

という発想もその原点は、この転職で学んだ事。その発展型かと感じています。


 渡米に際しては先ずは米国大使館でのビザの取得。形式的に半導体技術開発のエンジニアという建付けでの渡米でしたので、取得したビザは、

H-1B

 H-1Bビザとは“専門技術者”として米国での一時的な就労する場合を対象としたビザです。確か当時は4年間だったかと。 米国人の雇用に悪影響を与えない、人手不足の分野に対する特殊な能力を持ち、現地企業に就労することが前提。米国の学士またはそれと同等の経歴を持っていることが 条件の一つとなっています。また、私達を受け入れる米国ベンチャー企業、詰まりH-1Bをスポンサーする会社についても最低賃金額の支払いが必要になるなど、 会社側にも様々な申請条件があります。

 ビザ取得に際しての大使館での面接、その後の手続きとそれなりに面倒でした。

つづく

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